2018年3月19日 13:13
IDC Japan株式会社は19日、パブリッククラウド接続用途WANサービスの市場予測を発表した。それによると、2017年の市場規模は前年比56.8%増の約84億円となり、前年に引き続いて急速に拡大しているという。
IDC Japanでは、パブリッククラウドと企業の拠点/データセンターを接続する目的で導入されるWANサービスを、パブリッククラウド接続用途WANサービスと定義している。
2016年時点では、一般企業のパブリッククラウドの利用用途は、企業のWebサイトなどミッションクリティカルではない用途がほとんどだったものの、2017年には、基幹システムをパブリッククラウドに移行するケースも見られるようになり、これに伴って、広帯域かつ高い安定性を持つ、高品質な接続回線の導入が増加し始めているという。
通信事業者のサービスでも、自社のWANサービスから、AWS Direct ConnectやMicrosoft Azure ExpressRouteといったパブリッククラウドへのプライベート接続用ゲートウェイに閉域接続するオプションが提供されるようになっており、企業がこうした通信事業者のWANサービスやゲートウェイを利用し、複数拠点からパブリッククラウドに接続するケースが増加しているとのこと。
IDC Japanは、こうした傾向が今後も続いていくと予測。パブリッククラウド接続用途WANサービス市場の2017年~2022年の年間平均成長率を20.8%、2022年の市場規模を約215億円と予測している。
なお、企業が社内に置いていたアプリケーションをパブリッククラウドに移行する動きが拡大するにつれ、WANのトラフィックは増加する。また、通信コストの抑制、レスポンスタイムの短縮、セキュリティやガバナンスの向上など、新たな取り組みも必要になる。
こうした点を踏まえ、IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は「企業は、重要なアプリケーションをパブリッククラウドに移すタイミングで、WANを見直すべき」と提言している。