本記事はオンク氏(@it_warrior_onc)のブログのオマージュでお届けする。www.onclog.com
「内定を出そうと思うけど、6/1,2の内定者研修来られる?」
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最近季節がらかTwitterやメディアで就活生のオワハラの被害をよく見かける。
ワンキャリアさん(@onecareerjp)でもこんな特集が組まれていたが、「他の企業を辞退するなら」「内定承諾書に書面して就活終わりにするなら」「6/1(名目上の就活解禁日)に研修に来られれば」「うちに決定するというコミットメントがあるなら」内定を出す等のあれだ。勿論本人もそれで迷いがないなら従えばいいとは思う。
ただ特に男性諸君は胸に手を当てて5回復唱してみてほしい。
就活やめないなら内定とかださない
就活やめないなら内定とかださない
就活やめないなら内定とかださない…
どこかで聞き覚えはないだろうか?
そう、恋愛工学生でも出会う最後のハードルであるこれだ。
付き合わないとそういうことしないから
付き合わないとそういうことしないから
付き合わないとそういうことしないから…
このセリフを聞いたときの心境は兵糧が大事な戦いで兵糧を焼かれた壁将軍に等しい。(完全に余談だが壁ほどモッテないキャラも珍しいw)
さて、この女性からの最終命題については、恋愛工学コミュニティのマスター的ポジションであるオンク氏が冒頭の記事内で非常に美しき証明を行っている。
大事な部分を引用させてもらう。
「あたし"付き合わない"とそういうことしないから」
は、現代の恋愛で有効なアクションとなり得るのだろうか。
もっというと、このアクションによって互いに幸せになれるだろうか。
答えはNOだ。
なぜなら、その根底には
セックスと相手からのコミットを交換しよう、
というマインドがあるから。
セックスと引き換えにコミットをせがむのは極めてダサいアクションといえる。
(中略)
「セックス以外にあなたに与えられるものはありませんよ」
と言ってる女性に魅力を感じないし、長期的な関係を築きたいとは普通思わない。
┃内定と引き換えにコミットを引き出すオワハラ企業
さて、感のいい読者ならもうお気づきかもしれないが、担当直入にいうとこうだ。
オワハラとかそれに近いことする企業ってクソ出せくない?ねー?
それって内定しかコミット引き出せる方法ないってこと?
話はそれるが、私も人事をしていたので、もちろんコミットを引き出したいメカニズムもよくわかる。女性は男性と比べて圧倒的に生殖コストが高いから、男性からのコミットを求める。同様に、基本的に学生は無数にエントリーも内定も取ることができる一方、企業の内定出しコストは相当高い(私の以前の会社で一人内定あたり約100万+多大な工数)。なので企業からしたら高いコストをかけて見つけた採用基準の学生を逃すことや、逃した際にまた0から探すコストを嫌うため、
「どこにも行かず御社にコミットします」
という御社コミットを引き出したいという感情は男女関係と同様に本能に基づくものであるため、否定はしない。
ただしである。
我々人間は本能ではなく、理性で生きられる生物だ。
だとしたら企業は本能的な衝動で無理やり御社コミットを引き出すのではなく、合理的に合意を得るべきなのではないだろうか。
┃内定の先にあるなにか
再度オンク氏の論文を引用させてもらうが、
恋愛で大事なのは、
蜜壺自体の価値を釣り上げて相手からコミットを奪うことではなく、
蜜壺の先にあるなにかを与えることなのではないだろうか。
この通りだと思う。企業に必要なのは、
内定自体の価値を釣り上げて、選択肢を奪いコミットを要求することではなく、
内定の先にあるなにか与えることだ。
わかりやすさを優先して誤解を生むかもしれないが、三菱商事に内定をもらって承諾をしない学生がどれだけいるだろうか?
それはオワハラなんかではなく、三菱商事のMissionに対する共感、自身の成長、合コンでモテるメリット、対価、ブランド全てを得たいものと学生が判断した結果だろう。
ここまで読んでもらって非常に申し訳無いのだが、本記事に関しては、だったら学生はどうしたらいいのかというソリューションは持っていない。企業に変わってもらうしかないのだ。そんな企業には行かないというのが、学生が唯一できることであるが、それを簡単に言えるくらいならオワハラなんて成立しないと思うので、残念ながらそれでは理想論にしかならない。
しかしあえて理想論に戻させてもらう。
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「そこは他の企業受けにいきます。もしそれだと内定もらえないということなら、好きだった御社が好きじゃなくなるので、それはそれで構いません」
おしまい