学長コメント発表もピンずれ 内田前監督のうそ認定と捜査で追い詰められた日大
国内最大のマンモス私大、日本大学が追い詰められている。アメリカンフットボール部の選手が悪質なタックルをした問題で、内田正人前監督が指示をしていたのにうそをついたと競技団体から29日に認定された。
これについて、日大側は30日夜に大塚吉兵衛学長名で、「日本大学の今後に向けて」というコメントを出した。
【コメントを出しただけの大塚吉兵衛学長】
「同連盟の裁定を真摯(しんし)に受け止め、アメリカンフットボール部選手たちの気持ちを無にしないよう、誠実に対応いたします」
こうホームページに掲載したが、会見には応じていない。大塚学長は25日の会見で、「学生と監督、コーチとの話には齟齬(そご)がある」と発言。タックルをした学生が前監督らの指示があったと発言しているのに、前監督らの責任についてあいまいな説明を繰り返していた。今回のコメントでも、前監督らの責任やこれまでの大学の対応の問題点については、詳しく説明していない。
一方でコメントでは、選手たちが29日に出した声明をもとに、こう言及している。
「アメリカンフットボール部選手一同の声明文にあるとおり、選手たちはこれまで指導者へ依存してきた事実を反省し、ことの責任を重く受け止めるとともに、『部の指導体制も含め生まれ変わったと皆さまに認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメリカンフットボールを他のチームの仲間とともにプレーできる機会を、お許しいただければ』としております」
本来なら選手たちを依存させるような指導をした内田前監督やコーチ陣の問題点を指摘し、それを許した対応について大学側が「反省」すべきだが、そうしたことには具体的に触れていない。部員たちの気持ちを前面に出すことで、大学側の責任についてはあいまいにしたまま、アメフト部の活動再開を訴えかけるような内容になっている。
大塚学長は今後の調査は第三者委員会に委ねるとしてきたが、いつ立ち上げるのかもはっきりしていない。