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【大相撲】

栃ノ心、きょう大関昇進 缶コーヒー「ジョージア」900本の援軍

2018年5月30日 紙面から

日本コカ・コーラ社から贈られたジョージアの缶コーヒーを飲み干す栃ノ心=東京都墨田区の春日野部屋で(福永忠敬撮影)

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 大相撲の関脇栃ノ心(30)=春日野=の大関昇進が30日、日本相撲協会の名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ=愛知県体育館)番付編成会議と臨時理事会を経て正式に決まる。昇進伝達式を控えた栃ノ心が29日、東京都墨田区の春日野部屋で取材に応じて「相撲より緊張する」と式で述べる口上に思い悩む中、故郷ジョージアと同じ名前の缶コーヒー900本の差し入れが到着。「夜、寝られないかも」と徹夜も辞さない状況にピッタリの前祝いに、笑顔を見せた。

 昇進前の直近3場所では最多タイとなる37勝を挙げ、大関の座を決定的にした栃ノ心とは思えない弱気な言葉が並んだ。昇進伝達式は「相撲より緊張します」ときっぱり。過去の式の映像を見て雰囲気をつかもうとしたが「他の横綱、大関も固まってた。ヤバイなと。俺もこうなるのかな」と話して息をついた。

 伝達式の見せ場は、新大関としての決意を表明する口上。内容はけむに巻いたが、不安は尽きない。日本語での会話そのものは、趣味の料理について冗舌に語るなど問題なし。不安は読み。ローマ字で記し、練習するという。

 「夜、寝られないかもしれない」と徹夜覚悟の主役にこの日、最高のタイミングで差し入れが届いた。故郷ジョージアと同じ表記の地名が、商品名に入った缶コーヒー30ケース計900本だ。

 残念ながら、商品は米ジョージア州にちなんでおり、栃ノ心の故郷とは無関係という。それでも、発売している日本コカ・コーラは名前の縁から個人指定の懸賞を出し、今年秋場所以降の懸賞増や化粧まわしの贈呈、CMオファーなども検討。期待はふくらんでいる。

 早速、眠気覚ましか景気付けか、1本を飲み干して「うまいな、ジョージア」と笑顔が戻った。2つのジョージアの顔となる日も近い。

 新入幕から所要60場所は1位タイのスロー出世。幕下まで落ち、引退も考えた右膝の重傷からの再起といった我慢の日々に比べれば、口上も何のその。「自分の気持ち伝えたい。簡単でも」と覚悟は決めた。ドキドキを乗り越え、大関栃ノ心が第一歩を踏み出す。 (志村拓)

 

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