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東京都中央卸売市場で残業時間の改ざん 過労死ライン越えの職員も

「半分に」という指示があったとの証言も。過少申告は都庁で横行しているのか。

築地市場や豊洲新市場などの業務を担う東京都の中央卸売市場で、職員の残業時間をほぼ半減させる改ざんが起きていたことが、BuzzFeed Newsの取材でわかった。

小池百合子知事の就任による市場問題の混乱で、部署は1年を通じて多忙を極めていた。

書き換えを指示された職員のなかには、「過労死ライン」を超える残業をしている人もおり、混乱のしわ寄せが職員にまで波及していたことが明らかになった。

都は改ざんのあった課や指示内容を明らかにしていないが、BuzzFeed Newsが情報公開請求で入手した資料や関係者によると、改ざんが起きたのは、中央卸売市場・市場政策課の2017年2〜3月分の残業(超過勤務)時間だ。

少なくとも市場政策課の職員15人が、残業時間を書き換えるよう担当課長から指示されていたという。

同課は、市場の整備計画や豊洲市場の千客万来施設などをとりもつ部署。

小池都政下で市場全体が混乱していたことに加え、改ざんのあった2〜3月は、議会対応などで1年のなかでも多忙を極めていたという。

資料によると、一般的に「過労死ライン」と呼ばれている100時間(単月)を上回る104時間の残業をしている職員もおり、その過酷さが伝わる。

「残業を半分に」と指示

関係者によると、改ざんにあたっては、担当課長から職員に対し「超過勤務時間を半分にしてほしい」との言葉があったという。

「都ではそもそも残業代の予算が事前に決まっているため、忙しいときは年度末に調整しないといけない。その調整ができないという理由で、課長から書き換えの指示がありました」

「会議室に課員が全員集められ、課長からお願いという形で残業時間を半分に削るよう言われました。頭は下げていましたが、強制に近いですよね。従わざるを得なかった」

中央卸売市場総務課によると、本来は15人で計623時間55分だった超過勤務時間が、書き換え後には計348時間になっていた。約44%削減されていたことになる。

都人事課によると、担当課長は「超過勤務の予算についてすでに追加で配付を受けており、二度目の追加配付を受けることはできないと思っていた」と説明しているという。

別の部署でも…

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改ざんの事実は、2017年10月の公益通報により発覚。担当課長ら責任者3人は3月末に懲戒処分を受けており、職員15人には約88万9千円の不払い分がすでに支給されている。

人事課は「都としても未払い残業やサービス残業が起きないように徹底しているほか、超過勤務削減に取り組んでいる」としており、これまで同様の改ざんなどは発覚してないという。

ただ、先ほどの関係者は、こうも漏らす。

「超過勤務の申請は自分でする。自ら少なく申請することもありますし、別の部署では暗に削減を指示されたこともある。過少申告は都全体で横行しているのでは。本来なら一番法令遵守をしないといけない都が、こんな状態で良いのでしょうか」

都では小池都政下になった2016年10月から「残業ゼロ」への取り組みを進めており、2017年9月からはさらに強化している。退出時の「カードタッチ」による勤務時間の把握や「20時消灯の徹底」を掲げているが、前途は多難だ。

「取り組みが強化されていることは歓迎するべきことですが、そもそも人が足りていなかったり、無駄な業務が多すぎたりする現状から見直すべきなのではないでしょうか。そうしないと、改ざんは繰り返されると思います」


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