渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

お越しくださいましてありがとうございます。

 

渋谷区が東京大学先端科学技術センターに委託した「特別な才能に着目した新たな教育システムの構築」事業の中で、読み書き計算に関する差支え(読字障害など)について調査が行われました。

本日の渋谷区議会文教委員会で報告が行われましたのでメモしておきます。

 

 

<方法と結果>

通常学級小3~中2の4184名について、

  • 漢字(書きの困難):A通常の漢字書き取りB選択式の漢字問題
  • 読解(読みの困難):A通常の読解B先生の読み上げによる読解
  • 算数/数学(計算の困難):A通常の問題B計算機を使用してとく問題

について、ABそれぞれ10分のテストを4回ずつ実施して比較調査。AとBに差があれば困難ありと推定されます(基準は未公表)。

 

その結果は、

  • 漢字:学年により6.0~10.6%の子に困難があると推定されました。
  • 読解:同じく2.5~9.6%の児童生徒に困難があると推定されました。
  • 算数:4.7~9.5%の児童生徒に困難があると推定されました。

ということで、

 

学年・教科によるが、2.5~10.6%の子が困難を抱えている

 

ということが推定されます。読解と計算は年齢とともに解消していくことが示唆されていますが、書きの困難についてはそこまで明確に傾向が読み取れません。

 

<雑感>

 

読字障害や計算障害があることは知っていましたが、せいぜい人口の1%前後だと思っていたのでこの数字は驚きました。推定なので確実ではありませんが、40人学級でおよそ1~4人の子が読み書き計算のそれぞれに困難を抱えていることになります。

この子たちは、その困難さえなければ勉強もそれなりにできるのです。ただ、かけない・よめない・計算できないというそれぞれの抱える困難で、もしかしたら辛い思いをしているのかもしれません。そういう子たちに、いま行われている「漢字を何回も書かせたり計算を繰り返させたり」するのは、本当に効果がある学習ではないですよね。できるところを伸ばしていくべきでしょう。

今回の報告では、タブレットなどでサポートしながら学習すれば、例えば書きに困難がある子は音声入力にする、読みに困難がある子は読み上げを使う、計算に困難がある子は電卓機能を使うなどすれば学びやすくなるとされています。私も何回か主張してきただけに、やっとここまできたか・・・という感慨が。他方で、その子や保護者の受け止め、周囲の受け止め、先生の対応についてなど、本当に考えることが山ほどあるなと感じます。

 

いずれにせよ、困難を抱えている子たちができるだけ早く、そして充実した対応がなされるように、個に応じた指導(アダプティブラーニングといいます)が行われるように求めていきます。

 

 

最後に、委員会資料のPDFを置いておきます。

教育_学習のつまずきテスト_20180529