レオパレス21のアパートで界壁の施工不良が見つかった
テレ朝ニュースによるとレオパレス21が施工したアパート200棟において界壁が小屋裏まで達していなかったり、施工不備が見つかったということです。
まだまだ調査の終わっていない物件もあるのでこの数がどれだけ膨れ上がるかはわかりませんが問題ですよね。
界壁とは集合住宅の戸境の壁のことで、高い遮音性と防火性能のが求められます。
RCの物件以外はほとんどが乾式の界壁で、通常よりも遮音性と防火性能の高い石膏ボードが使われ、コンセントなども設けることができないなどの制約があります。
また、施工方法も決められた手順や材料なども定められた認定工法であることが多いのですが、建売のような現場では仕様書の通りに施工できていないことも多々あるのです。
だからといって、このケースもそれらの延長というかと違うと思います。
界壁の構造や何のために施工するのか?解説
この界壁は小屋裏(天井から屋根まで)まできちんと施工する必要があるのです。
簡単なスケッチで申し訳ないですが、上の図のように基礎から屋根まで火と音を防ぐのが界壁で、隣家の炎や騒音が簡単に侵入しないように仕様が定められているのです。
この赤い部分が施工されていなかった箇所で、この部分は施工するのが難しいのと完成してしまうと目につきにくいため施工不良やミスが起きたのだと思います。
ただし、発覚した件数からすると施工ミスというよりは一部の下請け業者がきちんと施工方法を知らなかったり、手抜き工事をしたことが疑われます。
界壁の断面はこのようになっていて、実は下地も千鳥に配置するなどして直接電波音や熱が伝わらないように考慮されているんですね。
防火性能や遮音性能で等級がわかれていて、グレードが高くなるにつれて壁も厚く、効果になります。
レオパレス21のHPによるとノンサンウウドシステムを採用ということで、比較的高い性能をうたっています。
しかし、その界壁が小屋裏ではつながっていなかったら効果も期待できませんよね。
集合住宅ではオーナーが住むことが少ないのでその性能がきちんと発揮されているかわかりづらいもの。
今回は2人のオーナーが疑問を持ったことがきっかけで発覚しましたが、戸建て住宅ではもっと早く見つかった問題ではないかと思うのです。
施工ミスはなぜ見過ごされるのか?なぜ起きるのか?
しかし、こういった物件はレオパレス21に限らす多いのだと思います。
私が問題視するのは、その施工ミスがなぜこれまで見過ごされてきたか?
その大きな要因は確認審査機関にあるのではないかと思っています。
私が現場で目にしてきた感じだと、レオパレス21のようなパワービルダーだと確認審査機関にとっても上客で、検査があまかったり、写真だけの報告だけで済ませたりきちんと第三者の立場が取りづらくなっているのではないかといことです。
それは組織的というよりは担当者レベルだと思うのですが、こういった事案が発生しないように今回のミスを見逃した確認審査機関があれば、そちらに対してもきちんと是正を促してもらいたいものです。
うまく表現できませんが、確認審査機関が悪というわけではなく、第三者の監理というシステムそのものが欠陥であるということ。
建売等を建てる側が検査員を手配する流れ自体を改善させないとなかなかなくらない問題ですね。。。
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