マレーシア航空MH370便、有志による捜索も打ち切り

残骸の一部はアフリカ東部の海岸で見つかっている Image copyright Reuters
Image caption 残骸の一部はアフリカ東部の海岸で見つかっている

2014年3月に行方不明となったマレーシア航空MH370便について、有志による出資で行われていた捜索が29日に正式に終了した。

米オーシャン・インフィニティー社は90日にわたってインド洋の深海を捜索していたが、新たな発見には至らなかった。マレーシア政府は、新たな調査の予定はないとしている。

今回の捜索は航空史上、最も広範囲で行われた海上・水中捜索活動で、捜索範囲は12万平方キロメートルにわたった。

MH370便は2014年3月8日、クアラルンプールから北京に行く途中、乗員乗客239人を乗せたまま消息を絶った。同便がどのように遭難したのかについてはなお議論が続いている。

機体の破片は最も遠い場所でマダガスカル島などで見つかったが、機体そのものは発見されていない。

マレーシアと中国、オーストラリアが携わった公式の捜索活動は、昨年1月に終了している。

捜索活動を行ったのは?

米国に拠点を置くオーシャン・インフィニティー社が、8機の小型潜水艦を使って8万平方キロメートルの範囲を調査した。

冬が近づき天候が悪化してきたため、今後数カ月はこの海域での捜索は不可能だという。

同社は捜索を無償で請け負ったが、MH370便の残骸を見つけた場合は最大7000万ドル(約76億3500万円)が支払われることになっていた。

捜索は、アフリカの東海岸で見つかった機体の一部がどのように流れ着いたかを分析した後に始められた。

MH370便の最後は?

MH370便が遭難した状況について、捜索班が持っている情報はとても限られていた。

専門家も、同便が最後までパイロットの制御下にあったのか、コントロール不可となって海に墜落したのか、決定的な結論には至っていない。

この2つのシナリオでは、捜索すべき海域も異なっている。

ほとんどの通信機器の電源が切られていたため、パイロットがなぜMH370便を予定された航路から外し、インド洋へと向かったのかは分かっていない。

先にはオーストラリアの調査員が、パイロットが故意に同便を墜落させたとの憶測を否定している。

(英語記事 Private search for MH370 formally ends

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