【大相撲】栃ノ心、口上も真っ向勝負 あす大関昇進伝達式2018年5月29日 紙面から
大相撲夏場所で13勝を挙げ、大関昇進を決定的にした関脇栃ノ心(30)=春日野=が28日、東京都墨田区の春日野部屋で記者会見し、30日の昇進伝達式で述べる口上について白紙を強調した。師匠によると、シンプルな内容になる見通しだという。また、自身初の2場所連続優勝を遂げた横綱鶴竜(32)=井筒=は、一夜明け会見で初の全勝優勝へ意欲を見せた。 優勝決定戦の可能性を信じ、連敗を止める白星で締めくくった千秋楽から一夜明けたばかり。さすがに、新大関としての第一歩となる口上までは気が回っていなかったようだ。 「決まってない。親方と相談して勉強しないと」と戸惑うジョージア出身の弟子に、同席した師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)がすかさず、助け舟を出した。「あまり日本語が上手じゃないので」と苦笑いでフォローしながら、「(立ち合いで)変わる印象はない。積み重ねを大事に。彼らしく。信条を入れていきたい」と方針を打ち出した。真っ向勝負の取り口と同様、シンプル路線になることを示唆した。 新入幕から所要60場所。史上1位タイというスロー昇進が近づく。師匠が「今から技巧派になれというのは、ちょっと無理」と評するように小細工なしの相撲っぷりで、右膝に重傷を負い幕下陥落という挫折も乗り越えてきた。右四つの力勝負を貫く決意に似た実直な言葉が並びそうだ。 年6場所となった1958年以降に初土俵を踏んだ新大関としては、4番目に年長の30歳7カ月という遅咲きになる。それでも、昇進前の3場所では最多タイとなる37勝を挙げた。「誰とやっても、勝てるイメージしかなかった。(優勝のチャンスは)次もあるんで頑張ります」と充実を実感し、30日の晴れ舞台を迎える。まずは滑り出しの口上を、ビシッと決める。 (志村拓)
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