満足度:80点
【ネタバレ注意】 カオスに広がる 切なき男の物語
(未視聴の方はスクロールされぬようご注意ください)
【目次】
Prologue プロローグ
Chapter1 バタフライエフェクト(バタフライ効果)とは
Chapter2 6ルートの人生(全体像の解説)
Chapter3 不自然なシナリオからみる「ワープの謎」
Chapter4 【不可解なシーンⅠ】なぜ?記憶が喪失するのか
Chapter5 【不可解なシーンⅡ】この物語はホントに純愛路線なのか?
Chapter6 【不可解なシーンⅢ】実は・・意図的なシナリオだったのか?
Chapter7 「無意識に(封印)したかった記憶」
Chapter8 この物語はすべて男の妄想だったのか・・
Chapter9 全部で4つの・・ラストエンディング
・・Prologue・・
タイムトラベルものの映画は数あれど・・
「バタフライエフェクト」は低予算であったにも関わらず世界中で大ヒットし
衝撃作と称された、いまだ話題の絶えないノンストップサスペンスである
斬新な設定といわれているのも
「バタフライエフェクト(バタフライ効果)」をモチーフにした
"何通りもの人生" を描いているからなのではないでしょうか
ちなみに同系列のパラレル映画がお好きな方は
別記事:バタフライエフェクトをテーマにした映画「ミスターのーバディー」もおすすめです
ミスターノーバディーは(2009年公開)「12通りの人生」を描いた作品
バタフライエフェクトは(2004年公開) 「6通りの人生」を描いた作品です
※独断と偏見、個人的な想像も含まれます ご了承ください
Chapter1
バタフライエフェクト(バタフライ効果)とは
バタフライ効果とは・・
『非常に些細な事がきっかけで →
とてつもない変化をもたらすこと』
もともとは気象学の数値予測の研究によるものらしい
誤差が拡大しカオスになること(カオス理論)
(例)
「ブラジルの一羽の蝶のはばたきが発端となって
テキサスでトルネードを引き起こすかもしれない」
わらしべ長者のような
『因果思想』ともいえますが
わらしべ長者は、些細なきっかけから
(好機)が訪れ、最終的には長者になるお話
いっぽうバタフライエフェクトは
『カオス理論』であり
些細なきっかけからカオス(
混沌としていて
無限に連鎖してゆくような)
(転機)が訪れるといった、時に悲劇のストーリとして扱われることも少なくない
Chapter2
6ルートの人生(全体像の解説)
主人公エヴァンは記憶喪失の持病を抱えていて
ドクターから「日記」をとるように薦められていた
彼は特殊な能力を持っており
日記を読むと
その時点の人生に逆戻り してしまうことを
大学生になって気づいてしまう・・
この物語は主軸となる
『3の分岐点』 から展開してゆく
・
『地下室』 ロリコン親父に地下室で虐待される
・
『爆弾』 親子が郵便受の爆弾で死亡
・
『犬』 犬がトミーに殺される
ルート①本来の人生 で上記の
『3つの悲劇』 が起こる
主人公はこれらの出来事を
タイムリーリープ して食い止めようとする
そして
「6通り」 の人生を歩むことになるのですが・・
【ルート①】 本来の人生
・エヴァンは・・
優秀な大学生
・レニーは・・ 爆弾と犬の事件のトラウマでで
引きこもり状態・ケイリーは・・ 父の虐待の影響で
孤独でさえないバイト生活
・トミーも・・ 父の虐待で
サディストになり少年院 送りになっていた
大学生になったエヴァンは
疎遠になっていた幼馴染みのケイリーとレニーに会いにゆく
・レニーに
『犬』の話を聞いてしまい
→レニーはブチ切れてしまう
・ケイリーに
『地下室』で父に何をされたのかを聞いてしまい
→ケイリーは
自殺 してしまう
これがきっかけでエヴァンは
パラレルな人生を歩むようになる(タイムリープするようになる)
→
ルート②へ【ルート②】 ⇒『地下室』のビデオ撮影を止めにゆく
・エヴァンは・・
いじめっこのチャラ男大学生 カンニング常習犯
・ケイリーは・・ 父に虐待されず
美人女子大生 になっている
・トミーは・・ 父に虐待され
少年院送りに
(エヴァン&ケイリー 2人はイケイケ
美男美女カップル になっている)
エヴァンは7才の地下室に戻り ビデオ撮影を止める
ロリコン親父の説得に成功
そのためケイリーは
虐待を受けず 健康的に育つ
(その代わり
兄のトミーが父から虐待 されてしっまっていた)
エヴァンは 少年院から出所してきたトミーに襲われるものの
逆にエヴァンが
トミーを撲殺 してしまい
刑務所送り になってしまう
刑務所のスキンヘッドホモ野郎に復讐
(教室にリープし奇怪な絵を描く) エヴァンは刑務所で同室者カルロスの力を借りてタイムりープする →
ルート③へ
【ルート③】 ⇒『犬』を助けにゆく
・エヴァンは・・
ふつうの大学生・トミーは・・ 犬を殺そうとして逆に
レニーに殺されてしまう
・レニーは・・ トミーを殺して精神が病んでしまい
病院のベットで拘束状態
・ケイリーは・・ 虐待と爆破事件の影響で
アル中の娼婦 になっている(頬に大きな傷)
エヴァンは犬が入った袋の紐を切る為に、レニーに鋭い廃材を手渡す
犬は助かったものの
レニーは
思い余ってトミーを殺してしまう そのため精神病院送りになってしまう
大学生のエヴァンは
(父との面会場所にリープ) 父との面会すると・ ・
実は父も同じ能力を持っていた 息子が自分と同じ運命を辿らぬようにと・・
父に首を絞められて殺されそうになる
エヴァンはケイリーに遭いにゆくと ケイリーは一連の事件を引きずっており
「だったら爆弾事件や 父の虐待の場所に 戻ればいいじゃないのよ」 と逆切れされてしまう
エヴァンは爆弾事件の場所にタイムリープする →
ルート④へ
【ルート④】 ⇒『爆弾』の爆破を回避しにゆく
・エヴァンは・・
大学生で障碍者 になっている
・レニーは・・
リア充の大学生 (エヴァンとはルームメイト)
・ケイリーは・・
かわいい大学生 (
ケイリーとレニーは恋人同士)
・トミーは・・ 信仰に目覚め
良識的な好青年 になっていた
エヴァンは爆弾を阻止ししたため
両手を失っていたレニーとケイリーは付き合っていて
2人はラブラブ 状態である
エヴァンの母は事故のショックでヘビースモーカーになり
肺がん を患っていた
エヴァンは失望して
浴室で自殺しようとする がトミーに助けられる
レニーに日記を読ませてもらってタイムリープする →
ルート⑤へ
【ルート⑤】 ⇒『爆弾』そのものを消しにゆく
・エヴァンは・・
精神病院に入院 していた
爆弾を回収するために
『地下室でのビデオ撮影』 あの場所までさかのぼる
(キッチンにループし包丁を手に取る)
爆弾を消そうと導火線に火をつけるが
ケイリーが誤爆 して死んでしまう
それがきっかけでエヴァンは精神が病んでしまい
病院に入院して治療をうけているが 末期症状で医師もお手上げ状態だった
(ここで、オープニングのシーンにつながる)
日記の存在はなく すべては
「妄想」 と医師に告げられてしまう
父親のタイムトリップはアルバムだったことを知ったエヴァンは
ホームビデオを視聴してタイムリープする →
ルート⑥へ【ルート⑥】 ⇒ケイリーと友達にならない選択をしにゆく
・トミーは・・
優秀な大学生 (卒業のスピーチをしている)
・ケイリーも・・
女子大生 で一緒に卒業式を迎えている
・エヴァンとレニーは・・
大学生で2人はルームメイト『地下室』 『犬』 『爆弾事件』 すべての分岐点を避けるために
そもそもケイリーとは友達にならない選択をする
トミーとも親しくならないので
『爆弾』 『犬』 の事件は起こらない ケイリーとトミーは
母と義父に育てられた為、2人共 『虐待』 を受けない
過去に戻らないように、
日記や写真やビデオテープをすべて焼却
成人になったエヴァンは
大都会でビジネスマン になっている
ビジネス街でキャリアウーマンらしきケイリーとすれ違うが・・
会話することなく、2人は通り過ぎてゆくのだった(本編おわり)
Chapter3
不自然なシナリオからみる「ワープの謎」
この作品はなんとも不可解で
ご都合主義的な展開? に
不思議と思われた人も少なくはないのではないだろうか・・
腑に落ちない点が
実に多い・・ のです
まず、この物語は
パラレルに展開 しているわけですが
考察する前にひとつだけ前置きしておきたいのが
「複数に分岐するルートの(それぞれ)は消失していない」ということ
何度もタイムリープを繰り返すと
記憶が蓄積されていってしまい
脳がパンク状態 になってしまい
最終的には命にもかかわる深刻な状態になってしまうようです
(これはルート⑤で医師も指摘していて エヴァン本人も気づいている)
ここからは、様々にみうけれらる
不自然な展開 から
この物語の謎を追って考察してみたいと思います
Chapter4
【不可解なシーンⅠ】 なぜ?記憶が喪失するのか・・
劇中では、
大学生のエヴァンが小学生のエヴァンに戻るわけですが
その際、(小学生のエヴァンに大学生のエヴァンが)
まるで憑依しているかのようなシーン が何回かでてきます
未来からリープしてくるわけですから
(未来の記憶を若干引きずったまま) 過去の自分にリープするような実に微妙な場面です
(例)
ルート① エヴァンは
成績優秀 な大学生
↓
ルート② エヴァンは
カンニング常習犯 の大学生
リープ後のエヴァンはカンニングペーパーを捨ててしまいます
(カンニングしなくてもテストが解けるから?)
ルート②で地下室の場所に戻り
ロリコン親父に対し 小学生が説得を試みているシーン
説得してるエヴァンの姿や言動も どことなく不自然にもみえます
(リープ前の大学生のエヴァンを引きずっているからでしょう)
しかもこのロリコン親父、逆切れするかと思いきや
なぜか素直にすんなりと改心してしまいます
(また酒を飲んだら、同じことをくり返し兼ねないようにみえなくもありませんが・・)
ここで
"あのシーン" を思い出してほしいのです
・授業中に
『奇怪な絵』 を描く
・キッチンで
『包丁』 を持っている
・父親に面会すると
『首を絞められる』
ここで
一瞬だけ エヴァンが憑依状態 になっているのがわかると思います
小学生のエヴァンに 大学生のエヴァンが「一瞬」憑依したかと思うと・・
子供のエヴァンに(我に戻る)といった感じになります
・過去の人生を変えるためにさかのぼった場所
・無意識にリープしてしまったり リープに失敗してしまう場所
これら
"リープした前後" の記憶は失ってしまうようです
だからエヴァンは
「消えた記憶」 が気になってしまい
・ケイリーに
聞いてはいけない過去 を聞いてしまったり
・そして再び日記を読んでその
分岐点に戻っていったり してしまう
(だから同じ場所に何度もリープしていたりもします)
記憶喪失するシーンはこの⑥つ
① 授業で
『奇怪な絵』を描く
② 台所で
『包丁』を持っている
③
『地下室』でのビデオ撮影
④ 父に
『首を絞められる』⑤
『爆弾』が爆破する
⑥
『犬』が殺される
未来から過去にリープした瞬間
(その前後) の記憶が喪失
『地下室』 『爆弾』 『犬』は
そもそも本来のルートで起こるエピソードであり
ここは重要な
"分岐点" でもありますが
『奇怪な絵』 『首を絞められる』 『包丁』
ここは未来からリープしてきた場所ですから
一瞬エヴァンは憑依状態になり
(直前(未来)の状況が影響してしまい)少々殺気だっていたりします
(例)
未来: 刑務所でスキンヘッドの男を刺す直前、過去にタイムリープする
↓
過去: 授業中にスキンヘッドの男を刺している絵を描いてしまう
ちなみに、
ルート① 爆弾事件の場所にループ →タバコを落とす (
腹にタバコ痕がつく)
ルート② 教室で絵を描く場所にループ →鉄串を両手に刺す (
手に聖痕がつく)
ここでもリープしていますが (記憶を喪失した描写はないものの)
小学生のエヴァンはここでも記憶を失っていた可能性があるかもしれません
Chapter5
【不可解なシーンⅡ】 この物語はホントに純愛路線なのか?
ルート④ で両手を失ってしまったエヴァン
母も息子の障碍の苦労から ガンを患ってしまっていた
最愛のケリーとも一緒になれなかったことに失望してしまい
そして、バスルームで自殺まで試みようとする主人公基本的にこの物語は
純愛ラブストーリー として描かれていると思いますが
にも関わらずなぜ? 最終のルート⑥ では
"ケイリーと友人にすらならない人生" を選択してしまったのだろうか?なんとも不思議な感じがします・・
ルート③では ケイリーは
アル中の娼婦 になってしまっているし
ルート⑤では ケイリーを
ダイナマイトで死亡 させてしまう
エヴァンは様々なルートで不幸になっていくケイリーの姿をみて
最悪の決断に迫られてしまったのかもしれません
最終ルート⑥では
「愛そのものを放棄する」 といった
究極の選択肢を選びます
切なくもあり、どこか不自然なようにもみえなくもありません
そもそも疑問なのは・・この物語がホントに純愛路線ならば
エヴァンは離れ離れになってしまったあの時、
「また迎えにくるよ」 と言い残したにもかかわらず
なぜ、ケイリーに会いにゆかなかったのだろうか? ということ
不思議なことに
エヴァンは
ある日急に思い立ったように ケイリーに会いに行くのです
この時の理由も不自然
ケイリーのことが好きで会いたくてたまらないといった感じではなく
喪失した記憶を確認しに行ったのです
しかも引越しがきっかけで
2人はずっと疎遠になってしまっています
果たしてこの関係が
"純愛" といえるのだろうか?
この主人公は、大切なものを失ったときに初めて
「彼女が愛おしい存在」であったことを実感したのかもしれません・・
この物語は、
最愛の恋人(友人や母)にふりかかる
「不幸や死」 を回避するために
「究極の決断」 を迫られてしまった・・ そんな悲劇の男を描いたストーリであり
だからこそラストは
たった一声の声をかけることすらもためらい
2人はすれ違ってしまったのではないのでしょうか・・
最終ルート⑥にリープする際に、こんな台詞が流れます
『幸福は犠牲の上に・・』最終的にこの主人公は
「自己犠牲の愛」 を選択したのです
Chapter6
【不可解なシーンⅢ】 実は・・意図的なシナリオだったのか?
刑務所で同室者
カルロス は実にインパクトがあります
いでたちも、性格も、まるでアニメから出てきちゃったような
まるで絵に描いたような用心棒キャラ
しかもこの男、信仰がやけに深いようで
(聖痕をみせればこいつ、本気でガードしてくれるかもしれないぞっ・・)
といわんばかりに エヴァンは過去の教室にリープする・・
すると用意してましたといわんばかりに「2つの鉄串」が・・
そして、グサッ・・
両手に浮き上がる聖痕に羨望の眼差しのカルロス・・
(なんだかやけに都合よすぎだろ・・w) とツッコミどころ満載のシーンでもあるものの
とはいえ、よくよく考えてみてほしいのです
ルート⑤の精神病院での医師の会話シーンで(オープニングシーンと同列)
ここで医師に
「すべては妄想」 と暴露されてしまいます
つまり、 劇中で展開される あらゆるルート のご都合主義展開は
「妄想オチ」 で帰結するのである
他にも、多くの矛盾点が散見され
ご都合主義にみえるシーンは少なくない
・レニーがワンコを助けると思いきや、
中1のレニーがトミーを殺害?!
(さすがにあのレニーが逆情して殺害なんて・・ちょっとありえないような。。)
・トミーは爆破の際、エヴァンが犠牲となり母子が助かる そして信仰心に目覚めていた
超サディストから →
超良識人へ
(トミーはナイスガイに大変身しています・・なんだかすこぶる変わり様です)
・
ケイリー&レニー この2人のラブラブっぷり も意外や意外
(このカップルに違和感を覚えたのは私だけではないはず・・)
・タキシードとドレスを着こなすエヴァンとケイリー
妙なのは・・
部屋がやけにゴージャスで 女子寮?は・・
なぜか美女ばかり
(学園キャンパスの
キラキラ感 といい
シャワールームもまるで混浴男性歓迎の
ヘブン状態 なのである。。)
どことなく・・
『夢物語感』 が感じられなくもありません・・
けれども蓋を開けてみれば
(妄想オチ) で回収されていたという結末
(ここにも、製作者側の設計の意図があるようにみえなくもないのです)
Chapter7
「無意識に(封印)したかった記憶」
大学寮でエヴァンが日記を読んでいると・・
大学寮のルームメイトでふとっちょのトニーが
『無意識に封印したい記憶かもしれないぞ、やめたほうがいいぞ、』
とエヴァンを諭すシーンがでてきます
このトニーという男もまた実にインパクトがあり
キーマン的な存在のようにもみえなくもありません
彼のいう
『無意識の封印』 こそ
もしかしたらこの物語のキーワードなのかもしれません。。
本来のルート①で ケイリーは父親の虐待にあった・・
『虐待』 →
『壮絶な過去のの記憶」 →
『封印』
彼女は願わくば、その 悲劇を記憶を(封印) したかったはずなのです
にもかかわらず、エヴァンはケイリーに
『思い出したくもない辛い記憶』を聞いてしまった
→
そして彼女は自殺してしまう
(トラウマで引きこもりのレニーだって同じ気持ちだったはずなのに
エヴァンはレニーにも
『犬事件』 について聞いてしまっています)
これらの軽率な行為がきっかけとなり → 最愛のケイリーは自殺
"負のパラレルワールド" が展開されていってしまった・・
といっても過言ではないでしょう
ケイリーを自殺に追い込んでしまったその
負い目と絶望 から
主人公は精神が病んでしまい
(オープニング & ルート⑤) では病院に入院しています
劇中のエヴァンの台詞
『誰かを助けようとすると 酷いことが起こる』
エヴァンもまた "悲劇の記憶の(封印)" を試みたのではないか・・・誰かが幸せになると・・ 誰かが不幸になってしまう・・
・いっそのこと
「彼女との幸せもみな封印」 してしまおう
主人公は、こんな心境だったのかもしれません
だからこそのあのラスト・・
一言も会話を交わさずに去ってゆく・・ 実に切ない結末を迎えます
Chapter8
この物語、すべては男の妄想だったのか・・
ルート⑤ のエヴァンはずっと精神病院に入院していて
すべてエヴァンの
架空の妄想 であったというオチで締めくくられるわけですが
このルートで医師から
『日記などない』 と言われてしまう・・
そんな最悪の結末を医師から知らされてしまうエヴァン
彼はその現実を受け入れられず
立てこもった部屋でビデオカメラを視聴しますが
(やはりすべては妄想で・・ループすることはなかったのかも?しれません)
つまりこの物語は
主人公が元恋人に
(聞いてはいけない辛い過去) を聞いてしまったがために
初恋の人を自殺に追い込んでしまい →
精神的に病んでしまった
そして、ありもしない妄想がどんどんと重なってゆく
彼は日々妄想を繰り返していた・・ 元カノの自殺を忘れるために。。
この男の頭の中では・・
まさに 『バタフライ効果』 の如く
悲劇が (カオス) となって無限に広がっていた のかもしれません
Chapter9
全部で4つの・・ラストエンディング
この作品は本編を含め
④つののエンディングストーリー があります
①ケイリーと友達にならない編 (本編)
ラスト、エヴァンがケイリーとビジネス街ですれ違い
エヴァンはケイリーに気づくものの
2人は会話を交わすことなくすれ違う
②ストーカー編
ラスト、エヴァンがケイリーとビジネス街ですれ違い
ケイリーはそのまま逆方向に進んでいってしまうが
エヴァンはケイリーの後を追ってゆく・・そして人ごみのなかに消えていった
③ハッピーエンド編
ラスト、エヴァンがケイリーとビジネス街ですれ違い会話を交わす
「お茶でもどう?」と呼びかける
ケイリーは笑顔でまんざらでもない様子
④胎児に戻る編
精神病院でみるホームビデオ
母が妊娠している映像が流れ →胎児にタイムリープする
へその緒に首を巻きつけ自害する
<ハッピーエンド編 ストーカー編 について>ラストでケイリーと再会してしまったら・・
同じ悲劇が再び繰り返されてしまいそうな感じが
なきにしもあらずですね・・
なんだかまた不幸になってしまいそうな予感がプンプンです
ここで2人が巡りあったとしても
やっぱり問題が起きそうな? そんな気がしなくもありません
この結末ですと本質的には何も解消されていないようにも感じられます
とはいえ、
やっぱりエンディングは ホッ・・ としたいですから
ある意味
『夢物語』 としてはこれはこれでアリなのかもしれません
<胎児の時に自害する編 について>実はこの監督さんは、こちらのシナリオで完結したかったようです
ちなみに、
エヴァンの名前 最初の脚本では Chris Treborn だったようで
Christ Reborn(キリストの復活)の暗喩が込められていたようです
たとえ胎児であったとしても自殺行為にみえなくもないですし
(キリスト教文化圏でこのシーンがどう解釈されるのかはわかりませんが)
キリスト教では自殺を否定していたりもしますから
ここにもちょっとした矛盾を感じなくもありません
「幸福は犠牲の上に・・」という台詞
『ならば自らの犠牲を選択しよう』 といった
(自己犠牲の愛)を描いているのが、このエピソードからもみてとれます
けれども、胎児に戻って自害したとしても
母親を悲しませてしまう結果であり
ここでも、不幸の回避はできず、最善の結果にはならないのです
あえて 4つの選択肢 を
DVDディレクターズカット&レンタル特典 として残したのは
監督が没になってしまったシナリオを切に希望していたからなのかもしれません
観客の解釈の幅を広げるためにも、面白い特典映像になっています
ちなみに、
監督がの希望していたラストは退けられてしまったわけですが
これは興行収入などを視野に入れた製作者側の
いわゆる大人の事情だったようです
しかも、DVDを購入しても・・レンタルショップに行って観たくなる・・
なんともニクいマーケティングですね
この作品は低予算で企画され 構想期間も長かったようですから
知恵を絞って製作されたことが頷ける作品です
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