「このパソコン、もう買って何年経つのかな…」
「なんだか動きも遅くなってきたし、もう買い替えかな…」
「せっかく入れたソフトもまた一からやり直しか…」
なんていう悩みは誰しも思うことでしょう。
ちょっと待ってください!
まだそのパソコン、現役で使えるかもしれません。
本日は「旧スペックのパソコンを高速化する」方法をツラツーラと解説します。
「パソコンが遅いなー」のワケ
パソコンが遅い理由はいろいろとありますが
根本的には組み合わせているパーツに問題があります。
こちらでも詳しく解説しています。
「このパソコン、古くなったな…」と感じる機種の多くは
メインストレージにHDD(ハードディスクドライブ)を使っているものがほとんどだと思います。
ディスクが物理的に回転してデータを読み書きしているため
動作は非常に遅くなります。
一方、最近主流のSSD(ソリッドステートドライブ)は可動部分がないため
非常にデータの読み書きが高速です。
最近では標準でSSDをメインストレージに採用している機種が多くなってきており
この点において埋めようのない「速度の差」が出てきています。
一般的にはHDDの速度は速くて100MB/secですが
SSDは遅くとも500MB/sec以上はでます。
最低でも単純に5倍の動作の差が生まれてきます。
旧スペックのパソコンを速くするには
実は非常に単純です。
それは
HDDをSSDに換装(取り換える)
ことです。
「えーっ!そんな専門家じゃないし知識も全然ないしできないよ!」
と思う方がほとんどだと思いますが
意外と簡単です。プラモデルより簡単です。
手順としては
- 希望の容量のSSDとSSDを外付けストレージにするパーツを購入する
- パソコンに専用ソフトをインストールする
- 外付けSSDをパソコンにつないでHDDをコピー(クローン化)する
- パソコンの裏ブタを外してHDDとSSDを入れ替える
わずか4stepsです。
今回は私の化石パソコンで実際にやってみます。
まずは紹介を。
FRONTIER FRNX721
OS:Windows 8 (Windows 10にアップデート済)
CPU:Intel®Core i7 3632QM@2.2GHz
RAM:8GB
HDD:500GB
発売日:2012年
6年落ちのPCです。
もちろんハードディスク採用。
ここのところなんだか動きが遅い。
起動まで2分くらいかかるし、ネットサーフィンしていてもフリーズすることが多い。
CPUのスペックはかなり高い。
CPUの性能をみるPassMark(数値が高いほど高性能)で比べると
Intel®Core i7 8650U(最新機種):PassMark 9275
Intel®Core i7 3632QM(私の化石パソコン):PassMark 6984
Intel®Celeron G1840(まさに今使っているデスクトップPC):PassMark 2937
私のデスクトップパソコンをはるかに凌ぐ数値です。
ちなみに私のパソコンの電源投入から起動までの時間は約10秒です。
ここでも
パソコンの挙動はCPUよりもストレージの読み込み速度に依存している
ことが分かります。
希望の容量のSSDとSSDを外付けストレージにするパーツを購入する
1.SSDの購入
まずはSSDを購入しましょう。
私は評判が良かったcrucial MX300(275GB)を購入しました。
購入するときに注意することは
元々のHDDの使用容量がどれくらいか考えることです。
HDDに比べるとSSDは容量が大きいものほど高いです。
元々のHDD容量が1000GBだといって
1000GBのSSDを買おうとすると4万円くらいします。
なので、HDDの中身の不要なデータやソフトをあらかじめ削除して
スリムにした状態でどのくらいの容量のSSDにするか考えた方がいいです。
データ整理に私が使っているのは「CCleaner」です。
「CCleaner」定番のシステムクリーナーソフト - 窓の杜ライブラリ
不要ソフトを選択して簡単にアンインストールできたり
不要ファイルを検索して削除することができます。
2.外付けドライブ化するパーツを購入する
購入したSSDをケースの中に入れると
外部ストレージとして使用できるようになります。
私はケチって、手持ちの外付けストレージを分解して流用しました。
基盤丸出しですがちゃんと使えます。
購入するものは以上です。
パソコンに専用ソフトをインストールする
まずは外付けSSDをUSBケーブルでパソコンに接続します。
もしかしたらここでフォーマットの指示が出るかもしれませんが
出たら一応「NTFSでフォーマット」を選択してください。
繋いだらハードディスクのデータをそのままコピペ…
というわけにはいかないのです。
ストレージの中身は
- Windows自体がインストールされている領域
- その他データ領域
が入っていますが、Windowsが起動している以上
Windowsのインストールデータそのものはコピーできません。
通常の手順であればストレージを換装する場合
いちからWindowsをインストールし直さなければいけないのです。
それは面倒なので、まったく同じものを複製するという裏ワザを行います。
裏ワザソフトは「EaseUS Todo Backup Free」です。
「EaseUS Todo Backup」無償のイメージバックアップソフト - 窓の杜ライブラリ
なんと無料です。素晴らしい。
上記リンクからダウンロード後、アナウンスに沿ってインストールしましょう。
手順に沿えば簡単にインストールできます。難しいセットアップはありません。
外付けSSDをパソコンにつないでHDDをコピー(クローン化)する
では早速、外付けSSDをつないだ状態で
EaseUS Todo Backup Freeを起動します。
起動画面です。
画面右上の「クローン」を選択します。
ハードディスク0 がメインストレージになるのでここにチェックを入れます。
それから 次へ を選択します。
繋いだ外付けSSDが ハードディスク1 です。
ハードディスク1 にチェックを入れて 次へ を選択します。
※この次の画面で「パーテーションの選択」が出る場合があります。
パーテーションとはストレージの中の仕切りのことです。
一つのストレージを仕切ることで
「Cドライブ」「Dドライブ」と区切ることができます。
容量の指定を迫られた場合は
Cドライブ:Dドライブ=7:3
の設定だと無難です。
手順は以上です。
これでクローン化が完了するまで待ちます。
ダイアログに「MBRのクローンが成功しました」というログがあると成功です。
パソコンの裏ブタを外してHDDとSSDを入れ替える
外付けSSDを外し、ケースから取り出します。
ここからいよいよ分解です。
プラスドライバーを用意しましょう。
※私のパソコンはねじを外すだけで簡単に換装できましたが
厄介な機種はマザーボードを外す必要があったりします。
Google で
「自分の持っているパソコンの機種名 分解」
「自分の持っているパソコンの機種名 HDD 交換」
と検索すると大体分解方法が乗っています。
分解といってもねじを外すだけですので、よほどのことをしない限り壊れません。
まずはバッテリーのロックを外して、バッテリーを外します。
電力が残っている場合もありますので、バッテリーを外してから1分程度たったら作業しましょう。
ねじを二か所外して裏部を横へスライドさせます。
出てきました。HDDはTOSHIBA製のようです。
左へスライドさせて、それから斜め上へ引き上げると外れます。
外れました。
サイズはほぼ一緒です。
重量は半分以下です。
SSDはほんとにおもちゃみたいな重さでした。
ハードディスクがあった場所にSSDを差し込んで
蓋をしてねじを締めて完成です。
電源投入すると
認識されました。
速度を調べる「CrystalDiskMark」でも500MB/秒を超えました。
「CrystalDiskMark」ストレージのデータ転送速度を測定 - 窓の杜ライブラリ
電源投入から起動までの時間は10秒程度に短縮されました。
使用している際のフリーズもまったくなくなりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
HDDの代わりに開発されたSSDは
HDDと同じく2.5インチという規格なのでそのまま交換が可能です。
HDDはデスクトップであれば3.5インチ規格も存在しますが
SSDは2.5インチ規格のみです。
ですが、3.5インチサイズにするマウントもあるので
この換装方法はデスクトップパソコンでも可能です。
むしろ、デスクトップパソコンの方が分解が容易なので難易度は下がります。
最近のパソコンに採用されているストレージはいずれも小型化が進んでおり
2.5インチ規格のSSDではなく
mSATAやPClE M2.等の規格も出てきており、いずれも高速です。
しかし、通常使用であれば500MB/sec程度の速度が出ていれば問題ありません。
それ以上の速度が出ていても、体感できる機会は少ないように思います。
眠っている古いパソコンを引っ張り出して
高速PCを作ってみましょう♩