唯一無二のコンセプトを持つスズキのオフロード軽自動車「ジムニー」が、いよいよ今年7月にフルモデルチェンジを実施する。
今年最大の目玉車とあって、多くのファンが注目しているものの、なにしろスズキは新型車の情報がなかなか出てこない。
そんななか、毎日ディーラーを回って「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏が、新型ジムニーの(現時点でわかっている)最新情報をまとめてくれた。購入を狙っている人も、実は気になっていたという人も、ぜひチェックしておこう。
文:遠藤徹
■「シエラ」も同時発売か
スズキの新型ジムニーは2018年4月26日に販売店向けの商品説明会を実施する予定だったが、そちらは順延。ただし発売は予定どおり今年7月、というスケジュールとなっている。
2018年4月から安全対策の法規制が変更され、横滑り防止装置の装備が義務付けられたことにより、3月いっぱいでジムニー(JB23型)、ワイドフェンダーで小型車ナンバー版のジムニーシエラ(JB43型)とも生産中止となった。同時に各ディーラーでは在庫販売のみとなり、見込み客には次期型への案内が開始された。
新型ジムニーは基本的にキープコンセプトで、(当初「シエラ」は1年遅れ発売するのではないか、とも言われていたが)ジムニー/ジムニーシエラ同時に世代交代する見込み。
新開発のプラットフォームだが、従来どおりラダーフレーム構造を採用し、ラフロードでの走破性に強いボディに仕立てる。
ボディサイズはジムニーが全長3395mm、全幅1475mm、全高1715mm、ホイールベース2250mmで従来モデルと同じ。いっぽうシエラは全長3600mm、全幅1600mm、全高1715mm、ホイールベース2250mm。
ジムニーに比べるとワイドフェンダー、前後大型バンパーの採用ぶんだけひと回り大きくなるが、プラットフォームは共通だからホイールベースは同じとなる。
ボディシェルは直線と曲面を組み合わせた、いかつく背の高いジープ型レイアウトを採用。フロントグリルは従来のボディパネルと連動させた縦型メッキパネルのデザインで伝統の顔つきを表現する。
ヘッドランプは異形角型2灯式。小型車バージョンのシエラは大きめのホイールアーチでサイズアップしたタイヤ&アルミホイールをはく。
ヘッドランプ四角いクリアレンズの中に丸型2灯式ランプを埋め込んでいる。
■ハイブリッド仕様が用意される可能性も
ボディカラーは8色程度のモノトーンと4色程度の2トーンカラーの構成で、ジムニー/ジムニーシエラ共通の配色となる。室内はエクステリアデザインに合わせてダッシュボードは水平の基調レイアウトでシンプルにまとめている。計器類はオーソドックスな丸型3連メーターの配置となる。
パワーユニットはジムニーが660ccターボでトランスミッションは4ATと5MT、シエラは1Lターボで6ATと5MTの組み合わせとなる。
どちらも駆動方式はフルタイム4WDのみ。マイルドハイブリッドユニットがラインアップされる可能性もある。
安全装備は横滑り防止はじめ最新のスペーシアやクロスビーで採用している安心パッケージの標準装備車も設定する。
■証言1(首都圏スズキ店)「商品説明会は6月に」
4月26日付けでスズキから相良テストコースで次期型ジムニーの試乗会、商品説明会を開催するという招請通知があったが、その後延期ということになった。6月中には開催されると思うが、今現在まだ届いていない。したがって販売店の営業マンでも詳しい商品内容は分かっていない。
従来モデルは根強い人気があったので、次期型はあまり変えないようだ。ラダーフレーム構造はジムニー、ジムニーシエラとも引き継ぐに違いない。パワートレーンは660ccターボ、シエラは1Lターボだろう。従来モデルの販売台数はそれほど多くないが、着実に売れ、リセールバリューも高いので、スズキ店にとっては重要なモデルに位置づけられている。
■証言2(首都圏スズキアリーナ店)「早く資料がほしい」
最近、スズキは新型車を投入する1ヶ月前あたりにパンフレットを作成し、ティザーキャンペーンをスタートさせるのが通例となっている。その時点で商品内容の概要がわかり、価格を決めて事前の予約受付を開始する。
ところが今回のジムニーの場合、5月下旬現在ではまだそれが行われていない。従来モデルは3月末で生産中止となったので、次期型の登場が近いのは間違いないが、見込み客にはまだ「声がけ」程度。早く資料がほしい。
ラダーフレーム構造でラフロードに強い走りというコンセプトはこのクラスだとジムニーだけなので存在価値は高い。少しでも早く発売するのを期待している。