イタリアの政治混迷深まる、組閣断念のポピュリスト2政党が反発

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  • ユーロ懐疑派の財務相起用を大統領拒否-同盟党首は再選挙呼び掛け
  • IMF元財政局長のコッタレッリ氏、暫定政権樹立要請される公算も
Photographer: Alessia Pierdomenico/Bloomberg

イタリアではポピュリスト2党の指導者が組閣を断念し、政治的な混迷が一段と深まった。ポピュリスト側が選んだユーロ懐疑派の財務相候補の起用をマッタレッラ大統領が拒否したことが発端。

  反エスタブリッシュメント(既成勢力)政党「五つ星運動」は大統領を弾劾する提案を検討していると指摘。反移民の「同盟」のサルビーニ書記長は謀略の存在をほのめかし、再選挙を事実上呼び掛けた。

  五つ星のディマイオ党首は信用格付け会社が組閣を妨害したと批判した。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは25日、同党首とサルビーニ書記長が提示した連立政権の方針が財務健全性のリスクになるとしてイタリアの格付けを引き下げ方向で見直すと発表。マッタレッラ大統領は国家の利益などを理由にパオロ・サボナ氏の財務相就任を拒否した。

  政府当局者によると、同大統領は国際通貨基金(IMF)元財政局長のカルロ・コッタレッリ氏を28日に招致した。コッタレッリ氏はイタリアが早期選挙に向かう前に暫定政権樹立を要請される可能性があると、国営放送RAIは伝えた。

  同大統領は大統領府で記者団に対し「財務相を除く全ての閣僚について同意した」とした上で、「ユーロ離脱リスクを冒さない人物を求めた」と説明。「現時点で一部の政治勢力から選挙実施を求められている。議会の状況展開を基に判断を下す」と述べた。

原題:Italy Mired in Political Turmoil While Populist Parties Rage(抜粋)

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