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法華狼の日記

2013-09-27

[][][][]各国歴史教科書、を比較したスタンフォード大学研究、を紹介した読売新聞記事、を紹介したZAKZAK記事、を紹介した2ちゃんねるスレッド、をまとめたブログ、というソースロンダリングAdd Stargongren19NakanishiB

米研究機関が「歴史は日本では『ヒストリー』だが韓国は『ファンタジー』中国は『プロパガンダ』」とコメントしたというスレッドを、2ちゃんねるまとめブログ「アルファルファモザイク」が転載していた。

はてなブックマーク - 米研究機関「歴史は日本では『ヒストリー』だが韓国は『ファンタジー』中国は『プロパガンダ』」

 歴史は日本では「ヒストリー」だが、中国では「プロパガンダ」、韓国では「ファンタジー」であるという話がある。

5年前に米スタンフォード大学の研究グループが米国台湾を加えた各国の歴史教科書を比較研究して得た結論だ(読売新聞2008年12月16日付)。


※下記リンクより、一部抜粋。続きはソースで

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130926/dms1309260733003-n1.htm

情報源として示されている記事は読売新聞……に見せかけて、URLを見ると産経グループのタブロイドサイトZAKZAKだ。

元スレッドを見ると、ZAKZAKが読売新聞を要約紹介していると比較的にわかりやすく引用していた。

米研究機関「歴史は日本では『ヒストリー』だが韓国は『ファンタジー』中国は『プロパガンダ』」

1 : ジャンピングパワーボム(愛知県):2013/09/26(木) 10:31:15.98 ID:bRGnOhv7P ?PLT(12001) ポイント特典

 歴史は日本では「ヒストリー」だが、中国では「プロパガンダ」、韓国では「ファンタジー」であるという話がある。

5年前に米スタンフォード大学の研究グループが米国、台湾を加えた各国の歴史教科書を比較研究して得た結論だ(読売新聞2008年12月16日付)。


 それによれば、日本の教科書は最も愛国的記述がなく、非常に平板なスタイルでの事実の羅列で感情的なものがない。

これに対して、中国の教科書は全くのプロパガンダで、共産党のイデオロギーに満ちている。04年に改訂されたが、改訂後は中国人愛国心をうたい、抗日戦争での勇ましい描写が増えた。

南京事件を詳細に記述するなど、日本軍による残虐行為をより強調し、中国人のナショナリズムをあおっている。


 韓国の教科書は特にナショナル・アイデンティティーの形成に強く焦点を当てており、自分たち韓国人に起こったことを詳細かつ念入りに記述している。

日本が自分たちに行ったことだけに関心があり、広島長崎への原爆投下の記述すらない。それほどまでに自己中心的にしか歴史を見ていない-。


 いちいち思い当たる分析だが、こんなにも、歴史観というより、「歴史」そのものの捉え方が違う隣国と付き合うのはほとほと骨が折れる。


 東京五輪招致成功を決定打とした日本のV字回復を、中国・韓国はこれからも執拗(しつよう)に妨害してくるだろう。その際に必ず持ち出してくるのが歴史問題だ。

「日本は過去にひどいことをした。それを反省していない。軍国主義化している。そんな国にオリンピックを開催する資格はない」。こんな主張が国際的な場で繰り返されるはずだ。


 先のスタンフォード大学の分析は、中国の反日プロパガンダを共産党のイデオロギーと結びつけている。

天安門事件後、中国共産党の支配の正統性は、あの残虐な日本軍を中国大陸から追い出したことにあるとし、「愛国教育」という名の反日教育を徹底したことは知られている。


>>2以降へ続く


http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130926/dms1309260733003-n1.htm

2ちゃんねる側から警告されて以降、エントリの最下部に転載元スレッドを示しているとはいえ、「アルファルファモザイク」の編集方法では情報源の信頼性がわかりにくい。


そこで問題のZAKZAK記事を書いているのが誰かというと、八木秀次氏だった。

【突破する日本】日中韓で異なり過ぎる歴史観 韓国はファンタジー 中国はプロパガンダ (2/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK

■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。

皇位継承問題における有識者会議で、天皇家神武天皇から125代にわたる万世一系だと主張し、「遺伝学の見地から」と称して「Y染色体の刻印」を持ち出した、あの八木氏である。

皇室典範に関する有識者会議(第6回)議事次第*1

なぜ、男系継承を続けていくべきなのかということについてもここで申し述べさせていただきます。

 1つの理由は、125 代一貫して男系継承であった事実の重みでございます。これまで一度の例外もなく、一貫して男系で継承されてきた。そのこと自体、もはや確立した原理というべきではないかと思います。苦労に苦労を重ねながら男系で継承をしてきたということでございます。これを現代人の判断で簡単に変えていいものかという疑問が生じます。

 2番目といたしまして、これも理由として果たして適切なものかどうかは、私はいささか自信がございませんが、遺伝学の見地からも説明が可能だということが指摘されております。私は素人ながらこのようなことを以前から申してまいりましたが、最近になりまして、生物学者の中から、あなたの言っていることは全く正しいという意見をいただくようになっております。

 すなわち、仮に神武天皇を初代といたしますと、初代の性染色体、男の場合XとYのうちのY、Y1 は男系男子でなければ継承ができません。生物学者の中に、その点を「Y染色体の刻印」というふうに表現なさっている方もおられます。

 男系男子であれば、遠縁であっても同じY1 を確実に継承しているということが、お配りをした資料の、遺伝の系図で確認ができます。

このような人物を有識者として呼んだことから、日本の政府はファンタジーな歴史観をプロパガンダしたい欲望を持っていることがわかる。日本の歴史教科書が比較的に正しいとすれば、それは現行の教科書執筆者と、それを支えた人々の力であろう。


さて、ファンタジーな歴史観に生きている八木氏が、正しく読売新聞記事を要約しているとは期待できない。

そこで12月16日の読売新聞記事をさがした。研究にたずさわったピーター・ドウス博士は早稲田大学で教えたことがあるそうで、日本に好意的な記述があっても驚くべきではないとわかる。

スタンフォード大学が行った歴史教科書比較 - どうなっちゃってるの日本!?

f:id:hokke-ookami:20130928082510j:image

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/c6/ecd7fcf1156e71e0147b1f09a9398905.jpg

記事を読んでいくと、研究内容のニュアンスも異なる。

たしかに韓国や中国の歴史教科書を「奇妙な結果を生む」や「最も愛国主義的に戦争を描写」と批判的に評価しているものの、「ファンタジー」や「プロパガンダ」という表現は用いられていない。あくまで愛国心を賞揚するための欠落があると指摘しているだけで、不正確な記述がされているとは批判していない。

韓国と中国だけを批判しているわけですらなく、米国の教科書に対して「戦勝に酔ったような叙述がある」と批判するくだりもある。そして「各国・地域の教育制度は世界史より自国史に優先権を置いている。その結果、過去に対する見方は限定的なものとなっている」と普遍的な傾向を見いだしている。

日本は抑制されていると高評価しているが、もちろん特筆して「ヒストリー」と書いているわけでもない。抑制的な記述になった理由について、「驚くべきではない。結局のところ、日本は戦争に負けたのだ」とも明言している。

そして記事の結論部分を見ると、「戦争が日本人に与えた教訓は、軍事力の行使は道義的に正しくはなく、賢明でもないということだった」「戦争で、中国の恥辱の世紀と米国の孤立主義は終わったかもしれないが、国の誇りは軍事力によってしか保たれないという日本人の幻想も終わったのである」とある。むしろ全体としては2ちゃんねる界隈から反発されそうな思想でつらぬかれている。


読売新聞へ元米紙特派員がよせた研究趣旨の詳細版は、下記ページで日本語訳とともに掲載されている。多くの表現が共通しており、読売新聞が研究者の意図を正確に要約していたことがうかがえる。しかし残念ながら、日本国内の動きに釘をさすくだりが欠落していた。

no title

ドウスが指摘しているように、日本の教科書に戦争をたたえるような記述がない最大の理由は、「日本が戦争に負けた」からである。(※6)同じように重要なのは、どの日本の教科書にも、戦後の日本が戦争をどう解釈するかについてのコンセンサスが見られない点だ。歴史についての意見対立の幅が小さい中国、韓国、米国とは異なり、日本では今も戦争の記憶の形成をめぐる戦いが続いている。日本がアジア太平洋地域で侵略戦争を行ったとする国民の多数派の認識に、今も異議を唱える勢力が存在するのだ。それでも、日本の一般的な戦争記述は、欧米帝国主義に抵抗する自由の戦いではなく、決して繰り返してはならない軍国主義の破滅的な戦争として描かれている。

この研究において最も批判されているのは、八木氏や2ちゃんねるまとめブログのような存在ではないだろうか。八木氏を重用しつづけて、先にも太平洋戦争が侵略戦争だったことを否認した安倍晋三首相も、もちろん批判されるべき対象だろう。

私は、日本がアジア太平洋地域で侵略戦争を行ったとする認識が多数派であることを願うし、それに異議を唱える勢力に抗いたいと思う。

*1:引用時、「 2番目」の直前に改行をくわえた。議事録中にある「お配りした資料」は、http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/dai6/6siryou2.pdfだと思われる。

AiAi 2013/09/28 11:14 日頃は自虐的だといって非難しているものを、外国から高く評価された(もちろん、「中国や韓国よりも」評価されたというのが特に重要なポイントでしょう)ときだけ持ち上げるというご都合主義は勘弁してほしいものだと、こういう話が出てくるたびに思います。
もし日本の教科書に「日本は侵略などしておらず、西洋列強の支配からアジア諸国を解放するために戦った。文句をつけているのは中韓だけだ」だの「日本軍は多くの女性を強制的に従軍慰安婦として働かせてなどいない。全ては韓国の捏造だ。謝罪は撤回するべきだ」だのといった記述が踊りまくっていたら、抑制的だという評価など到底得られないわけなんですが。
これで喜んでいる人たちは、外国から高く評価されている抑制的な記述が現在の日本国内で強い反発を受けているということに、もっと危機感を持ってほしいと思います。

rawan60rawan60 2013/09/28 13:49 ちょっと気になったので、検証しようと思っていた記事です。
まあ、こんなことだろうとは思っていました。

詳細ありがとうございます。

aikoku_senseiaikoku_sensei 2013/09/28 17:00 日本は侵略をしていないというのが多数派の常識である。だから教科書はねつ造だと攻撃するのだ。むしろ2ちゃんねるやまとめブログのほうが正しい歴史を伝えている。

AiAi 2013/09/28 18:14 >aikoku_sensei
>日本は侵略をしていないというのが多数派の常識である。だから教科書はねつ造だと攻撃するのだ。

真面目な話、それがあんまり洒落になっていないので怖いんですよ。この研究が行われた当時よりも明らかに状況は悪くなっていますし、今後もっと悪くなるでしょうからね。
というか、国外の研究者からも事実を重視していると認められた日本の教科書を捏造呼ばわりなんかしたら駄目でしょうが。反日先生になっちゃいますよ。

……愛国先生へのツッコミだけではアレなので、前回のコメントとも重なることですがもう少し書くと、これは普通に解釈すればむしろ、韓国や中国を無闇に攻撃している人にとって都合が悪い話のはずです。
あるいは、国の歴史教育の内容と国民の歴史認識が一致するとは限らないという話としても読めるでしょう。

http://www.nippon.com/ja/in-depth/a00703/には以下のように書かれています。

>「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書は、国外では注目を集めているが、日本の学校での普及率が1%を大きく割り込んでいるため、比較分析の対象から外した。

>日本の教科書は、このやや抑えた論調で慎重に書かれている。ひとつは露骨な解釈を避けるためだが、教科書が大学受験に備える生徒用であることも影響している。それでも日本の教科書は、やや間接的ではあるが、明確なメッセージを伝えている。アジアでの戦争は日本の帝国主義的拡張の産物であり、対米戦争の決定は、日本とその国民に甚大な犠牲を強いる悲惨な過ちだったというメッセージである。実際、その基本的な論調があったからこそ、修正主義者の批評家らが、近代日本に関するいわゆる「自虐史観」を修正しようと、独自の教科書を執筆したのである。

>一般通念とは違い、日本の教科書は最も微妙な戦争記憶の一部を避けていない。広く普及している教科書には、詳しく述べられてはいないものの、1937年の日本軍による南京虐殺の記述が含まれている。また、一部の教科書には、「慰安婦」を徴用して戦時中の慰安所で働かせたとの記述を含め、日本の占領地における労働者の強制連行も記載されている。明らかな欠落は、朝鮮半島における植民地統治の記述がほとんどないことである。

>日本の教科書が戦争描写を抑制していることは、戦後の平和主義が根付いていることの反映である。

つまり、ここで研究対象とされているのは「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書のようなものではなく、普通に日本の学校教育で使われている教科書……間接的ながらも明確に「アジアでの戦争は日本の帝国主義的拡張の産物であり、対米戦争の決定は、日本とその国民に甚大な犠牲を強いる悲惨な過ちだったというメッセージ」を伝え、「詳しく述べられてはいないものの、1937年の日本軍による南京虐殺の記述が含まれ」、「日本の占領地における労働者の強制連行も記載されている」教科書なわけです。
そういう教科書が、事実を重視していて抑制的で愛国的傾向が薄いと評価されたということになります。

これはすなわち、しばしば「左翼の反日思想の押しつけ」などと攻撃されている教科書が、ひいては戦後日本の平和主義的教育がそのように評価されたということを意味します。
もし日本の教科書に「大東亜戦争は侵略戦争ではない」「南京虐殺はなかった」「日本は強制連行などしていない」「従軍慰安婦問題は韓国の捏造である」と書かれていたら、話は変わっていたでしょう。
この研究結果が正しい意味で受け入れられ、今後も平和主義に支えられた歴史教科書が日本で使われることを(そして多くの日本人がその内容を正しく理解し、さらにその後も学び続けることを)僕は望みます。

Gl17Gl17 2013/09/28 18:41 右派のしばしば自惚れの根拠にする「評価される日本」て大半がこういう、右派の対立側の事跡ですよね。
国家イメージとかにしても、平和主義とか経済重視が今の日本のそれとして他国から好まれているわけで。

逆に人権意識の低さといった、右派の好む面がどう評価されてるかと言えば、先般の「シャラップ大使」みたいな恥曝しでしかないのに。

そそそそそそ 2013/09/29 02:48 うわぁ、これはひどいソースロンダリングですね。「ZAKZAK→2ch→まとめブログ」だなんて典型的な糞の再生産じゃないですか。やだー。

歴史認識問題で拗れる原因として「戦争が終わってしばらくは「ヒロシマの声(戦災被害者たる日本人の意識)」が強かったけど、「南京の声(戦争被害者たる中国・朝鮮・東南アジア人の意識)」が加わったことで、日本人の共通的歴史認識として定着していたが、「靖国の声(旧軍人の名誉回復を望む声(元軍人でないのも含む)と其れに便乗する保守派政治家や運動家)」が姿を現したことで「南京の声」を刺激することとなり、「靖国の声」が「従軍慰安婦は虚構」「南京大虐殺は捏造」と主張するたびに「南京の声」が「日本がしてきた反省は嘘だったのか?」「日本は再び覇権主義国家となるのではないか」と疑われ、そこを「靖国の声」が宣伝に利用するという悪循環が起きているから。」と解説していた新書本(タイトルは忘れた)を思い出しました。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/09/29 05:48 何がひどいって、スタンフォード大学の研究は自国教科書もちゃんと批判的に評価しているのに、そのことを八木氏がまったく言及していないため、あたかも米国が他国を傲慢に裁いているかのようにブコメで憶測されていることです。研究者はふんだりけったり。


Aiさんへ
>日頃は自虐的だといって非難しているものを、外国から高く評価された(もちろん、「中国や韓国よりも」評価されたというのが特に重要なポイントでしょう)ときだけ持ち上げる

まったくですね。
ただ読売新聞はちゃんと評価された要点を押さえているので、そうした意味での“愛国記事”ならばポジショントークであっても問題ないとも思います。しかしインターネットで検索していると、八木氏以外にも中韓批判とだけ受けとめるエントリが無数にある。私が画像を転載したブログもそのひとつでした。
自国を賞揚してもらいたがる欲望の根深さは大変なものです。

>これは普通に解釈すればむしろ、韓国や中国を無闇に攻撃している人にとって都合が悪い話のはずです。

中国や韓国の歴史教科書の記述から指摘されている“偏り”が消えても、日本の帝国主義や侵略戦争が免罪されるわけでは全くありませんからね。
韓国の場合なんて、朝鮮半島の独立運動にばかり記述をさいていて、原爆だけでなく、日中戦争や真珠湾攻撃に言及していないと批判されているわけです。その“偏り”がなくなれば日本への批判記述がさらに増えかねない。


rawan60さんへ
わざわざ検証するつもりは最初はなくて、「世の中には変な研究もたくさんあるしなあ。「>>1」を読む限り、歴史学者のグループかどうかもわからないし」と思いつつ、ソースを追っていっただけなんですよ。読売新聞も歴史認識では保守よりの記事が多めですしね。
で、ZAKZAK記事の執筆者が八木氏と気づいて、「あ、ひょっとして元ネタはちゃんとした研究なのかも……」と。


aikoku_senseiさんへ
さすが愛国先生! そこにあるよと教えてあげている落とし穴へ自ら突撃するとは!


Gl17さんへ
>右派のしばしば自惚れの根拠にする「評価される日本」て大半がこういう、右派の対立側の事跡ですよね。

八木氏なんて、まさに研究で名指しされている修正主義教科書団体の会長ですからねえ。


そそそさんへ
>「ZAKZAK→2ch→まとめブログ」だなんて典型的な糞の再生産じゃないですか。やだー。

それでも、まとめブログが介在するとTwitterで一気に拡散しているようなので、困った話です。2ちゃんスレの時点では200レスにも届いておらず、あまり注目されていないことも確かでした。

>歴史認識問題で拗れる原因

なるほど、対立する思想が反発しあって、雪だるま式にこじれが大きくなるという見方ですか。

りょうりょう 2013/09/29 18:51  スタンフォード大学のレポートを読んでいないので断定はできないが、おそらく中国の場合、歴史書と近代革命史を混同していると思います。

 歴史の授業と近代革命史は中国ではまったく別の授業、使われている教科書も違います。前者は現在中国の地理範囲内で起きた過去の歴史を教える授業で、教科書は基本的に唯物史論に沿っている(すなわち生産力と生産関係云々)。また人民大衆を歴史進歩の原動力と位置づけている。
 後者はアヘン戦争前後から現在の中国が出来上がるまでの挫折、敗北の歴史を中心に展開し、共産主義の伝来、共産党の誕生など、後半になれば共産党史の形をとっています。この部分だと、今の中国があるのは、共産党のおかげで、また中国は資本主義や封建改良主義など試みたが全部失敗し、結局共産主義で成功を遂げたと説明し、一時の失敗(文革など)があるにせよ、建国後はおおむね正しい方向へ国民を導いたと説いています。

 ちなみに世界史の授業もありますが、日本の歴史(3世紀~明治維新)もある程度教えられています。

蛸笛蛸笛 2013/09/29 20:29 ああこれって、ブータン国王が来日した際の国会演説を曲解した話と同じですわ…
中韓以外はみな日本の右傾化を歓迎しているのにサヨクガーマスゴミガー、みたいな発想でなんでも斬れると思ってる向きは、そろそろイエローカードの枚数を数えるべきかと

しかも、あの八木秀次が「なんだ、俺達の仕事ちゃんと評価されてたんじゃんwww」という錯誤に陥っているらしいだなんて『ホラー』以外の何物でもなく
創設期のつくる会を知っている私としても、ここまで堕ちたか、と呆れるほかありません
(私は、八木が意図的に「自虐史観」の手柄を横取りしようとしているとは考えられません)

hokke-ookamihokke-ookami 2013/10/02 08:37 りょうさんへ
>スタンフォード大学のレポートを読んでいない

論文は読売新聞画像をのせているブログにリンクされている、下記ページだと思われます。PDF注意。
http://aparc.stanford.edu/research/divided_memories_and_reconciliation/
ちなみに、こちらも「fant」「prop」で文字検索をしておいたのですが、やはりファンタジーという単語は見当たりませんでしたし、意外なことにプロパガンダという表現も直接的には使われていませんでした。精読はしていないので、似た表現をさがせば存在する可能性がないでもないですけどね。

>おそらく中国の場合、歴史書と近代革命史を混同していると思います。

そもそも研究自体が、全体的に自国史の記述に注目しているようなのですよ。その上で偏りを指摘しているのです。研究趣旨の詳細版を読むと、たとえば韓国に対しては下記のように、自国史において重要なはずの記述が欠落しているという表現になっています。

>日本が戦争遂行のために朝鮮の人々をますます強制的に動員するようになった大きな背景、すなわち日中戦争の泥沼化と1942年以降の米国による反撃の激化などは書かれていない。


蛸笛さんへ
>(私は、八木が意図的に「自虐史観」の手柄を横取りしようとしているとは考えられません)

読売新聞画像を引用しているブログのように、もともと中韓を批判する研究結果ということがインターネットで一人歩きしていたようですからね。
そうした伝聞による間接情報を真に受けて、実際の読売新聞にすら目をとおさず書いたという可能性すら考えられます。
ま、どっちにしても救いがたいですが。

Focke-WulfFocke-Wulf 2013/10/02 09:29 >支那駐屯歩兵第2連隊小隊長の桜井文雄の証言によれば、守備隊の東門には、数間間隔に居留民男女の惨殺死体が横たわっていた。鼻に針金を通された子供や、片腕を切られた老婆、腹部を銃剣で刺された妊婦等の死体が、ゴミばこや壕から続々発見され、ある飲食店では一家全員が首と両手を切断され惨殺されていた。14、5歳以上の女性はほとんど強姦され殺害され、旭軒では陰部に箒を押し込んであったり、口に土砂をつめてあったり、腹を縦に断ち割った遺体があった。東門近くの池には、首を縄で縛り、両手を合わせて鉄線を貫き、6人数珠つなぎにして引き回された形跡のある死体もあり、池は血で赤くなっていた。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/10/03 08:05 通州事件についてWikipediaで書かれた文章のコピペですね。日本にだって自国史をプロパガンダとして示したい人々が無視できない勢力として存在するという、何よりの証拠です。

AiAi 2013/11/29 22:14 今週の週刊文春の中吊り広告に「共同研究なんてムリ 中国の歴史は「プロパガンダ」 韓国は「ファンタジー」」という見出しがあって、心底うんざりしました。
しかも隣の週刊新潮の広告には「3.11の後に津波型の建物を建設!」(ご存知かもしれませんが、これに関してはhttp://togetter.com/li/586781をご参照ください)ですよ。
週刊誌がネットで拾ったネタを使って記事を書いてはいけないとは言いませんが、ZAKZAKだのまとめサイトだのと一緒にでっち上げの拡大再生産に勤しむのは勘弁してもらえないものかと思います。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/11/29 23:20 >週刊文春の中吊り広告に「共同研究なんてムリ 中国の歴史は「プロパガンダ」 韓国は「ファンタジー」」という見出しがあって

マジですか?!

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3387
> 共同研究なんてムリ 中国の歴史は「プロパガンダ」 韓国は「ファンタジー」

マジだった……
特集自体も『「中韓同盟」10の虚妄』なんて溜息が出そうな代物ですね。

>http://togetter.com/li/586781

見かけていましたが、ひどい話でしたね。しかしデマと明らかになった後で飛びつきますか……

>週刊誌がネットで拾ったネタを使って

雑誌の退潮を象徴するような手法なので、できるかぎり避けてほしいもんですけどね。印刷された文章に一定の信頼を置きたい旧世代の人間としては。

HONEST・正 HONEST・正 2013/12/19 17:33 >そそそさん
ひょっとして、その新書、藤原帰一氏の「戦争の条件」じゃないの?
最近読んだその本のp127~p142にそんな感じの話が載ってたし。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/12/20 07:00 なるほど、検索してみたところ、太田議員のレビューに似た記述があるのを見つけました。

http://www.akihiro-ohta.com/blog/2013/07/post-691.html
>「戦争違法化と好戦国家の排除が平和の条件」「歴史問題は時が解決するという議論がある。だが事実は違う」......。「広島の語り、南京の語り、靖国の語り」などはきわめて印象的であったが、藤原さんは現実の問題の根源を剔抉してくれている。

   2014/07/08 19:54 「マネーロンダリング」という言葉が「不正に得られた資金の出どころを隠し、合法に見せかける」という意味で用いられるように、一般的には「ロンダリング」という言葉は「信用性の無いものを信用性のあるものだと見せかける」ときに用いられます。
この記事のタイトルは、「信用性の無いスタンフォード大学の研究を信用性のある個人ブログがまとめた」と言いたいんですか?(笑)

「日本の政府はファンタジーな歴史観をプロパガンダしたい欲望を持っている」ということにしたいあなたの願望が良く分かる記事ですが、あなたのイデオロギーを前面に押し出した独りよがりの非論理的な文章よりも、この一行の方がはるかに見る者に価値を与えますよ。
http://www.nippon.com/ja/in-depth/a00703/

匿名匿名 2014/07/08 20:07 >信用性の無いスタンフォード大学の研究
読解力SUGE--------------ww

>この一行の方が
その紹介URL、エントリ本文にちゃんと書かれてるんですけど。

hokke-ookamihokke-ookami 2014/07/10 00:05 (2014/07/08 19:54)に書き込まれた方へ
>「ロンダリング」という言葉は「信用性の無いものを信用性のあるものだと見せかける」ときに用いられます。
>「信用性の無いスタンフォード大学の研究を信用性のある個人ブログがまとめた」と言いたいんですか?(笑)

いやその、「信用性のあるものだと見せかける」ならば、そう見せかけようとしている存在は信用性があるわけではないですよね。どこから「信用性のある個人ブログ」という話になるのですか?
だいたいエントリの序盤で「情報源として示されている記事は読売新聞……に見せかけて、URLを見ると産経グループのタブロイドサイトZAKZAKだ」と私は指摘していますよね。まさしく“信用性のないZAKZAKを信用性のある読売新聞と見せかける”事例じゃありませんかね?


匿名さんへ
>その紹介URL、エントリ本文にちゃんと書かれてるんですけど。

むしろ引用した部分で「日本の政府はファンタジーな歴史観をプロパガンダしたい欲望を持っている」という主張が書かれているんですけどね。

ななしななし 2017/02/23 12:21 このサイト気持ち悪い

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