一人暮らしを始めた大学生の娘。成人している。
いつも遊びに来る親友を連れて我が家に訪れた。そして、顔を見合わせると涙を浮かべながら…。
『父さん..ごめんなさい…。』
既に終息した話ではあるが、大切なことであるため記しておきたい。
◆目次を開く【Opening the Table of Contents】
誹謗中傷とSNS拡散と
数日間に渡り、娘のスマホに断続的に書き込みがされ続けていた。
- 最低…。
- 金の亡者…。
- こういうの良くないと思う…。
- 落ちたね…。書けないコメントは数多くある。
一方通行の連絡だけが入ってくる。急に書き込まれてくる不可解なコメント。理由が分からずに返信してもブロックされる始末。
書き込むならば双方向。糸電話さえ相互通信が可能。なんとなくタチが悪い…。
娘は、同年代の同姓と付き合うことが苦手で、女子としての生き方は確かに下手ではある。
連れションも馬鹿らしいと反論し、人に流されることを嫌うため、グループに属することに躊躇する。
一匹狼を貫く性格であるが、さすがに今回の件では心が折れていた。
事の発端は、大学生の娘が茶髪のおじさんと、仲睦まじそうに映画館にいたことから始まる。
情報発信元が写真を隠し撮りする。援助交際中の知人に遭遇とタイトルを付与して、ローカルなスクープ記事のように気軽にSNSに投稿してばら撒く。
最初は内輪の小さなグループに拡散。情報は転送を繰り返しながら、次第に大きく成長して歯止めが効かなくなる。
拡散されたことで、娘の親友の目にも触れた。
そして、一撃で論破され終息の方向に向かっていったような感じではある。
『馬鹿じゃない。一緒にいるのは親だから。何を拡散して言いたい放題に言ってるの!犯罪の区別もつかない?警察に被害届を出すからね。』
このような感じの内容を、遊びにきた娘の親友から見せてもらったと思う。うろ覚えではあるが。
娘は、数々のグループに登録していたSNSを脱退していた。「眠い。暇だ。」どうでもいい内容に、返答しなければならないことに心底疲れたらしい。
今回の件は、終息していった後に親友から情報を聞かされた模様である。
念のため文章と画像は全て保存しておくことに…。
コメントの一部始終を見せてもらった。
娘と「アベンジャーズ」を見に行った日の事である。
自撮りして、自らアップロードした写真であったりブログの文面に対して叩かれるのであれば、納得も出来る。嫌ならば辞めれば済むだけの自己責任。
知らない間に、勝手に写真を撮られ、ネット上に拡散しながら「やれ援交だ。やれ中年キモイ。やれ糞だ。やれ死ねだ。」書き殴られていく文面。決して後味はよろしくはない。
そもそも、援交なんて言葉は死語。田舎者の時間軸は情けなくもずれている。
- 自分に向けられるコメントは、素通りできる。
- 子供に向けられるコメントは、心臓がえぐられるように辛い。
匿名性の高い socksで外国のプロキシサーバーを介してという凝った流れであればいざ知らず、ご丁寧に名前がバレバレある。
誹謗中傷しながら、写真を拡散する行為。立派な犯罪にあたる。操作が単純なだけに罪の意識が薄い。ネット拡散の怖いところだ。
ネタの発信元は、娘の縁遠い知り合いではあるが、顔も住所も勤務先もわかる。
娘の親友に論破された後に『みんな、どうしよう。やばい。どうしたらいい。』
あたふたした子供のように、コメントが書き綴られていた。逆に取れば、『私は、嘘をついた。助けて。』結果論として、訂正情報と共に愚かさを逆に拡散してくれている。やれやれだ…。
事の重大さに気づいたのだろう。もう既に大人だ。
安易な指の操作で全てが終わる。ネタを流した投稿者は、真っ向から啖呵をきれるような風貌には微塵も見えない。
犯罪臭が少しでも漂うと、ギャラリーはサッと身を引いてしまい誰も反応しなくなる。そんなものだよ。
ギャラリーの中に『表現の自由』憲法で保障されているとコメントした痛い輩もいたが…。茶髪のおじさんは泣きたくなるぐらい残念な人だと思えたよ。
安易な指の操作で全てが終わる
民事であろうが刑事であろうが、誹謗中傷しながら無断でネットワーク上に写真を拡散する行為は、非常に厳しく罰せられることになっている。
“裁判所はお咎めなし”という判決は下せない。秩序そのものが崩壊してしまうから。
ネットワークは非常に便利ではあるが、使い方を誤ると非常に危険なインフラであることを、本当に理解して欲しい。
不幸の手紙に不幸のメールも昔はあった。金銭やパケット上限があるから拡散を後押ししない。無料アプリに通信無制限の時代。流出すれば止まらない。
コンピュータにおけるネットワーク転送は、分割したデータを送信しては結合を繰り返すのみ。ミスがあればデータを再送。
送受信の成功判定に対しては、厳しいジャッジをするがデータの中身は全くの無関心である。
だからこそ、一人一人が送信する前に厳しいジャッジをしなければいけない。
「send」操作を誤ると、自分が何処に「送られる」かを真剣に考えていただきたいと願っています。
法務局も全面的に協力している時代。
ネットで誹謗中傷されて、嫌な思いをされている方は一度法務局に相談されてもいいと思います。法務省のページで広報しています。参考までに..。
ネットワーク通信が確立している以上、サーバー側で開示すれば直ぐにわかります。root アカウントを持ったサーバ管理者は何でも見えるから…。
法務局から連絡が入れば、法の番人からの指示。
プロバイダを含め全面的に協力せざるを得ない。個人情報保護なんていう道理は通用しない。誰もお上には逆らわないですから。
安易な指の操作で、全てを失う可能性があるということを肝に命じて下さい。自分がされて嫌な事は、相手にとっても嫌なこと。簡単なこと。今一度考えていただければと思います。
あとがき
今回の件について、誹謗中傷されたデータや本人特定もできており、終息していく状況であるため、娘は一切関わらずに忘れることに決めたみたいです。
拡散した相手は、追い込むと『直ぐに死ぬ』って口走るタイプらしいから、関わり合いを持ちたくないというのが本心のようです。
『人にどう見られているかより、どう捉えていくかで考えていくから..。写真を勝手にばら撒かれたことを父さんに謝りたかった。それだけ…。』
娘からの謝罪だった。
娘が笑っているなら、何も気にする必要がない。
父親が、年頃の娘と何の躊躇いもなく二人で出かけることに幸せを感じる。当たり前だと思う事が、当たり前ではない時代だから…。僕は、それだけで幸せだと思う。
安易な操作で全てが終わることを、理解していて欲しいと思いブログってみた。
訴える事が出来る期間の時効は非常に長いです。
ちょっとした指の操作で、怯えながら暮らさなければいけない。些細なことで人生を棒に振ってしまうことを避けて欲しいから...。
それだけです。伝えておきたいこと。