塩﨑
「特集・ワールドEYES。
けさは、ドイツで問題となっている“新たな反ユダヤ主義”についてです。
第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺『ホロコースト』。
犠牲になったユダヤ人は600万人を超えます。
戦後、ドイツではホロコーストという悲劇を許した反省に立ち、外国人の排斥や民族主義を主張するネオナチなど、極右勢力による“反ユダヤ主義”を厳しく取り締まり、差別のない社会づくりを進めてきました。
しかし、そのドイツで“反ユダヤ主義”が違った形で表面化し、波紋を広げています。
先月起きたある事件について、藤田さんからです。」
藤田
「こちらは、先月(4月)17日、ベルリンで撮影された映像です。
イスラエル人の男性が襲われている映像なのですが、暴行しているのは、ドイツに滞在するシリアからの難民です。
この男性が襲われるきっかけとなったのが、こちら。
ユダヤ教徒であることを示す、伝統の帽子「キッパ」です。
実は、襲われた男性自身はユダヤ教徒ではなかったのですが、この「キッパ」をかぶっていたため、信者だと思われて暴行を受けました。
ユダヤ教徒を狙った暴行が街中で公然と行われた事実はドイツ社会に衝撃を与えました。
ドイツでは最近、一部のイスラム教徒の移民や難民の間で“反ユダヤ感情”が高まっており、ユダヤ料理店に対する嫌がらせや脅迫、さらに、小学校でのイスラム教徒の子供によるいじめなど、差別的な行為が相次ぎ、問題となっています。
このため、ユダヤ人の団体は『キッパ』をかぶらないようにという異例の呼びかけまで行っています。」
塩﨑
「先日、この番組のニュースでもお伝えしましたが、ベルリンの事件を受け、“反ユダヤ主義”に抗議する集会が、先月25日にドイツ各地で行われました。
その様子を伝えるドイツZDFのリポートをご覧ください。」