ベオグラードを走る日本製バスが伝えること
知られざる中欧の親日国「セルビア」
中欧のバルカン半島に旧ユーゴスラビアを構成した共和国の1つであるセルビア共和国という国がある。国自体は日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、テニスのノバク・ジョコビッチ選手やモニカ・セレシュ選手、それに日本でもプレーしたサッカーのドラガン・ストイコビッチ選手の出身国だ。その首都ベオグラードを93台もの日本製の黄色いバスが走っており、現地では親しみを込めて、セルビア語で日本人を意味する「ヤパナッツ」と呼ばれている。
「なぜ、セルビアの首都をたくさんの日本製のバスが走っているのか」という疑問も含め、日本ではあまり知られていないセルビア・日本両国間の経済的・文化的交流や、今年1月の安倍首相のセルビア訪問などについて、セルビア共和国特命全権大使 ネナド・グリシッチ閣下へのインタビューを交えながら、紹介したい。
日本との交流のはじまり
まずは、セルビアの歴史について、日本との交流を含め概説する。現在のセルビアの国土は、古くはビザンツ帝国(東ローマ帝国)の支配を受け、中世のセルビア王国が成立したのは12世紀後半~13世紀前半のことだ。この王国は14世紀のドゥシャン王の時代に最盛期を迎える。
この中世王国の時代の中心地が、コソボ(2008年にセルビアから独立宣言。セルビアは独立を認めない立場を堅持)地域であり、「日本人にとって奈良・京都が心の故郷であるように、セルビア人にとってコソボは心の故郷。セルビアはここから始まった」(グリシッチ大使)という。





