JSH2014:臓器障害を合併する高血圧

心疾患を合併する高血圧患者の血圧管理(JSH2014)

冠動脈疾患

推奨グレードA エビデンスレベルI
冠動脈疾患では十分降圧することが重要である。原則として140/90mmHg未満を降圧目標とする。

推奨グレードC1 エビデンスレベルIII
ただし,心血管イベントリスクが高い患者(糖尿病,CKDや脂質異常症,喫煙,家族歴など危険因子の重積)では可能であればさらに低いレベル 130/80mmHg未満を目指す。

狭心症 ・器質的冠動脈狭窄*1:β遮断薬,長時間作用型Ca拮抗薬
・冠攣縮:長時間作用型Ca拮抗薬
・降圧が不十分な場合はRA系阻害薬(ACE阻害薬,ARB)を追加
心筋梗塞後 ・RA系阻害薬,β遮断薬が第一選択
・降圧が不十分な場合は長時間作用型Ca拮抗薬,利尿薬を追加
・低心機能症例:アルドステロン拮抗薬の追加*2
心不全 収縮機能不全による心不全
・標準的治療:RA系阻害薬*3+β遮断薬*3+利尿薬
・重症例:アルドステロン拮抗薬の追加
・降圧が不十分な場合は長時間作用型Ca拮抗薬を追加
拡張機能不全による心不全
・持続的かつ十分な降圧が重要
心肥大 ・持続的かつ十分な降圧が必要
・RA系阻害薬,長時間作用型Ca拮抗薬が第一選択
*1
適応例では冠血行再建術を行う
*2
高K血症に注意する
*3
少量から開始し、慎重にゆっくりと増量する

高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)

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次に心疾患を合併する高血圧患者の血圧管理についてご紹介させていただきます。

心疾患を合併する高血圧、特に冠動脈疾患では、原則として140/90mmHg未満を降圧目標とし、心血管イベントリスクが高い患者では、さらに低いレベル130/80mmHg未満を目指すと