JSH2014:臓器障害を合併する高血圧

脳血管障害(慢性期)の降圧目標を細かく規定

脳血管障害を合併する高血圧の治療(JSH2009)

降圧治療対象 降圧目標 降圧薬
慢性期
(発症1か月以降)*3
<140/90mmHg
(治療開始1-3か月)*4
Ca拮抗薬,ACE阻害薬,
ARB,利尿薬など*5
*3
急性期治療が終了する1-2週後から開始することもある
*4
両側頚動脈高度狭窄,脳主幹動脈閉塞の場合は特に下げすぎに注意.ラクナ梗塞や脳出血では,140/90mmHgよりさらに低い降圧目標とする
*5
糖尿病や心房細動合併患者ではARB,ACE阻害薬を用いる

脳血管障害を合併する高血圧の治療(JSH2014)

降圧治療対象 降圧目標 降圧薬
慢性期
(発症1か月以後)
脳梗塞 SBP≧140mmHg <140/90mmHg*4 経口薬(Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,利尿薬)
脳出血
くも膜下出血
SBP≧140mmHg <140/90mmHg*5
*4
降圧は緩徐に行い,両側頸動脈高度狭窄,脳主幹動脈閉塞の場合には,特に下げすぎに注意する。
ラクナ梗塞,抗血栓薬併用時の場合は,さらに低いレベル130/80mmHg未満を目指す
*5
可能な症例は130/80mmHg未満を目指す

高血圧治療ガイドライン2009/2014(JSH2009/2014)

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脳血管障害を合併する高血圧のうち、慢性期の降圧目標に焦点をあて、ご紹介させていただきます。

今回の改訂から、慢性期の中でもさらに、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、と臨床病型別に分類されました。

また、降圧目標は、JSH2009と同様に140/90mmHg未満となりましたが、重要な点としてラクナ梗塞・抗血栓薬服用時・脳出血では、可能であればさらに低いレベルとして130/80mmHg未満を目指すよう記載が追加されました。