LINEで送る

苦節16年の末、「キングオブコント 2012」で優勝し、コントキングの座を掴んだバイきんぐ。そんな彼ら(小峠英二&西村瑞樹)渾身のベストネタ10本を収録したDVD『King』のリリースを記念したスペシャル・インタビューをお届けします。

 
――初のDVD収録ライブでしたが緊張しましたか?
小峠&西村:してないですね。
小峠:お前はしてたよ。
西村:してたっけ?
小峠:してるって言ってたよ。
西村:してた?
小峠:知らないよ。してたって言ってた。
西村:じゃあしてました。
小峠:終わった後に、「緊張してた」って。僕はしてなかったし、わかんなかったけど。
西村:あー、でも、してたかもしれない。ガッチガチではないですけど。

 
――最初のネタは「キングオブコント2012」で披露した「卒業生」ですね。
小峠:「卒業生」を作った時、確か自動車学校のネタが欲しかったんだと思うんですよね。ベタな設定はひと通り持っておきたいというのがあったので。よく運転席で変な教官、変な生徒っていうのはあると思うんですけど、やっぱり違う切り口で行きたくて、出てきたネタだった気がします。思いついた時はめっちゃ面白いと思ったんですけど、ネタ合わせの段階で、これダメやなって。そこから、たぶん2年くらい寝かせてたんですよ。
西村:しかもその時は、役割が逆。初めて台本見た時は面白かったんですけどね。
小峠:でもある日、どうしても次の日のライブに新ネタおろさなあかんってなった時、過去、なんかやってないやつないかなって探したらこれが。

 
――ネタを寝かせるということはよくあるんですか?
小峠:いや、たぶんですけど、その時はまだ余裕があったんですよね。他のネタを考える時間があった。
西村:でもその期間がなかったら、ここまで仕上がってなかったかもしれないですね。
小峠:追い込まれてなかったら、ほじくり返すこともなかったんで。追い込まれるのって大事なことなんだなって思いましたね。
 
――続いてのコント「ファミレス」はどのようにして生まれたんですか?
小峠:これはよく覚えてて、同じように新ネタおろさなあかんってなったけど、その時は時間がなくて。書き上げた段階でまったく面白くなかった。やりたくないくらい(笑)。でも、新しく作りなおす時間がないくらいの状況で、とりあえずあとはテンションとツッコミでどうにかせなあかんなって思いながら嫌々やったんです。そしたらやっぱり追い込まれてるので、なんか、自分で言うのもなんですけど、ものすごく気の利いたアドリブがバッと出たんです(笑)。今考えても、よくアドリブであのフレーズが出たなって。
西村:初めてネタの台本見た時、オーダーのメニューが箇条書きで書いてあるだけだったんで、これ大丈夫かなって(笑)。僕は僕で噛まずにスラスラ言うのが重要なので、それで精一杯でしたね。

 
――「面接」や「隣人」には、バイきんぐのネタ独特の気になるキャラクターが出てきますね。こういうタイプの人が好きなんですか?
小峠:僕は実際は好きじゃない(笑)。いや、わかんないですけど、バカやなとは思いますけど、仲良くなりたいなとは思わないです。
西村:僕はものすごくしっくりきますね。演じてるとは思えない。
 
――コントのセリフみたいなことを言っちゃうこともあるんですか?
西村:下手すると言ってるんじゃないですかね。気づいてないだけで。
小峠:興味は沸きますし、愛くるしい感じはありますね。ただ、密に付き合いたいかっていうとそうでもないですよね。距離置いて楽しみたい感じかもしれないです。
西村:僕もほぼ素に近いかもしれないです。この間、芸人と飲んで、酒も入ってきて騒ぎ出したら、「ネタの感じとほぼ同じなんですね」って言われました(笑)。
 
――あれだけハッキリしたキャラクターがあるとオチに悩みませんか?
小峠:確かにオチ悩むかもしれないです。毎回悩んでるかも。だからネタ見せの時に作家さんとか周りの人からヒントをもらったり。オチが変わっていくこともよくあります。DVDの最後に入ってる「帰省」はまるっきり変わりましたね。父さんが実は母さんだったってオチだったんです。それで「オンバト」出た時、すごくウケてたんたんですけど、オチで急に下り坂になって、結局オンエアされることもなく……。これはどうにかオチ変えなあかんなって考えて、今の形になりました。
西村:作る時はいつもふたりでやってるんですけど、ネタ見せで作家さんにアドバイスもらったり、新ネタができるといつも収録ライブでMCやってくれた錦鯉の渡辺に見てもらったり。
 
――「交通量調査」では、ふたりのコントには珍しい演出がいくつもありましたね。
小峠:珍しいですよね。あれも作家さんが「こういうのはどうですか」って提案してくれて。「わー、それ面白そうやな」と思ってやったやつですね。スローテンポで見せるとか、僕らの頭にはない発想でした。
西村:ないですねー。
小峠:当日まで照明の演出もなかったんですよ。当日のリハの時に何の前触れもなく、このネタ中に急に照明が落ちて、そのままネタをやったんですけど、僕「これいいな」って思いながらやってました。だから「あれ、よかったですね」ってディレクターさんに言ったら、「あれ、いいでしょ」って言ってくれて。むっちゃありがたいです。

 
――「ふんわり名人」は面白いストーリーですね。
小峠:あれ、実際あった話なんですよ。
西村:僕、コールセンターのバイトしてますけど、僕がその電話に出たわけじゃないですよ(笑)。
小峠:あまりに美味しくて衝撃を受けたので、伝えたいなと思って、本当に電話したんですよ、お客様センターに。「美味しすぎるんですよ」って言ったら、「ありがとうございます」って言われました。40分くらい喋りました、コールセンターのおばちゃんと。女性の意見はあるらしいんですけど、男性から直接意見が来ることは初めてだそうで、「非常に参考になります」みたいな。僕、普段から電話しますね。小学生の時からカロリーメイト好きだったんですけど、あれって4本入ってるじゃないですか。何年か前に味が4種類だったので、1本ずつ4種類をひと箱に入れたら売れるんじゃないかなって思って電話しましたね。「上の者に言っておきます」って言われました。言ってないんじゃないかと(笑)。
西村:言ってないんじゃないでしょうか(笑)。

 


「商品詳細ページ」は、こちら
「バイきんぐ 特設ページ」は、こちら