施行規則の改正で原付二種(AT小型二輪)免許は最短2日で取得可能に!
警察庁は、普通自動車免許保持者が、原付二種(AT小型二輪)の取得にかかる教習時間を短くし、最短2日間で取得できるように道路交通法施行規則を改正する予定であることを発表しました。
本記事では、今回の道路交通法施行規則の改正で原付二種(AT小型二輪)免許の取得がどのように変化するのか、またそのねらいは何なのかをご紹介します。
※この道路交通法施行規則の改正は4月9日から募集するパブリックコメントの意見を踏まえて、施行予定のため現時点で改正が確定した訳ではありませんのでご注意ください。
原付二種(AT小型二輪)免許に必要な教習時限数
そもそも原付二種(AT小型二輪)免許とは何でしょうか?原付二種免許(AT小型二輪)は、クラッチ操作不要のオートマチック車限定で排気量125cc以下のバイクが運転できる免許です。
原付二種(小型二輪)のバイクは排気量によって50cc〜90ccのものは黄色ナンバー、90cc〜125ccのものはピンクナンバーがつけられています。
普通免許の保持者が原付二種免許(AT小型二輪)を取得する場合は下記の時間教習を受ける必要があります。
【必要な教習の時限数】
・技能教習…8時限
1段階-5時限
2段階-3時限
・学科教習…1時限
道路交通法施行規則のなにが変わる?
原付二種免許(AT小型二輪)の取得に必要な時限数をご紹介したところで、現行の道路交通法施行規則を確認します。
現行の道路交通法施行規則
実は道路交通法施行規則では、教習生の疲労を考慮して「技能教習を1日に受けられる時限数」や、「連続して受けられる時限数」が定められています。現行の道路交通法施行規則で定められている技能教習に関する時限数の規則は下記の通りです。
【現行の道路交通法規則】
第1段階…1日あたり2時限まで
第2段階…1日あたり3時限まで
1日に受けられる合計の時限数…3時限まで
こうした道路交通法施行規則のため、普通免許の保持者は、原付二種免許(AT小型二輪)の取得に最低でも3日間かかっていました。
道路交通法施行規則の改正後
今回の道路交通法施行規則の改正は、1日に受けられる合計の時間数を3時間から4時間に増やすことで最短取得の期間を短くしようという意図があります。
【道路交通法施行規則の改正後】
第1段階…1日あたり2時限まで
第2段階…1日あたり3時限まで
1日に受けられる合計の時限数…4時限まで
1日に受けられる合計の時限数が4時限になることで、最低2日間で原付二種免許(AT小型二輪)が取得できるようになります。
なぜ原付二種免許(AT小型二輪)の取得期間を短くするのか?
なぜ今回の道路交通法施行規則は改正されるのでしょうか?実は、今回の改正はメーカーや業界の悲願だったと言われています。改正の背景をご紹介します。
■原付き(50cc)バイクの需要減
今回の改正には、原付き(50cc)バイクの売上が落ち込んでいることが深く関係しています。
原付き(50cc)バイクはかつて国内二輪販売の4割以上を占めていましたが、国内での売上は落ち込んでいます。
また、燃費・排ガス規制が強化されたことから生産や販売中止をするモデルが相次いでおり、ホンダ「モンキー」も生産を終了し、125ccモデルとして復活していました。
さらに、原付き(50cc)規格は日本独自の規格であり海外展開が難しいことなどからより一層、原付き(50cc)バイクの展開に対し、厳しい状況が続いていました。
そうした状況の打開策として今回の改正があります。
原付二種免許(AT小型二輪)のメリットは?
原付二種には下記のように消費者に多くのメリットがあります。
【消費者にとってのメリット】
・原付きのように2段階右折の義務がない
・法定最高速度が60km/h
・安い維持費と自動車税
また、バイクを生産するメーカーにとっては下記のようなメリットがります。
【メーカーにとってのメリット】
・125cc規格は世界に販売ができる
・落ち込んでいるバイク売上に貢献できる
バイク離れが続くメーカーとしては、原付二種免許(AT小型二輪)を週末で気軽に取れるようにすることで新しい需要を生み出したい考えがありそうですね。
まとめ
いかがでしたか?本記事では普通免許を持っている方が原付二種免許(AT小型二輪)を取得する際の教習日数が短縮される可能性についてご紹介しました。
注意:販売が終了した50cc「モンキー」は125ccとなって東京モーターショー2017にて発表、その後市販予定モデルとして東京モーターサイクルショー等で出展されましたが、ギア操作を伴うため原付二種免許(AT小型二輪)では運転はできません。