昨日の日大の"定例"記者会見は、前日より面白くなかった。大塚吉兵衛学長のキャラ立ちが良くなく、悪役なのか、いいもんなのか、わかりにくかったからだ。泣くとか笑うとか、目を白黒させるとか、もっと面白い人を出してもらいたいものだ。そうでないと乱入した変なおばちゃんに主役を取られてしまう。
しかし、結論から言えば「悪い日大」の一味だということになろう。
世間が内田元監督の謝罪に納得せず、「もっと偉いのを出せ」と要求しているために、偉いさんを出してきた。
しかし、大塚吉兵衛学長は、本人も言っているように「教学部門のトップ」であって、常務理事の内田正人理事より権力が上ではない。
この人は歯科が専門の医学者であり、スポーツ部門とは直接の関係はない。ラグビー部の顧問のようだが、内田前監督とは立ち位置が違う。「雇われ社長」と「大株主」くらいの差がある。

この人は前日の炎上の火消しに駆り出されたのだろうが、その役割を果たすことはできなかった。内田前監督、井上前コーチの会見は、米倉広報という"秘密兵器"が出てきたために騒ぎが大きくなった。しかし炎上の大元は、米倉広報の対応のまずさにあったのではなく、監督、コーチが「選手に罪を擦り付けた」ことにあった。

しかるに昨日の大塚吉兵衛(名前だけはインパクトある)学長は、前日の記者会見の内容について「お詫び」はしたが、今回の事件が「監督、コーチが主犯格で起こした犯罪行為」であることは、言をはぐらかして認めなかった。「そもそも私は部外者だ」という感じだった。「だったら何で出てきたんだ」と突っ込みたくなるようなお粗末さだった。

ここまでの経緯を見ていると、内田正人という人が、日大の体制には非常に重要、あるいは「体制そのもの」のように思えるが、実質的にこの人物は「死に体」になっている。今後の展開で、井上前コーチが内田前監督を裏切るのは間違いなさそうだし、本人も日本一の極悪人のようになってしまっている。

内田正人の役割は、彼が完全に失脚することで、その上にまで累が及ばないようにするための「捨て石」だと思われる。
その上には、田中英壽という実質的な「日大王」がいる。この人は相撲の親方のような人であり、現実社会はほとんどわからないだろう。40年ほど前、花籠部屋に行くと当時の親方の横でふんぞり返ってちゃんこを食べていた男だ。そこから日本一の私学のトップにまで上り詰めたのは凄いが、それは実力というより、権力闘争によるものだろう。

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そして田中英壽とともに死守したいのは「日大スポーツ」という事業展開だろう。これは単なるスローガンではなく、大学ビジネスの根幹をなす事業でもある。2020年の東京オリンピックへ向けて、人材や資金、さまざまなビジネスチャンスを呼び込もうとするものだ。今後の日大ブランドの根幹をなすものでもある。

その日大のスポーツ部門のトップだった内田正人が、スポーツマンシップにもとる卑劣な行為を選手にさせていたということになれば「日大スポーツ」のイメージダウンは計り知れない。すでにプロ野球のインタビューボードから「日大スポーツ」の名前が消えるなど、影響は出ているが、この事業がとん挫するのは何としても避けたいのだろう。

都内にも多くの資産を有する日大である。オリンピックに際しては日大の周辺にさまざまな利権が発生していると思われる。「日大スポーツ」の実態は恐らくその部分だが、そういうものも守りたいのだろう。

それにしても、日大本部は危機管理の常道から逸脱しているので「日大スポーツ」を守るのも厳しいところだ。今からできるのは田中英壽の首と引き換えに「日大スポーツ」ブランドを守ることだけだろう。




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