オーストリアのボーデン湖の湖上で、強烈な芸術的ステージと不朽のオペラを体験するあまりに美しい旅

2015.02.17 Tue TEXT:BANANA CATEGORY:column

ドイツ、オーストリア、スイスの国境に位置する、ボーデン湖。アルプス地方ではレマン湖についで第二の規模で、約536平方キロの面積をもつ、別名コンスタンツ湖とも呼ばれている湖。湖畔でぶどうが栽培されており、沿岸地域はワイン生産地としても有名な豊かな場所だ。

この美しい場所に恋をした、1946年に錨で固定した2隻の荷船の上にステージを建設するという着想をもった人々がいた。そのステージで展開されていたオペラはブレゲンツ音楽祭の基礎となった。

そう、この場所で7月22日〜8月23日までの1ヶ月間開催されるBregenz Festival(ブレゲンツ・フェスティバル)がある。

当初から、湖と周辺の美しい自然環境の中で不朽の名作オペラの上演をする。というテーマで展開され、約70年後の現在、ブレゲンツ・フェスティバルはオーストリアの文化を語る上で欠かせない存在になっている。

毎年夏の間の1ヶ月、観客は広々とした太陽と星空の下、これまで体験したことのない強烈な印象の中で、不朽のオペラを鑑賞できる。2008年にジェームス・ボンド映画「慰めの報酬」のプロデューサーたちが壮観なロケ地を世界中で探し回った時に、この地の景観を見て圧倒されたという話もある。

これまで上演された演目は、ヴェルディの「アイーダ」に加え、ポーランド系ロシア人の作曲家ミェチェスワフ・ワインベルクの作品などであり、二年ごとに演目を変えてくるとのこと。

2015年はプッチーニの作品『トゥーランドット』が36年ぶりに上演される。

また、フェスティバルホールでのオペラ上演やオーケストラのコンサートや劇団のゲスト出演に加え、ワークショップ劇場、各会場での現代アートの展示、その他の会場で数多く行われる若手アーティスト・キュレーターによる「クロスカルチャー」シリーズと呼ばれるイベントなどが合わさってこのブレゲンツ・フェスティバルは成り立っている。

ブレゲンツ・フェスティバルの魅力は、何と言っても人気オペラとあまりにも大胆なアートの掛け合わせだ。

オーストリア、ドイツ、スイスの3カ国の国境に面したこの街の駅を降り、湖方面へ向かうと巨大な湖上舞台が見えてくる。アルプスの山に囲まれる美しいインスブルックの街へ出掛けたり、周辺の国へ足を伸ばしたり、オペラを鑑賞しながら変わらない人の内面について思考する旅も悪くないかもしれない。

photo via http://bregenzerfestspiele.com/

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