佐賀など九州7県の幹部は25日、JR九州に対し、在来線を大幅に減便した3月のダイヤ改正を見直すように特別要望書を提出した。通学や部活に支障が出ている現状を報告し、改正前に戻すように求めた。
要望したのは九州地域鉄道整備促進協議会(会長・小川洋福岡県知事)の沖縄を除く7県。市町村や教育機関から聞き取った影響を基に、福岡県の小山英嗣企画・地域振興部長が、JR九州の古宮洋二常務取締役兼鉄道事業本部長に要望書を手渡した。
佐賀県内の影響としては、中多久駅に午前8時23分に到着していた唐津線の列車が10分遅くなったため、多久高校(多久市)が午前8時40分だった始業時間を10分遅らせた。これに伴い午前中の授業4コマのうち1コマ分を午後に移した。
筑肥線伊万里-唐津間の終電は1時間半繰り上がり、伊万里市の敬徳高野球部は練習を3時間半から2時間に短縮した。唐津商高と伊万里商高の定時制は、終業時間帯に対応できる列車がなくなった。利用する生徒は現在はいないが、今後の影響を懸念している。
県地域交流部の田﨑茂樹副部長は、朝の通学で利用される鳥栖-佐賀間の特急列車の車両数減少で混雑に拍車がかかった点も指摘し「教育現場が対応に追われた実情を伝え、元の水準に戻すよう申し入れた。公共交通としての役割は重い。改正する前に協議する必要性も訴えた」と説明した。JR九州広報は「要望内容を精査、確認した上で必要と判断すれば運転時刻修正、列車の増便などを検討したい」とコメントした。