プラスチック汚染 写真で見る国際公害問題
米写真誌「ナショナル・ジオグラフィック」は2018年6月号の特集で、大量の廃棄プラスチックによる世界中の海や海岸線、河川の汚染を取り上げた驚くべき一連の写真を掲載した。
野生動物、特に海洋動物は、プラスチックごみに絡まったり飲み込んでしまったりすると生命の危機に陥る。
このアカウミガメは、地中海のスペイン沖でプラスチック製の古い漁網にからまってしまった。
このカメは息をするために水面に首を伸ばすことはできていたが、写真家が助け出さなければ死んでいただろう。
捨てられた漁具は、カメのような大型海洋動物に脅威を及ぼしている。
日本の沖縄で、ヤドカリがその柔らかい腹部を守るためにペットボトルのキャップを使っている。
海水浴客は自分たちのゴミを置き去りにして、ヤドカリが普通使う貝殻を集める。
スペインの埋立地で、ビニール袋にがんじがらめとなったコウノトリ。このコウノトリは幸運にも、息を吸う穴を得られた。写真家は撮影の後、コウノトリを袋から自由にした。
1つの袋が、1匹より多くの動物を殺すこともある。死体が腐り落ちても、プラスチックは残る。
ナショナル・ジオグラフィックは最新号の多くをこの問題に割いた。我々が表立って目に出来るプラスチック汚染は恐らく、海における汚染のごく一部なのだ。
プラスチックごみは目で見えにくい小さな粒子へと分解されることもあるが、その粒子も海洋生物に影響する可能性がある。
バングラデシュのダッカにあるブリガンガ川で、女性が透明なプラスチックごみのシートを洗ったあと、乾かすために広げている。
女性は息子の子守もしながら、シートを定期的に裏返す。
このプラスチックシートは最終的にリサイクル業者へと売られる。世界中でリサイクルされるのはプラスティック全てのうち5分の1にも満たない。米国ではリサイクルされる割合は10%以下だ。
エチオピアのハラールで埋立地をあさるハイエナたち。
ハイエナたちは新たな習慣に適応している。ゴミを運ぶトラックの音に耳を澄まし、トラックが埋立地に放り出したごみの中から必要な食料のほとんどを見つけ出すのだ。