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【格闘技】

尚弥激怒「ふざけている」 前日計量で王者が大遅刻

2018年5月25日 紙面から

1時間以上も遅刻した王者に怒りをあらわにする井上尚弥=東京都内のホテルで(武藤健一撮影)

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 ボクシング・ダブル世界戦(25日、東京・大田区総合体育館)の前日計量が24日、東京都内で行われ、出場4選手ともクリアした。ただ、3階級制覇を目指す「モンスター」井上尚弥(25)=大橋=の挑戦を受けるWBAバンタム級王者ジェイミー・マクドネル(32)=英国=は、開始予定時刻から1時間以上も姿を現さない前代未聞の大遅刻。直前まで減量していたようで、井上は「ふざけている」と怒りをあらわにした。井上はリミットちょうどの53・5キロ、マクドネルは53・3キロだった。

 計量会場の空気が、どんどん重くなった。WBAのバグナリオル立会人が「30年やってこんなことは初めて。リスペクトがない」とあきれた、マクドネルの大遅刻だ。

 計量開始時刻から1時間過ぎた午後2時、ようやく一行が会場のホテルに着いたと連絡があったが、そこからさらに約10分間登場しない。計量は200グラムアンダーでクリアしたが関係者の表情には不快感しかなかった。

 「ふざけている。謝りの言葉ひとつない。陣営の態度もイラっとくる。この気持ちは明日にぶつけます。KOで締める」

 井上は怒気をあらわにした。当然だ。計量は飢えと渇きのピークで行われるだけに、時間厳守が暗黙のルール。それを1時間以上も破ったのだ。

 関係者によると、マクドネルは横浜市内のホテルを昼前に出発する予定が「あと300グラムだから10分待て」と引き延ばし続け、午後1時半に出発。前日計量のホテルでも駐車場のトイレに5分間こもって計量会場に行ったという。

 原因は強引な減量だ。意図的に脱水症状寸前の状態を作る「水抜き」という手法を使ったとみられ、計量会場では頬がこけて目はうつろという異様な状態だった。

 王者を担当するエディ・ハーン・プロモーターは「慣れない場所でなく宿舎で減量したかった。われわれは日本人と違い時間にルーズだし」と言い訳。マクドネルは計量後、控室に1時間近く籠城して会場を去ったが足取りには力がなかった。

 王者が公式行事に遅刻するのは22日の予備検診から3日連続。25日は、井上の拳に怒りのパワーも上乗せされることは間違いない。 (藤本敏和)

 

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