日本大の大塚吉兵衛学長は25日、アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則を犯した問題を受けて都内の同大本部で記者会見を開いた。

 大塚学長は、内田正人前監督(62)と井上奨コーチ(30)が23日に同所で開いた会見の中で、報道陣と「日大のブランドが落ちる」などと言い合った司会者が、テレビ各局が複数の番組ごとに撮影クルーを送り込んで各番組ごとに独自の映像を撮ろうとしたことに頭に来たため、対応が乱暴になったと説明していると明らかにした。

 23日の会見では、会見の最中に司会を務めた大学関係者が質疑応答を再三、止めようとしたことに対し、報道陣が怒り、言い合いになる場面が繰り返された。司会が「同じ質問が多い」と一蹴しようとすると、報道陣から「あなたの(打ち切り)発言で日大のブランドが落ちますよ!」と怒りの声が飛んだ。それに対し、司会者が淡々と「(ブランドは)落ちません」と答えた。そのやりとりに批判の声が出た一方で、報道陣の質問する内容、姿勢にも疑問の声が出ていた。

 大塚学長は、当日の司会から、対応が乱暴になったことについて「番組ごとに画を撮っている。番組の質問者が説明する画が取りたいんだと」説明があったことを明らかにした。そして「僕は想像でしか言えませんが(司会者は)番組ごとに同じ会社が別な画を撮りたがっている。1社でまとまってくれればという気持ちが強く、同じ局なので3、4つクルーが分かれ、同じ画にしたいことにイラッとしたのでは?」と説明した。

 大塚学長は、その上で「今日も分かりませんがマスコミさん、そうなんですね? ご指摘された通り、マスコミ側の視線からすれば(会見を)シャットアウトで無責任と言うだろうが…いいのか悪いか白黒つけるのは」と苦笑しつつ語った。

 また「態度が悪いという声はあるでしょうが、体調を気遣った面もあり、もう十分じゃないかとあのような態度が出たと感じているところです」とも主張。会見後、心労などで休養と検査目的で緊急入院した内田前監督が当日、点滴を打つなど体調が悪かったことを、当日の司会者が配慮した可能性についても指摘した。【村上幸将】