ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜は、シェフの山形たちが世界中の人たちを料理で幸せにしようと『大日本帝国食菜全席』のレシピを完成させます。所が、このレシピは恐ろしい物で、多くの人たちを不幸のどん底へ突き落とす事になるのです。
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『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』のキャスト
日本で製作されたミステリー映画『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』は、2017年11月3日に日本で上映されました。DVDの収録時間は約126分になります。
監督&脚本&原作&企画
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜を製作した方たちの中には、多くのアイドルグループをプロデュースしている秋山康さんが参加しています。
- 監督:滝田洋二郎
- 脚本:林民夫
- 原作:田中経一
- 企画:秋元康
登場人物と役者
麒麟の舌を持つ佐々木が、幻のレシピを復活させる映画『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』に登場した人物や役者さんたちを紹介します。
- 佐々木充/一度食べた料理を再現できる料理人(演:二宮和也)
- 柳沢健/佐々木の親友(演:綾野剛)
- 楊晴明/破格の報酬で佐々木に仕事を依頼する男(演:笈田ヨシ)
- 山形直太朗/伝説のレシピを作った男(演:西島秀俊)
- 山形千鶴/山形直太朗の妻(演:宮崎あおい)
- 鎌田正太郎/山田直太朗の助手(演:西畑大吾)
- 三宅太蔵/幻のレシピを作るように命じた軍人(演:竹野内豊)
『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』のストーリー
児童施設『すずらん』で育った柳沢は、大事な園長先生が亡くなってしまったので、葬儀に参列していました。所が、同じ施設で育ったはずの佐々木が来ないので、電話をかけます。所が、電話をかけても、佐々木は「何が?」と言ってきたので、思わず佐々木は「何がじゃねえだろ」と激怒してしまいます。
最後の料理人(起)
柳沢は、とにかく葬儀に来るように言いますが、 佐々木は一方的に電話を切ります。これに柳沢は「何が最後の料理人だよ」と怒りをにじませます。その頃、佐々木は、老夫婦の所へ足を運んでいました。ここでマトモに動けなくなった老夫はどうしても食べたい物がありましたが、その食べ物を提供している店はもうなくなっていました。
そこで、佐々木はバックから素早くコンパクトな料理台に作っていき、料理を始めます。そして、料理をしていったら、老夫婦は「この匂い」とつぶやき、それは老夫婦が大好きだった料理を見事に再現していました。老夫は出来上がった料理を口に入れて「この味だ」と感動しました。
老婦はバルコニーへ出て、料理を再現してくれた事について、お礼を言います。しかし佐々木は「依頼をされて料理を作る。ただ、それだけなんです、約束の物を」と冷淡につぶやきます。そこで佐々木は報酬の100万円を手にします。
冷徹な料理人(承)
佐々木が、ここまで金に固執するのは、かつて料理に妥協をしないで、自分が経営していたお店をつぶした事があったからです。なぜ、妥協しないだけでつぶれてしまったのかと言えば、自分が満足できる料理ができなければ、シェフたちに何回も料理を作り直させたり、お客を帰したりしたからです。
そんな傲慢にも思える佐々木についていける者は少なくて、最後まで一緒に働いてくれたのは柳沢だけでした。そんな佐々木は、かつて料理人を目指そうとした時には、すずらんの園長先生に顔を叩かれて「何で料理人なんだ?そんなもんで生きていける訳ないだろ」と反対された経験があったのです。
佐々木が、そのほろ苦い経験を思い返していた時に、電話が、かかってきました。それは破格の報酬で、北京で仕事をしてくれないかという話でした。そこで北京まで行ってみたら、中国の凄腕の料理人である楊晴明から「満漢全席を凌ぐ『大日本帝国食菜全席』というレシピを作って欲しい」と依頼されました。
大日本帝国食菜全席を追いかける旅(転)
大日本帝国食菜全席のレシピは、かつて楊晴明が山形直太朗と手を組んで、作った物でしたが何者かに書き換えられたというのです。そこで、佐々木は幻のレシピを作り上げるために、まずは山形直太朗が、たどっていった足跡を調べる旅にでかけます。
そして、佐々木は山形直太朗の助手を務めていた鎌田正太郎がいる場所をつきとめます。鎌田正太郎は「ここにはレシピはないが」と断った上で、レシピが作られていった経緯を説明していきました。それは、大日本帝国陸軍の三宅太蔵が、天皇が満州国に巡幸した時に最高の料理を振舞って欲しいと山形直太朗に依頼した事がキッカケでした。
しかも、その料理は世界でも名高い『満漢全席』を超える物でなければいけなかったのです。三宅太蔵から最高の設備と人材を用意していました。そこで山形直太朗は、楊晴明と出会って、助手の鎌田正太郎と共に料理を作る事になります。しかし、山形直太朗も料理に妥協しない人間で、料理人たちに何度も料理を作り直させました。
人を不幸にするレシピ(結)
山形直太朗と料理人たちの間には、いつ亀裂が生じてもおかしくなかったのですが、直太朗の妻である千鶴が料理人たちを励ましてくれました。さらに夫が料理をしている姿を写真撮影して、それをレシピに貼っていく事によって、料理人たちは作りやすくなっていき、山形直太朗の期待に応えられるようになります。
所が、山形千鶴は女の子を出産した後に重体に陥って、この世を去ってしまいます。そんな時でも山形直太朗は料理を作ろうとするので、厨房の奥で働いていた鈴木に「こんな時(妻が亡くなった時)にも料理ですか」と絶句されます。そして鈴木は息子をかかえて「あれは人を不幸にするレシピだ、呪われたレシピだ」と吐き捨てました。
そんな必死の思いで、レシピは順調に完成に向かっていきましたが、三宅太蔵からある謀略を聞かされます。それを聞いた山形直太朗は、楊晴明に怒って「お前は中国共産党のスパイだったんだな」と怒って追放します。それからも山形のレシピは多くの人を不幸にしますが、佐々木は思いがけない結末を知って涙を流す事になるのです。
『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』の豆知識
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜では、あまり聞きなれない言葉も登場するので、あまり理解できない方もいるかもしれません。そこで、この映画に関係する情報を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。
中国が誇る『満漢全席』
この映画に登場する『満漢全席』とは名前の通りで、満州族と漢民族の料理を融合させたものです。日本は大和民族が多くをしめている国家体制なので、日本人には想像がつかないかもしれませんが、中国には多くの民族が住んでいます。
多くの人口を誇るのは漢民族で、三国志で有名な曹操・孫権・劉備たちは漢民族です(孫権は青い目をしていた事から他民族の血が混じっているという説があります)。そして中国には清王朝の時代がありましたが、この王朝を打ち立てたのは漢民族ではなく、満州族です。
しかし満州族は数が少ないので、漢民族の顔も立てなくてはいけないという時代背景があり、満州族と漢民族の料理を融合させた『満漢全席』が作られました。
麒麟の舌
麒麟の舌とは、一度食べた物の味を忘れないという意味で、音楽で言えば絶対音感とも呼べる素晴らしい才能です。山形直太朗や佐々木充は、二人とも麒麟の舌を持っていたので、一度食べた物を再現する事ができました。所が、この麒麟の舌が、この映画のクライマックスに大きく関係する事になります。
『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』の感想
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜は、料理を振る舞う映画なので、ヒューマンドラマのはずなのに、なぜミステリー映画なのだろうかと思いましたが、幻のレシピを作るための旅をするので、納得ができました。そのような謎を追い求める映画を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』の残念な所
結論から言わせてもらえれば、この映画はタイトルで大きく損をしていると思います。なぜなら、私はこの映画を見る前は「面白くなさそうだなぁ」と思ってしまいました。しかし豪華なキャスト陣や、新作という事もあって、度胸試しで見る事にしたのです。
そうしたら、意外なストーリー展開やラストシーンで、想像以上に面白かったのです。 実際に、このタイトルでは料理に興味のある人しか見ない可能性が高いので、もう少しタイトルを工夫したら、さらに多くの話題を集める事ができたのではないでしょうか?
『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』の見所
山形直太朗は、自分が作ったレシピが人を不幸にすると思って、他人にレシピを預ける事になってしまいます。そのため、佐々木はさらに様々な人へ会いにいきますが、それも仕組まれた謀略だったのです。
ネタバレになるので、多くは語れませんが、山形直太朗を取り巻く人々と、佐々木充は大きな接点がありました。その人々のお陰で、佐々木は幻のレシピにたどりつく事ができますが、そのラストシーンでは多くの人たちが感きわまる結末が待っていたので「そういう事だったのか」と思わず納得してしまいました。
このように意外なストーリーが展開されるので、料理を扱った映画に興味がない方でも、十分に感動できる内容になっています。そして、豪華なキャスト陣も大きな見所でしたし、二宮和也さんの少し突っ張った演技はハマり役で満足できるものでした。