ケーブルテレビはオワコン化しつつあるということでしょうか……?
長い間、アメリカのケーブルテレビ最大手Comcast(コムキャスト)が市場価値トップを爆走していました。ですが最近、徐々にその勢いが落ちはじめ、代わりにNetflix(ネットフリックス)があがってきており、熾烈な争いが繰り広げられています。
そして5月23日(水)、Bloombergによると、NetflixがComcastの時価総額を超えたのです。そのときのNetflixの時価総額は1,490億(約16兆3,673億円)で、Comcastは1,470億ドル(約16兆1,476億円)でした。
実はこの逆転劇は初めてのことではなく、今月で2度目のこと。その後Comcastがまた返り咲き、それから少し差が開いたものの…Netflixの猛追で抜かれてしまいました。
Comcastは1963年に設立され、長い歴史があります。いくつもの専門チャンネルを運営するなかで、電話会社AT&Tのケーブルテレビ部門とブロードバンド部門を買収し、ネット接続のプロバイダーとしても手を広げ、NBCユニバーサルも取り込み地上波の番組やユニバーサルスタジオもその手中に。アメリカのエンタメ業界で幅広く君臨している絶対王者のような存在なのですが……盛者必衰とはまさにこのこと、という気がします。
実はその猛追にはきっかけがあるんです。それはバラク・オバマ前大統領と、ミシェル夫人がNetflixと番組契約を結んだから。その影響がこうして現れた、というわけなのです。
知らない人が聞くと、ComcastもNetflixも、一見するとどちらも映像コンテンツを流すテレビチャンネルのようなもの。ですが、契約者が視聴するケーブルテレビと、インターネットで見るオンデマンド配信というのは、形式から見るとまったく別のメディアです。今年は、目に見えて歴史的なメディアの転換期になるのかもしれません。
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Source: Bloomberg, Wikipedia
(岡本玄介)