どうも墨汁(@bokujyuumai)です。イーサリアム価格は8万円を回復し、ビットコイン建てでは0.083BTCを推移しています。本稿ではイーサリアム価格についてファンダメンタルを中心に分析を行いました。
ファンダメンタルズ分析
仮想通貨全体の時価総額を確認すると、全体の価格下落を記録した4月を底に順調に回復していたものの、ビットコインの10,000ドルを回復しきれなかったことからの下落により調整での下落を記録しています。例年の傾向から5月後半から6月にかけて大きく高騰する時期ではありますが、時価総額全体はソーサートップを形成しはじめているため注意が必要です。
ビットコインのドミナンス
現在の対アルトコインのドミナンスを確認すると、ビットコインのドミナンスがこの1年にかけて大幅に上値を切り下げており、典型的な下降三角を形成していることがわかります。対してイーサリアムのドミナンスは白線のマイナーコインと対象的に増えており、直近で0.023BTCという最低価格を記録した12月と比較し、今回の下落ではドミナンスは下がらなかったことがわかります。
これらはマイニング収益性による価格維持とCasper移行を意識した動きであることが考えられます。マイナーコイン市場は伸びきれなかったことから、2018年はビットコイン価格の安定後(120万~)メジャーアルトコインへの資金流入が考えられるでしょう。
イーサリアムのマイニング収益性
イーサリアムのドミナンスが切り上がったのは単純にマイニング収益性の法則から説明できるでしょう。イーサリアム価格の上昇の兆しが出た記事で説明したように、マイニング収益性も同様のトレンドを繰り返す傾向が強いです。
現在の段階としては一時収益性の調整(マイナス収益でも掘り続けたマイナーによる一部利確)段階とみられ、RX470 4GB 24MH/sと仮定し1GPUにつき収益率が約1.2ドル前後を1ヶ月ほど推移すると見られます。つまり7-8万円を底にイーサリアム価格は推移するのではないかと考えられるでしょう。
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トランザクション数と価格の関係性
イーサリアム価格をファンダメンタルズ分析する際に有効な指標の一つとしてトランザクション数が上げられます。去年の記事で紹介した「イーサリアム、高騰の原因は何だったのか?」 実利用に比例した価格推移というものがあります。
イーサリアムはビットコインの1ブロック約10分という生成時間に対してイーサリアムはアンクルチェーンを破棄しないGHOSTプロトコルを使用することにより、約15秒というブロック生成の速さを提供しています。これは単純にビットコインの40倍の速さで送金できることであり、送金手数料が安いというメリットがあるため、スマートコントラクトとして使用されるのとほぼ同量の47%が単純な送金として使用されています
これらの送金需要が強い場合には使用者がマーケットメイカーの役割を果たし、極端な売却による下落などによる影響は少なく価格は安定する傾向にあります。
トランザクションチャートを確認すると価格上昇と下落に綺麗に連動していることがわかります。現時点では75万件を推移しており2017年と比較した際は同様に6月に向けて上昇していくであろうことが伺えます。
結論と考察
仮想通貨、特にビットコインとイーサリアムは過去のトレンドをフォローする傾向にあるので、今月末からの動きに注目する必要があるでしょう。イーサリアムは一度上昇トレンドを形成した後には強い傾向があり、価格が安定した後に高騰する傾向が強いです。
ですが最近はビットコイン下落につられやすい傾向があるためここでは控えめの買い目線である必要があるでしょう。長期的にみると上値が切り下がり、マイニング収益性の法則から下値も同様に切り上がっており収束しています。ここでEIP-1011を考慮すると売り圧の減少から上抜けし、BTC建てで最高価格を記録する可能性が高いと考えられるでしょう。