医師の働き方改革、「慎重な検討を」
全自病が厚労省などに要望
要望書の内容について説明する邉見会長(24日、東京都内)
全国自治体病院協議会(全自病)の邉見公雄会長は24日の記者会見で、全国自治体病院開設者協議会と共同でまとめた要望書を、厚生労働省などに提出したことを明らかにした。医師の働き方改革について、医師への時間外労働の上限規制が地域医療の崩壊につながらないよう、慎重な検討を求めている。【松村秀士】
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要望書は、15日に厚労省や文部科学省、総務省に提出された。その中で、国が医師の働き方改革について検討する際は、医師の応召義務と労働量規制との関係についての十分な議論と整理が不可欠だと強調。また、時間外労働規制の課題をクリアするための医師らの増員は「実現が困難」と指摘している。
その上で、厚労省の検討会などで医師の働き方改革について議論する際は、「慎重な検討」を行うよう要望。さらに、国が医療機関に対して労働時間に関する指導を行う場合、病院で働く医師の勤務実態などを十分に考慮すべきだとの考えも示している。
医師の働き方改革をめぐっては、厚労省の検討会の会合が6月末ごろに再開される見通しで、今後、医師への時間外労働規制の在り方などの議論が本格化する。
■開業規制と診療科ごとの医師数規制の導入検討を
要望書には、医師の地域偏在や診療科偏在の解消に関する提言も盛り込まれた。医師の需給調整に必要な開業規制と診療科ごとの医師数の規制の導入を検討し、専門医数の制限や医師不足地域で一定期間勤務することを義務付け、医療提供体制の「均てん化」施策を早急に実行することを求めている。
また、医師不足を解消するため、女性の医師が出産や子育てなどで休職した後、医療現場に復帰できる「働きやすい環境」の整備も必要だとしている。
■医師の偏在対策などで日医と懇談
邉見会長は会見で、「医師の働き方改革」や「医師の偏在対策」をテーマに、日本医師会と懇談したことを明らかにした。今後も年に2回程度、意見交換する予定だという。
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