ある学生が、先生から「ピロリジンを注文しといて」と言われた。学生は早速、試薬会社のカタログを広げて「Pi〜」から始まるところを探してみたが、ピロリジンが見当たらなかった。その近くを探してみると「Piperidine」という試薬が見つかった。学生は「先生も試薬の名前を間違えて覚えてることもあるわなあ」と、微笑ましく思いながら、注文を終えた。 数日後、届いた試薬を見た先生が「ピロリジンを注文せえへんかったんやな」と言いながら、学生に試薬を渡した。それを聞いて不安にかられた学生がもう一度カタログを見ると、「Py〜」のところに、「Pyrrolidine」という名前を見つけたのであった。 ピロリジンとピペリジン程度の違いならば、それほど反応性に違いが出ないかもしれませんが、場合によっては構造が全く違っていて、危険を伴うこともあります。試薬の名前はきっちり確認するようにしましょうね。 |
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