【5月24日 時事通信社】北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場を廃棄する作業は24日、「秒読み」段階に入ったもようだ。北朝鮮当局は廃棄式典に米英と中国、ロシアの記者団を招き、保留していた韓国メディアの取材も直前に許可。6月12日開催予定の米朝首脳会談を前に、非核化実現に向けた意思を強調し、「透明性」をアピールする狙いがあるとみられる。

 ただ、当初、招待すると表明していた専門家は含まれておらず、爆破による閉鎖で核開発の実態解明が難しくなるといった疑念も根強い。

 金正恩朝鮮労働党委員長は4月の党中央委員会総会で、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線を転換し、「経済建設に総力を集中する」方針を表明、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射中止、核実験場廃棄を決定した。

 北朝鮮外務省は、廃棄式典を23~25日の間に、気象条件を考慮しながら行うと発表。すべての坑道を爆破し、入り口を完全にふさいで地上の観測施設などを撤去。研究員や警備要員も撤収させ、核実験場周辺を「完全閉鎖」するという。(c)時事通信社