働き方改革、労働生産性アップという言葉が日常化してきた感があります。時短を実現するために、ITを利用しながら作業効率アップができないか、ということは、多くの人の悩みの種でしょう。管理職やリーダー役の人は、マネジメントをどうしていくのか、というのは喫緊の課題でもあります。
そんな中、私も「できない部下をできるようにするにはどうすればいいでしょうか?」というご質問を受けることが多くなってきました。お金儲けの代名詞となっている華僑流で、なんとかできないものか、ということを期待されているのでしょう。
まず一般論でお伝えすると
- 欧米の組織では、レベルの低い社員を切り捨てます
- 日本の組織では、全員のレベルアップを目指します
- 華僑の組織では、チームのレベルアップをさせようとします
この一般論は、ある華僑の分析ですが、私はアメリカ系企業、日本企業で働いたことがあり、華僑たちの会社構造を見ても的を射ていると思います。
法的な規制もあり、日本の会社組織は欧米に比べ、簡単に解雇できないという理由があり、できない人も教育して、なんとか戦力にするべきという考え方が根づいています。このできない人も教育し、戦力にしていくというのが日本のリーダーや管理職の課題、ひいては悩みになっています。
華僑は、できない人を解雇しようともしませんし、できない人を躍起になって教育しようともしません。華僑の師はそれを次のように説明します。
「できる人がいれば、できない人もいる。頑張る人がいれば、サボる人もいる。陰があるから陽が存在できるし、陽があるから陰が存在する。それが自然の摂理です。
表があるのは裏があるから。右側があるのは左側があるから。上があるのは下があるから。全て同じですね。中国では古来から『陰陽燮理(いんようしょうり)』といって、トップを補佐する立場のリーダーの役目は、陰陽の調和を図ることとされていたのです。つまり個人個人をどうするかより全体を調和させて、トータルでよくする。それがチームリーダーの仕事です」
トップを補佐する立場のリーダーとは、まさに日本企業でいうところの管理職が当てはまります。
チームを操る=空気を操る
うまく組織を回していくという視座から捉えた場合、チームリーダーや管理職に必要なのは、部下を個別に操るよりチーム全体を操るという意識です。
チームを操るにあたって、一つのキーワードとなるのが「空気」です。だらけた空気、思ったことが言えない空気、他人に無関心な空気、悪い空気はメンバーの調和を乱し、チームとしての成長を妨げます。
チームに悪い空気が覆っている場合、空気を操り、いい空気に入れ替える必要があります。ですが空気を操ろうとしている思惑を部下に気づかれてはいけません。部下に作為を感じさせると、空気を読まなければならない空気となり、本来やるべきことが遂行しにくくなります。
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