※本稿は「プレジデント」(2018年1月29日号)の特集「24時間の使い方」の掲載記事を再編集したものです。
金融機関に勧められるまま購入すると失敗する
時間に追われるビジネスマンは、短い時間で効率的に儲けたがる傾向がある。しかし投資で成功するのは時間がかかるものだ。
プロに運用を任せる投資信託は、効率よく稼げるイメージがあるかもしれない。しかし現在、日本国内の投資信託のファンドは6100本超ある。ここから「どこの金融機関がどんな商品を運用し、どれだけのリターンがあるのか」を調べ、儲かるファンドを選ぶのは難易度が高い。
投資信託の中でも、市場平均と連動するインデックスファンドはどうだろうか。この数年、アベノミクスで相場が上がったため、時間さえかければ儲かる印象が強く、根強い人気がある。しかしこれから人口減少期を迎える日本経済がずっと伸びていくとはかぎらない。
一方、世界経済は成長を続けており、GDPは毎年3~4%増えている。もしインデックスファンドに希望を託すのであれば、世界の先進国の株価に連動したファンドを選んだほうがいいだろう。MSCIコクサイという代表的なファンドは、1994年から20年かけて、ITバブルの崩壊やリーマンショックの荒波を超え、約8%のリターンを上げている。確実に資産を増やすには、現時点では無難な商品といえる。
インデックスファンドを指標に、+αのリターンを狙うアクティブファンドは、成長性を狙って銘柄指定をしているため、当たり外れも大きい。金融機関に勧められるまま購入すると失敗する可能性は高いだろう。