MSIを通じて感じた情勢の変化②
前回の記事に引き続き、2018年のMSIを通じて感じた情勢の変化について、今回はワイルドカード地域がグループステージ出場を掛けて争うプレイインステージについて振り返ります。
プレイインテージの振り返り
グループA:
LLN Rainbow7 - 北ラテンアメリカ(LAN)
LCL Gambit Esports - ロシアを含む独立国家共同体(CIS)
CLS Kaos Latin Gamers - 南ラテンアメリカ(LAS)
GPL Ascension Gaming - 東南アジア(SEA)
グループB:
CBLOL KaBum! e-Sports - ブラジル(BR)
TCL BAUSuperMassive - トルコ(TUR)
OPL Dire Wolves - オセアニア(OCE)
LJL PENTAGRAM - 日本(JPN)
今年のMSIも前回大会と同様、プレイインテージ、グループステージ、ノックアウトステージの3ステージで構成されていました。
プレイインテージはワイルドカード地域から8チームが2つのグループに振り分けられ、各グループの上位1チームのみがラウンド2に進出し、ベトナムVCS地域代表EvosSportもしくは台湾・香港・マカオLMS地域代表FlashWolvesと戦うこととなりました。
Aグループは想像を超えるキルゲームに
組み合わせ表を見た瞬間に予想が出来たという方もいるかもしれませんが、ラテンアメリカ、CIS、東南アジアの各地域はマクロよりミクロ、終盤戦より序盤戦に特化した傾向がある地域です。1分1killペースで多くの試合は進み、激しい試合でTwitchでの公式配信は盛り上がりを見せていました。
感想としてJGのプレイが勝敗を分けた試合が多かったように思います。各レーナーの印象として、全体的にLCK、LPL等の強豪地域と比較するとガンクに対して注意を払っていなかったように思います。Killを取られてもKillで取り返せば良いと考えている為なのかも知れませんが、その結果として序盤から中盤までガンクにより大量のkillが生まれています。中盤から後半にかけてもドラゴンやバロンのオブジェクトに絡む際はチームゴールド差に関わらず集団戦が起きており、集団戦のリプレイ映像が終わるとまた集団戦を行っているという繰り返しが起こっていたことがとても印象深く残っています。
キルゲームは一般的に試合が短くなるので、平均時間は26分と国際大会のプロシーンとしては短い結果となりました。
グループAの勝者はLCL地域代表Gambit e-sport
Gambit e-sportがグループAを通過できた大きな要因はmidのKiraの高いプレイスキルに寄るものだと考えています。ガンクが大量に起こる試合展開に対して、アニビアを始めとするガンク耐性の高いチャンプを選ぶこと、自身の高いハンドスキルで回避を行うだけでなく、積極的にレーンでの1v1を仕掛けキルを生み出していました。Kiraにフォーカスを行いましたがadcのLodikを始めとして全プレーヤーがAグループの中で高い存在感を出していた事は間違いありません。
ですが、Aグループはキルゲームの混戦だったので、もう一度同じ組み合わせで戦うとしてらGambit意外のチームが勝ち残るかも知れないと個人的には思っています。
グループBの勝者はTUR地域代表BAUSuperMassive
グループAと比べ、グループBはキルゲームになっていたわけでありませんでしたが、チーム間の力量差が大きく、結果としてレイトゲームにまで突入することは多くありませんでした。大方の予想ではKaBum! e-sportが優勢だと考えられていましたが、midのGBM、botのZeinot、SnowFlowerのレベルが高くKabumを含め他のチームを圧倒していた用に思います。SnowFlowrのスレッシュ、凄かったですね。
LJL代表Pentagramについて
LJL 代表Pentagramについては全体を通して1-5と低調な結果として終わっています。ただ、公式配信を見ていましたが、Dara選手の在留カード問題に対する批判コメントで溢れており、選手のメンタル面はかなり悪かったのではないかと考えています。チームの運営の問題であり、選手は悪くないのではないかと個人的には思いますが、LOLのファンとしては複雑な感覚です。また、問題と関係なく日本のレベルが低いことを各地域のコメンテーターから指摘されています。一番多く上がる指摘は「マクロ面の実力が伴わないのにLCKの戦い方を模倣している」という内容です。
おわりに
プレイインテージに出場していた各チームは持ち味を生かして高い水準の試合を見せてくれましたが、Pentagramの試合に魅力を感じることは出来ませんでした。このままでは各地域との差は広がっていくばかりだと残念に思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました。