Ubuntu Weekly Recipe

第520回 Ubuntu 18.04 LTSの日本語入力

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

今回はUbuntu 18.04 LTSやそのフレーバーに関する日本語入力関連の注意点をお知らせします。

16.04 LTSからのアップグレードとフレーバー

Ubuntu 17.10のサポート期間は7月までなので,18.04 LTSへのアップグレードをそろそろ行うべき時期に来ています。インプットメソッドに限定すると,17.10から18.04 LTSへのアップグレードで考慮すべきことは特にありません。

ただし16.04 LTSから18.04 LTSへのアップグレードだと話が変わってきます。なにせ2年分の乖離があるので,注意点も多いです。そのうちの一つはFcitxからIBusへの(再)移行です。また,それでもFcitxを使用したいというニーズもあるでしょう。

フレーバーに関しては,インプットメソッドの問題はあまり多くないのですが,気になったものを2つピックアップしました。

では具体的に見ていきましょう。

Ubuntu

18.04 LTSログイン直後の初回設定

18.04 LTSは17.10から引き続きGNOME Shellを採用しています。よってインプットメソッドはGNOME Shellと統合されているIBusですが,半角/全角キー(日本語キーボードの場合)を押してもひらがなが入力できるようになるわけではないので初見者には厳しいものになっています。

ひらがなを入力できるようにするためには,右上の「ja▼」をクリックし図1)⁠⁠日本語 (Mozc)」をクリックします。原則として以後ここを変更することはないので,本当に最初だけです。

図1 ログイン直後に確認するところ

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なお,先日リリースされた18.04 LTS 日本語Remixを使用すると,自動的に「日本語 (Mozc)」が選択されるので特に気にすることはありません。

16.04 LTSからのアップグレード

16.04 LTSからのアップグレード告知はまだ始まっていませんが※1)⁠事前の注意点としてはアップグレードを行った場合に日本語入力ができるようにはなりません。これは必要なパッケージである「ibus-mozc」がインストールされていないからです。

※1
7月26日予定の18.04.1リリース以降にアップグレード告知が開始するものと思われます。

この問題を解消しましょう。GUIで設定する場合は,⁠設定」「地域と言語」を開き図2)⁠⁠インストールされている言語の管理」をクリックします。すると「言語サポートが完全にはインストールされていません」というダイアログが表示されるので図3)⁠⁠インストール」をクリックして完了するまで待ちます。

インストール完了後一旦ログアウトして再ログインし,⁠設定」「地域と言語」を開いて「入力ソース」のところにある「+」をクリックします図2)⁠⁠入力ソースの追加」というダイアログが表示されるので「日本語」をクリックします図4)⁠⁠日本語 (Mozc)」があるのでこれを選択して右上の「追加」をクリックします図5)⁠あとは右上のキーボードレイアウトアイコンをクリックして「日本語 (Mozc)」を選択します図1)⁠

図2 ⁠設定」「地域と言語」

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図3 ⁠言語サポート」を起動したところ

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図4 ⁠日本語」を選択する

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図5 ⁠日本語 (Mozc)」を選択して「追加」をクリック

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端末から実行する場合は次のコマンドを入力してください。

$ sudo apt install ibus-mozc
$ ibus restart
$ gsettings set org.gnome.desktop.input-sources sources "[('xkb', 'jp'), ('ibus', 'mozc-jp')]"

右上のキーボードレイアウトアイコンをクリックして「日本語 (Mozc)」を選択する図1のはこちらの方法でも同じです。

また,アップグレードの場合はNoto Sans/Serif CJK JPフォントも一部しかインストールされていないので,全部のウェイト(文字の太さ)を使用したい場合もこの方法で対応できます。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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