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逃走の男、犬山で複数目撃 勤務先元同僚と会話も

 名古屋市守山区大森北2、国立病院機構「東尾張病院」から22日夜、鑑定留置のため入院していた男が逃走した事件で、愛知県警は23日、同市西区浮野町、会社員小倉泰裕(やすひろ)容疑者(57)と発表し、逃走容疑で指名手配して行方を追っている。23日早朝、病院から約20キロ離れた同県犬山市で複数の目撃情報があった。

 小倉容疑者が勤めていた犬山市の工作機械製造会社の関係者によると、社員が同日午前5時すぎ、車で会社近くのコンビニに行ったところ、容疑者が近づいてきた。社員は逃走していることを知らず、窓越しに「どうしているのか」と聞くと、容疑者は「今は西区にいる。ある人と会ってお金を借りる」などと答えた。小倉容疑者は2013年12月から契約社員として勤め、部品の塗装などをしていた。目立った問題行動などはなかったという。

 また、捜査関係者らによると、同じころ、このコンビニで、小倉容疑者に似た男が公衆電話を使っていたという情報があったほか、5時40分ごろには、コンビニから約100メートル離れた路上で自転車に乗っている容疑者とみられる人物が防犯カメラに写っていた。

 県警によると、小倉容疑者は2月15日、名古屋市緑区の元妻宅に放火した現住建造物等放火容疑で逮捕された後、3月上旬から3カ月間の予定で東尾張病院に移された。身長167センチでやせ形、短髪の黒髪。長袖、長ズボン姿だった。

 病院などによると、病棟2階にある比較的症状の重い患者が入る「準保護室」と呼ばれる個室に収容されていた。22日午後9時15分ごろ、外に面した腰高窓を大きく開けた際に作動するアラームが作動したため、職員が病室に行ったが姿がなく、110番した。監視カメラに、病院の建物とフェンスの間を歩く姿が写っていた。

 ひさしの上を外壁伝いに移動し、垂直に設置された雨水管を伝って地上に降りたとみられる。付近にロープ状につなぎ合わせた衣服が残されていた。その後、高さ3・5メートルのフェンスを乗り越えて逃げたらしい。

 東尾張病院は精神科治療の患者の医療施設。病室の腰高窓は換気のため横に約10センチだけ開閉できるが、さらに開けようとするとアラームが作動する仕組み。廊下に通じる扉は内側から開けられない。病院関係者によると、これまで小倉容疑者に暴れたり、逃げ出したりする様子はなかった。

 病院は県森林公園の西側で、近くに東名高速守山スマートインターチェンジや名鉄瀬戸線印場駅などがあり、周辺は住宅やショッピングセンターが立ち並ぶ。

(中日新聞)

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