息子の学校公開があったので参加してきた。
その中で我が息子ながら危ういなと感じることが何度かあった。
小学校二年生ともなると一年生の頃に比べれば全体的にずいぶんと授業らしい形になっていた。
しかし、息子はその中でも一番落ち着きがないことがわかった。
立ち歩いてしまうことはなかったが、椅子の上に正座してみたりその場で立ち上がったりしてしまうことが多々あった。
家でも感じていたことだが、情報を一つ得るとそこから妄想が始まってしまい、周囲に関係のないことを突然口に出してしまうこともあった。
それだけで学級崩壊が起こるようなことはないのだが、問題は周囲との関係だった。
息子がそうしてマイペースに何かを行動すると、必ず決まって一緒に騒いでしまう生徒が数名いることに気づいた。
その生徒たちは明らかに目立ちたがり屋で、教師にちょっと注意される程度ならばむしろさらに騒いでしまうような状況だった。
そこに加えて、そうして騒ぐ生徒に対して必ず注意をしてしまう優等生タイプの生徒もいて、目立ちたがり屋の生徒と口論になってしまうような状況も何度か見られた。
しかし当の息子はすでに別のことに興味が行っていて、その騒ぎに乗じるようなことはなかった。
その結果、息子は咎められることなく、目立ちたがり屋と優等生タイプの生徒が教師に怒られてその場が収まるというようなことが繰り返されていた。
マイペースでありながらそのひょうきんさによってどうやらクラスでは人気者的な側面もあるらしく、理解力もないわけではないので成績はむしろ良い方だった。
そのためか周囲が息子を問題視しているような様子は見られないのだが、しかし、騒ぎが起こる度に、そのきっかけを作っているのは紛れもない我が息子だということは明確だった。
息子が火種でありながら、結局は騒ぎを起こした周囲を怒るしかないことに教師も気づいているのだろう。
授業の終わりに息子の父親であることを名乗った上で、普段の息子の様子を聞いてみることにした。
するとしばらく言葉を選ぶような沈黙の後、「個性的な息子さんですね」とだけいって、忙しそうにその場を後にしてしまった。
その類の言葉が褒める言葉が見つからないときに使われる言葉だということはすでに世の中の常識である。
教師も生徒ともに成長する必要があるのだろう。息子にはしばらくこのままで伸び伸びと育ってもらうことにしようと感じた一日だった。
最後の一文はネタだよな?