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二輪ルマン初V 北区の企業、3人喜び報告

オートバイのルマン24時間耐久レースの優勝を報告した(前列左から)松永星さん、上野翔平さん、関口登史さん。後ろには優勝トロフィーも=浜松市北区細江町のエフ・シー・シー本社で

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 オートバイのルマン二十四時間耐久レース(二十一、二十二日、フランス・ルマン)で初優勝した「F.C.C. TSRホンダフランス」をチームスタッフとして支えたクラッチメーカー「エフ・シー・シー」の社員三人が二十四日、浜松市北区細江町の同社本社で優勝を報告した。四十年の歴史があるこのレースで日本国籍チームが優勝したのは初めて。

 チームは参戦三年目。快挙を遂げた三人は松永星さん(32)、上野翔平さん(29)、関口登史(たかし)さん(25)。この日、フランスから中部国際空港(愛知県常滑市)に到着し、本社へ急行。出迎えた社員から花束を受け取った。

 ピットでの給油作業などに当たった松永さんは「この優勝は泣けた。二〇一一年に鈴鹿八耐(八時間耐久)で優勝したが、ここ数年は勝てずに苦しかった。日の丸が揚がった表彰式では君が代を関口君と歌った」と明かした。スタッフ歴五年の上野さんは「自身二度目のルマンでこんな結果を出せるとは」と感激冷めやらぬ様子。最年少の関口さんは「最後まで勝てるか分からず、喜びより安心の方が強かった」と優勝時の心境を打ち明けた。

 ライダーは、過去にルマン優勝歴があるフレディ・フォーレイらフランス選手二人とオーストラリア選手一人が交代で務めた。ライバルの「GMT94 ヤマハ」が残り約六時間で転倒し、追っていた「F.C.C. TSRホンダフランス」が首位に浮上。前方スクリーンが割れるトラブルはあったが、日本人スタッフの素早い作業でロスを最小限にとどめた。

 松永さんは「ライダーが一秒を詰めるのは大変。僕たちがピットワークで時間を詰め、ライダーを楽にできた」と勝因を挙げた。

 三人は七月の鈴鹿八耐(三重県・鈴鹿サーキット)でも優勝を目指す。

(武藤康弘)

<ルマン24時間耐久レース> 同一シーズンに5戦開催される2輪の世界耐久選手権第2戦。95年の歴史を誇る4輪が有名だが、ショートコース(4・185キロ)を使う2輪は1978年に始まった。「F.C.C. TSRホンダフランス」は初参戦の2016年に3位、昨年は5位。

 

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