ほとんどの方が、家を売る経験は一生に一度あるかないかです。
最初にして最後の経験になるかもしれない家の売却は、失敗したくないと思う人が多いのではないでしょうか。
新築マンションや戸建分譲を購入した人であれば、「家を買う」ときは、販売会社によって手取り足取りのサポートがあったはずです。
ところが、家を売る行為は、まず自ら自発的に行動を起こさなければなりません。
そのためには、家を売るための基礎知識を身に着けておく必要があります。
しかも、その知識は「失敗しないための知識」でないと意味がありませんよね。
そこでこの記事では、初めて家を売る人を対象に、家を上手に売る方法と知識を、一から丁寧にご紹介します。
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1.家を売るための流れ・手続きを知る
1-1.家売却の全体の流れ
家を売る方法を知るには、まず家を売る流れの全体像を知ることが重要です。
家を売る手続きとしては、以下に示す8つのステップがあります。
(1) 売却計画を立てる
売却計画とは、引越時期や買い替え準備等、ある程度の計画を立てることを指します。
住宅ローンの残債が残っている場合は、売却額で返済できるか資金計画も立てる必要があります。返済可能性については、査定結果も考慮して判断します。
また、買い替えを行う場合、売却を先に行う「売り先行」か、購入を先に行う「買い先行」があります。どちらを選択するかも、売却計画で決めていきます。
(2) 査定を行う
売却計画を具体化していくためにも、まず売却予想額を査定する必要があります。査定額によって、ローン残債を返済できるか、もしくは買い替え時の自己資金はどの程度用意すべきかが見えてきます。
査定額がいい加減だと、売却計画に狂いが生じ、売却そのものが上手く行かなくなる可能性があります。
重要なのは一括査定サービスを使い、複数の会社へ査定を依頼することで、売却予想額の客観性を向上させることです。
一括査定サービスについては重要なので、第3章「売却成功のために欠かせない一括査定サイトとは?」で詳しく解説いたします!
(3) 売却の準備をする
査定を取った後は、最初に立てた計画と照らし合わせ、実効性のある計画へと見直します。査定額がローン残債よりも低い場合、この段階で売却を見送るということもあります。
また、土地で境界の明示ができない場合は、測量なども行います。マンションなどで管理費や修繕積立金に滞納部分がある場合は、滞納を解消しておきます。
さらに準備段階でインスペクションと呼ばれる建物状況調査を行っておくこともお勧めします。
インスペクション業者は仲介をしてくれる不動産会社に紹介をしてもらうことが可能です。
インスペクションの費用としては、インスペクション(検査料)が3~4万円程度となります。
インスペクションに合格すれば、瑕疵担保保険に加入することができ、物件を売却しやすくできます。
瑕疵担保保険については、第7章「売買契約」でも解説します。
(4) 選んだ不動産会社と媒介契約を締結する
一括査定サイトで査定を取った後は、不動産会社を選び、媒介契約を結びます。
不動産会社に売買の仲介を依頼する契約のことを媒介契約と言います。
媒介契約については、第4章「不動産会社と締結する媒介契約」で詳しく解説します。
(5) 売却活動を行う
売出価格を決めて、売却活動を開始します。
標準的な売却期間は3ヶ月程度です。
売却において、もっとも重要なのは売出価格の決定です。
高すぎれば売れませんし、安すぎれば損をします。
住宅ローン残債との関係を見る以外に、売出価格の決定にも査定の結果は重要です。
また売主は、購入希望者が物件を見たいと言ってきたときに、内覧対応をするのも仕事です。
特に買い替えで「売り先行」を選択する場合、住みながら売却することになりますので、しっかりと内覧の準備と対応をする必要があります。
(6) 売買契約を締結する
不動産の売買は、売買契約と引渡が別日であることが通常です。
売買契約と引渡の間は、およそ1ヶ月あります。
売買契約では、契約書の読み合わせや設備表の確認、手付金の受領などを行います。
設備表とは、照明器具やインターフォン等の住宅に付随する設備について、故障や不具合などを記載しておく書面です。
(7) 引渡を行う
引渡は、買主から残金の支払いがあり、売主からは鍵を引き渡すことで引渡が終了 します。
また、売主に抵当権が残っており、買主が新たな抵当権を設定する場合は、抵当権の抹消と新たな抵当権の設定、所有権移転登記も同時に行います。
よって売却時には司法書士も立ち会います。
売主は抵当権抹消のための登録免許税と司法書士手数料を用意する必要があります。
司法書士については、不動産会社の方で手配してくれるのが通常です。
(8) 確定申告を行う
不動産を売却した場合、課税譲渡所得が発生した場合には、税金を納めるというのが原則です。
但し、住宅の売却の場合、なるべく税金が発生しないように特例が設けられています。
多くの場合、税金は納めなくても良いのですが、特例を使うにあたっては、確定申告をする必要があります。
税金と確定申告に関しては、第9章「家を売ったときの税金」で詳しく記載しています。
1-2.売却には2種類の方法がある
不動産の売却には、大きく分けて仲介と買取の2種類があります。
仲介とは、不動産会社に買主を探してもらうことを指します。
それに対し、買取とは不動産会社に直接買い取ってもらうことを指します。
買取とは、つまり「下取り」です。ピアノの買取や中古車の買取等と同じです。
買取は不動産会社が転売するための仕入れになります。
そのため、買取は通常の売却よりも価格が安くなってしまいます。
買取は、安くても良いから、とりあえず「即金・即売」を求めている人には向いています。
一方で、仲介は最終消費者へ市場価格で売却します。そのため、売却価格は買取よりも高くなります。
但し、仲介は買主を探す必要があり、売却には一定の時間がかかります。
通常、買主を探索する売却活動期間は3ヶ月程度です。
時間的に余裕を持った売却計画を立てることが重要になります。
売却の全体像が見えてきたところで、次に売却活動の中で最も重要な査定について詳しくご紹介します。
2.査定が必要な理由
いざ、家を売る場合、「なかなか売れない」という問題が発生することがあります。なかなか売れない場合、その原因は「売出価格が高過ぎる」という理由がほとんどです。
売れるか売れないかについては、「適正な値段であれば売れる」というのが結論です。
売主としては、もちろん高く売却したいというのが正直なところです。
住宅ローン残債が残っている人であれば、住宅ローン残債の価格以上で売りたいと思うのは当然です。
但し、売主の事情は買主にとっては全く関係ありません。
八百屋で高く仕入れてしまった果物を、他店よりも高く売りたいと思っても、都合よく売れないのと同じです。
一方で、本来、3,000万円の価値がある物件を、2,000万円のように安く売る必要もありません。
他より安く売り過ぎると、「何か問題でもあるのでは?」と勘繰られます。
下手をすると「まともな買主」が逃げてしまう可能性もあります。
そのため、家を売却するにあたっては、適正価格で売り出すということが成功の鍵 を握ります。
適正価格を知るには査定が必要です。
また、査定を受けることによって、「住宅ローン残債を返済できるか」や、「買い替えで自己資金をどの程度用意できるか」等の資金の計画を具体的に立てることができます。
査定で売却予想額を見極め、資金計画もしっかりと立てましょう。
では、具体的にどのように査定を取ればいいのでしょうか。
そこで次にお金も時間もかけずに効率的に査定を受ける方法についてご紹介します。
3.売却成功のために欠かせない一括査定サービスとは?
あまり知られていないことなのですが、家の査定額というものは、実は不動産会社によって異なります。
時には数百万円の違いが出ることもあります。
それを知らずに、「とりあえず有名な不動産会社に査定してもらおう」と電話をかけ、査定を受ける人も多くいますが、たいていの場合は購入時よりも価格が下がっているため、すんなりとは納得ができず、「他社ならどうなのか?」と気になって他の会社からも査定を受けようとし、査定結果に納得するまで何社にも連絡を取る…というケースがよく見受けられます。
ところが、実際にやってみると、複数の不動産会社に査定を依頼のはとても大きな労力が発生します。
一社ずつ、電話番号を調べて電話し、査定依頼を告げ、物件概要を説明し、アポイントの日程を調整することになります。
担当者が不在で「折り返し電話します」となれば、さらに調整にも時間がかかります。
そこで、複数の不動産会社に査定を依頼するのであれば、最初から一括査定サービス「HOME4U(ホームフォーユー)など」を使うのが、はるかに効率的で便利です。
個別に不動産会社にコンタクトを取らなくても、「所有している不動産の所在地」や「広さ」など1分ほどの簡単な入力で、複数の不動産会社に査定を無料で依頼することができる上、提携企業には大手から地域密着型まで900社もの不動産会社が参画しており、一番高く売ってくれそうな不動産会社や、既に見込み客を抱えている不動産会社がとても見つけやすいという特徴があります。
それに、複数の会社に査定を依頼することは、自分の不動産を客観視できるというメリットがあります。
自分の不動産の価値を客観視できないと、「売出価格を高く設定し過ぎてしまい、なかなか売れない」とか「安く売ってしまい損をする」という事態に陥りかねません。
複数の不動産会社から査定額の提示を受けることで、「この程度なら売れそうだ」と客観視できるのです。
短い時間で手間なく相場感を養いつつ、できるだけ高く売ってくれそうな不動産会社を見つけられるのは、一括査定ならではのメリットなので、ぜひHOME4Uなどを活用して、売却成功の足がかりにしてくださいね。
4.不動産会社と締結する媒介契約
4-1.媒介契約には3種類ある
媒介とは、「仲介・あっせん」という意味です。不動産会社が売主と買主の間に立ち、取引を仲立ちしてくれることを指します。
ここで、不動産会社と締結する媒介契約には、以下の3種類の契約があることを知っておく必要があります。
(1)一般媒介契約
(2)専任媒介契約
(3)専属専任媒介契約
便宜上、専任媒介契約と専属専任媒介契約については、「専任系媒介契約」という言葉で表現します。
一般媒介契約と専任系媒介契約の最も大きな違いは、他の不動産会社に重ねて依頼できるかどうかという点です。
専任系媒介契約を締結すると、一社にしか仲介の依頼をすることができません。一方で、一般媒介契約では、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することが可能です。
不動産の売却は、多くの購入希望者を連れてくることができれば、高く売却できる確率も上がります。
多くの購入希望者を増やすのであれば、複数の不動産会社へ一般媒介によって依頼した方が理にかなっているという考え方もあります。
一方で、専任系媒介契約は不動産会社にとっては顧客を独占できるという大きなメリットがあります。
一見すると、専任系媒介契約にはメリットがなさそうですが、仲介手数料は専任系媒介契約の方が値引きしやすい等のメリットはあります。
以下に、一般媒介契約と専任系媒介契約のメリットとデメリットをまとめます。
(1)購入希望者を多く集めやすく、早く高く売却できる可能性がある。
(2)不動産会社を無理に選ばなくても済む。
(3)複数の不動産会社の競争によって売却価格が決まるため、納得感が得られやすい。
(1)仲介手数料を値引きしにくい。
(2)全くやる気を出さない不動産会社も中にはいる。
(3)同じことを複数の会社に伝える手間が発生する。(例えば「売却を途中で取り止める連絡」等)
(1)仲介手数料の値引きがしやすい。
(2)買い替えで購入物件等、色々な面倒も見てもらいやすい。
(3)売主のわがままを伝えやすい。(例えば「取り壊さずにこのまま住んでもらう人に売りたい」等)
(1)両手仲介(売主と買主の両方から仲介を受けること)となりやすく、値引き交渉を受けやすい。
(2)不動産会社に緊張感が生まれず、売却に時間がかかる可能性がある。
(3)選んだ一社が実はいい加減な不動産会社となる可能性もあり、3ヶ月間拘束される。
仲介手数料を値引きしたいという人は、専任系媒介契約を交換条件として値引くという方法もあります。
但し、一度、契約を締結してしまうと、なかなか仲介手数料を値引く交渉をするのは難しいです。
仲介手数料の値引きは上級編と考えておいた方が良いかもしれません。
4-2.迷ったら一般媒介という選択もある
一般に、不動産の売却は「信頼できる不動産会社を選ぶこと」が重要であると言われます。
確かに間違ってはいませんが、信頼できる不動産会社を選ぶことができるかどうかは別の問題です。
不動産業界に限らず、面談だけで信頼できる委託業者を選ぶということは難しい話 です。
感じの良さそうな営業マンだと思って仕事を依頼したら、全然駄目だったということもありえます。
一括査定を行うと、複数の不動産会社と面談することになります。
しかしながら、それだけで信頼できる不動産会社を見抜くのは、実際には難しいです。
信頼できる不動産会社を選ぶには、少なくとも査定の根拠を提示してもらうことが必要です。
立地や取引時点、単価、面積、築年数等を確認し、きちんと自分の物件と類似した物件ときちんと比較して価格を査定しているのかという視点で不動産会社を見てください。
売買事例は嘘をつきませんので、信頼できる不動産会社を見分ける根拠となります。
査定額についても、高い査定額を出してくれた不動産会社に依頼したくなります。
しかしながら、低めの価格を提示した会社は、お客様の「資金計画が狂わないような保守的な数字」を提示している真面目な会社なのかもしれません。
すると、結局どの不動産会社を選べば良いのか迷います。
ここで、一般媒介契約には「不動産会社を無理に選ばなくても済む」というメリットがありました。
さらに一般媒介契約には、「購入希望者を多く集めやすく、早く高く売却できる可能性がある。」、「複数の不動産会社の競争によって売却価格が決まるため、納得感が得られやすい。」というメリットもあります。
このようなメリットを踏まえれば、あえて一社には絞らず、一般媒介契約を選択するという方法もあります。
一般媒介契約も、専任系媒介契約も、どちらを選んでも売主の意向に沿った動き方をしてくれます。
様々な事情を抱えた売主を対応してきた不動産会社ばかりですので、安心してHOME4Uなどをご利用ください。
では次に、不動産会社に支払う仲介手数料についてご紹介します。
4-3.仲介手数料
売買で不動産会社に支払う手数料は、成功報酬です。
例えば、6社に一般媒介で仲介を依頼しても、支払う手数料は、「良い条件の買主を決めてくれた一社だけ」になります。
つまり、仲介手数料は、専任系媒介契約で一社だけに頼むのと、一般媒介契約で複数社に頼むのも、支払う金額は同じです。
売買契約を成功に導いた一社のみに支払うことになります。
成功報酬ですので、先に手数料や手付金も一切発生しません。
もし、不動産会社が何らかの手数料を要求してきたら、それは宅建業法違反です。
複数の会社に一般媒介契約を行っても、手数料が増えるわけではないので、ご安心ください。
また仲介手数料は、上限も宅地建物取引業法で規定されています。
仲介手数料は、取引金が鵜によって以下のように規定されています。
(1)200万円以下・・・取引額の5%
(2)200万円超から400万円以下・・・取引額の4%+2万円
(3)400万円超・・・取引額の3%+6万円
通常、マイホームであれば、ほとんどの場合、取引金額は400万円超になります。そのため、仲介手数料は3%+6万円です。
仲介手数料には消費税が別途発生しますので、(取引金額×3%+6万円)×1.08が仲介手数料の上限となります。
尚、仲介手数料の規定は、あくまでも「上限」です。この金額を払わなければならないものではありません。不動産会社に致命的な落ち度があった場合などは、交渉の余地があるものと理解しておきましょう。
また仲介手数料は、売買契約時に50%、引渡時に50%を支払うのが一般的です。
では次に家を売るタイミングについて、少しお話しておきます。
5.家を売るタイミング
もし、家を売るタイミングをコントロールできるのであれば、2~3月にかけて売却が決まるように 売却活動をはじめてください。
不動産の売却は、通常、3ヶ月程度かかることを考慮すると、12月~1月にかけて売却活動をスタートさせるのがベストです。
但し、戸建の場合で土地の境界が未確定の場合は、早めに準備することが必要です。
境界の明示は売主の義務です。
境界が明示できない場合には測量期間も考量し、少なくとも半年以上前には測量に着手する必要があります。
日本では、4月に新学期や転勤などの新生活がスタートするため、3月が最も住宅の購入需要が高まります。
新築マンションなどを見てみると、3月竣工の物件がとても多いことに気付きます。
これは3月が一番住宅は売れるため、マンションディベロッパーが竣工時期を3月に合わせているためです。
新築の供給に合わせてしまったら逆に売れないのではないかと思う方もいらっしゃいますが、実はその逆です。
中古住宅は、新築が高すぎて買えない人たちが検討している物件です。
新築を諦めたからといって、住宅購入を諦めているわけではありません。
3月は必要に迫られて購入する人が多く、中古住宅市場も活況を迎えます。
家を売却するのであれば、3月のタイミングを逃さず売却するのがベストです。
では次に本格的な売却活動に話題を移します。売主として売却活動で重要なものは内覧になります。
次章では内覧についてご紹介します。
6.内覧対応
6-1.内覧に向けた準備
チラシを見て物件に興味を持ってくれた人は、「物件を一度見たい」という要望を不動産会社に出します。
中古住宅は数千万円もする買物であるため、チラシだけで購入を決めるということはまずありません。
売主は、一度、購入希望者に物件を見せてあげることが必要です。
購入希望者が物件を見に来ることを「内覧」と言います。
特に、居住しながら物件を売る人は、不動産会社とともに売主が内覧対応をすることが通常です。
買い先行のような場合で、既に引越をしている場合には、鍵を不動産会社に渡して、不動産会社だけに内覧対応をしてもらうこともあります。
内覧が重要となるのは、売り先行の人たちです。
内覧は、物件の印象を左右するため、しっかりと準備をしておく必要があります。
モノがあふれて雑然としている家の人は要注意です。
生活感があふれていると、物件の印象が下がります。
家を綺麗に見せるコツは、モノを捨てることです。
買い先行の人であれば、部屋は「がらんどう」であるため、心配いりません。
売り先行の人は生活しながらの売却のため、モノがどうしてもあふれてしまいます。
いずれにしても、売却で引越をする際は、かなりのモノを捨てるはずです。
遅かれ早かれ捨てるのであれば、売却活動に入る前にモノを捨ててしまうのがお勧めです。
ただ、モノはどうしても捨てられない人もいます。
そのような人は、例えば一時的に実家に預ける、トランクルームに預けるといった対応が良いでしょう。
また、モノを捨てた後は、ハウスクリーニングを依頼するのも一つです。購入希望者は、奥様も一緒に来ることが多いです。
奥様は特にキッチンをよく見ます。ハウスクリーニングを使って、キッチンやバス、トイレ、洗面所と言った水回りを重点的にきれいにするようにしましょう。
内覧時は、小さなお子様やペットがいる場合には、一時的に友人や親せき等に預けておくと、内覧者が落ち着いて見ることができます。
6-2.家を売る理由を考えておく
内覧では、購入希望者に売却理由を聞かれることがあります。
もし、あなたの家を売る理由が、「物件のココが気に入らない」というネガティブなものであれば要注意です。
ある程度、売却理由は別の表現方法を考えておく必要があります。
良くあるのが、交通量の多い道路際に建っているマンションの売却です。
家族の誰かが喘息になってしまったから売却するというような場合があります。
「子供が排気ガスのせいで喘息になったので売却します」と説明してしまうと、なかなか売却ができません。
ただ、購入者も前面道路の交通量はとても気にします。
物件のネガティブな部分は、売却理由として伝えるのではなく、「対処法」を教えてあげるのが良い です。
「洗濯物は中で干した方が良いですよ」とか、「16:00以降は交通量が増えるので窓は閉めた方が良いですよ」等々の前居住者ならではの役立つ対処法です。
西日がきつい西向きの部屋も、「夏は暑くてたまりません」ではなく、「ここにヨシズをひっかけることができますよ」等々の対処法を教えてあげましょう。
ネガティブな部分は、売却理由とするのではなく、対処法や知恵に代えて伝えてあげるのが親切です。
尚、響きの良い売却理由や対処法については、不動産会社もたくさん知っています。
迷った場合は、不動産会社にアドバイスをもらうのも一つです。
6-3.内覧当日の対応
内覧当日は、購入希望者を「おもてなし」する心構えが重要です。
購入希望者が来る前には、部屋の空気は全部入れ替えておき、電気も全部屋付けておきます。
内覧では、人数分のスリッパは必ず用意してください。
特に、フローリングの家は、スリッパは必須です。
冬場などは足から体温が奪われ、内覧が終わった後、購入希望者が体調を崩してしまうようなこともあります。
また、小さなお子様がいる場合、お子様はご主人と外で待機させておくことが無難です。
内覧は売主の奥様が対応することをお勧めします。
ただ、奥様一人での対応が不安な場合は、お子様はどこかに預けて、ご主人と一緒に対応してください。
奥様であれば、地域の食品スーパーや病院、塾等の評判も良くご存知です。
購入希望者の奥様に、地域のお役立ち情報を提供すれば、心象が良くなります。
実際の売買では、「売主さんが親切な人だから」という理由で購入を決める人もいます。
このような売買になれば、内覧対応として100点満点です。
尚、こだわりの条件が強い人に関しては、内覧対応が良くでも決まらないことが良くあります。
内覧に来る人は、物件を何個か検討していることが通常であるため、自分たちが求める条件に合わなければ、売主の対応が完璧でも購入はしてくれません。
内覧対応をして連続で断られると、気持ちが落ち込むこともあります。
内覧対応は一喜一憂せず、期待半分で淡々とクールにこなしましょう。
では次に無事に買主が決まったときの売買契約についてご紹介します。
7.売買契約
買主が決まると、売買契約です。
不動産は売買契約と引渡の間に1ヶ月ほどの時間を設けます。
売買契約では契約書の読み合わせと契約書への押印を行います。
売買契約時点では、買主から手付金を受領します。手付金の相場は売買金額の10%が相場です。
売買契約では、不動産会社が買主に対して重要事項説明を行います。
売主は、売買契約の時点で不動産会社に50%の仲介手数料を支払うのが一般的です。
不動産の売買契約で、売主として知っておくべき知識が1つあります。それは売主が負う瑕疵担保責任です。
瑕疵とは、通常有すべき品質を欠くことを言います。
戸建住宅であれば、雨漏りやシロアリ等の被害です。
売却後に瑕疵が発見された場合には、売主が責任を負います。その責任を瑕疵担保責任と呼びます。
通常、売買契約では、売主が負う瑕疵担保責任期間を3ヶ月程度で定めます。
買主との協議によっては、瑕疵担保責任を負わないということもできます。
瑕疵は、事前に売主側で把握していることは、告知しなければなりません。
もし知っていて告知しなかった場合、その瑕疵については売主の責任を免責することはできません。
不具合等があれば、隠さずに全て告知することが重要です。
売買契約では、重要事項の説明の他、買主に対して設備表の説明も行います。
物件に故障や不具合があったとしても、設備表の確認によって、不具合等を買主が容認して購入することになります。
売主としては、売却後にトラブルを発生させないためにも、不具合はしっかりと事前に告知することが重要です。
尚、瑕疵担保については、瑕疵担保保険を付保することで瑕疵が発見されても保険でカバーすることができます。瑕疵担保責任保険を付保すると、買主は安心して物件を購入できるため、売却しやすくなります。
また瑕疵担保保険に加入している物件は、買主が負担する不動産取得税や登録免許税の軽減を受けることができるため、買主にとって経済的にもメリットがあります。
瑕疵担保責任保険に加入するためには、インスペクションと呼ばれる建物状況調査を受け、合格する必要があります。物件を売却しやすくできますので、一つ知識として知っておきましょう。
8.引渡
売買契約を締結後、1ヶ月ほどで引渡を行います。
売主は、引渡までに引越を済ませておかなければなりません。
引渡では買主は残金の入金、売主は鍵の引渡を行います。
抵当権が付いていれば、残金の入金をもって抵当権の抹消を行います。
同時に、買主が住宅ローンを組む場合は、買主側でローンの実行を行います。
引渡では司法書士が立ち会いますが、司法書士は引渡後、すぐに抵当権抹消と、所有権移転、新たな抵当権設定の登記の全て行うことになります。
引渡では、固定資産税及び都市計画税(以下、「固定資産税等」)の精算も行います。
固定資産税等は、毎年1月1日時点の所有者に対して1年分の固定資産税等が課されます。
例えば、売主Aが1月1日の所有者で、7月1日に買主Bへ引渡を行ったとしても、その年の納税義務者はAになります。
そこで、買主Bから売主Aへ7月1日以降の固定資産税等を支払うことで、7月1日以降の固定資産税等を実質、買主Bの負担とします。
これを固定資産税の精算と呼びます。
引渡では、残金入金以外にも、このような精算といったお金のやり取りも発生します。
また仲介手数料の残金50%も引渡時に支払います。
では最後に不動産を売却したときの税金と確定申告について見ていきます。
9.税金と確定申告
不動産を売却したとき、以下の関係式で表される譲渡所得がプラスであれば、所得税が発生します。
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
譲渡価額とは売却額のことです。取得費とは購入価額です。
但し、建物に関しては減価償却後の価額になります。譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。
一般的に、住宅は経年とともに価値が下がりますので、譲渡所得はマイナスとなるケースが多いです。
譲渡所得がマイナスであれば、税金は発生しません。この場合、確定申告は不要です。
一方で、譲渡所得がプラスになっても、「3,000万円特別控除」と呼ばれる特例を用いると、譲渡所得がマイナスか、もしくはプラスになっても少額になります。
3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下の式で計算されます。
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円
家が購入当初から3,000万円以上も値上がりすることは滅多にありません。
そのため、3,000万円特別控除を適用すれば、ほとんどの方が3,000万円特別控除を適用すると、税金を支払わなくても済むことになります。
但し、3,000万円特別控除を適用するためには、確定申告が必要です。
この場合、税金を払うために確定申告するのでなく、特例を使って税金を払わなくするために確定申告を行います。
まとめ
いかがでしたか?
家を上手に売る方法と知識について、ご紹介してきました。
家を売る全体の流れの中で、一括査定はとても重要です。
なぜなら「一括査定で複数の不動産会社から査定額の提示を受けることにより、実際に売れそうな価格を客観的に把握しつつ、一番高く売ってくれそうな不動産会社を見つけることができる」からです。
実際に売れそうな価格も知らずに、一社だけの査定で売ってしまうと、後になって「相場より安く売ってしまった」という失敗に繋がりかねないので、十分に注意してくださいね。
媒介契約締結後は、内覧対応や、売買契約、引渡、確定申告へと話が進んでいきます。これらの段階では不動産会社のサポートが受けられますので、分からないことがあれば、不動産会社へ相談すれば大丈夫です!
この記事を参考にして、ぜひあなたの売却活動を成功させてくださいね。