米VICE誌「最も危険な写真 in JAPAN」山口組六代目・司忍組長と日大理事長兼日本五輪委員会副会長・田中英寿氏ツーショット公開
Hidetoshi Tanaka (left) with Shinobu Tsukasa, the head of the Yamaguchi-gumi, in 2005 from VICE NEWS
本日、日本のヤクザに関するある一枚の写真が、サブカルファンをはじめ全米のネットを大いに賑わせている。その写真とは、米VICE誌が本日のトップ扱いで「日本でいま最も危険で、最も代償の高くつく写真」と題した記事に掲載したもの。同誌はこの写真を日本円で10億円以上の価値があるとしている。
これに先立ち、先月の10日付けの東京アウトローズWEB速報版は、問題の写真について、こう記している。
「司忍6代目山口組組長と田中英寿(田中英壽)・日大理事長の2人を撮った写真が、複数の出版社に郵送されているのはほぼ間違いないことが本誌取材で分かった。しかし、ある週刊誌に送られてきた写真は何故か背景が黒く塗りつぶされており、日時・場所などの特定が難しく掲載は見合わされたという。この他、写真週刊誌にも郵送されており、実際に取材に動いたようだが、今のところ掲載されるかは不明だ。残るは今月20日発売の月刊誌という状況なのかもしれない。」
「東京アウト~」がこう記したように、日本国内では、この写真の件について、あまり多くの情報が見られなかったが、本日、米VICE誌(ヴァイス誌・バイス誌)が、遂にその写真をメディアとして初めて掲載したというわけだ。
米VICE誌による報道から一部抜粋
「私は、田中理事長とは対立する職員も多い日本大学の職員の一人です。この写真は、今から6~8年前に、田中氏が理事に就任した際に、彼が名古屋のクラブに行き、山口組の組長と他の多くの組員とともに、昇進祝いをしたときのものです。田中氏は、私たちのように彼と対立するグループを怖気づかせ、黙らせるために、何年にも渡ってこの写真を利用してきました。お願いです。調査をしてください。」
また日本の警察当局によると、敬天新聞の記者が、日本大学と田中氏から、この写真がいつ撮影されたものなのか、また田中氏が現在も山口組と関係があるのであれば、それがどのようなものなのか、について調べようとしたところ、9月30日、同記者が事務所に帰る途中で2人の男に金属バットで襲撃されたとしている。
さらに、その襲撃の翌日、日本国内のほぼ全ての大手メディアに対し、この写真を公開しないよう脅迫する電話がかけられたとしている。米VICE誌に匿名で取材を受けたある雑誌編集者によれば、脅迫の内容は「敬天新聞を襲撃した。もしお前らが出過ぎた真似をして2人の写真を公開したら、同じ運命になる」というものだったという。
以降、1ヶ月間、同写真は公開されず、本日、米VICE誌が初めて公開したとしている。
また同誌によれば、日本の警察当局の考えでは、山口組と敵対する住吉会がこの写真を流出させ、襲撃事件をセットアップすることで、これを山口組の仕業であると当局に思わせ、(少なくとも5千億円にのぼると言われる)2020年東京オリンピックに関連する建設ビジネスから山口組勢力下にある建設業者を追い出すことが目的だとしているという。
米VICE誌は、2011年に出所して以降の司忍組長が、組織に対して「堅気は攻撃しない」「窃盗や強盗はしない」「麻薬の売買・使用はしない」という古くからのルールを実施しているが、この伝統的なヤクザファミリーの価値観に賛同しない組員もいることを表す事件だとしている。
米VICE誌読者たちの反応 「なんてクールな記事なんだ」
「なんてクールな記事なんだ」を筆頭に「(映画『キル・ビル』に登場する、國村隼が演じた)ボス・タナカは、2003年に(ルーシー・リュー演じた)オーレン石井にころされているはずだから、この写真はフォトショップで加工されたものだ」といったアメリカ人らしいユーモアの効いたコメントにも多くの「いいね!」が。
さらには「犯罪者だろうがなかろうが、政府よりも国家を動かしているのは彼らだ。彼らが輸出・輸入をし、彼らがエンターテインメントビジネスを動かし、彼らが経済を動かしている。東日本大震災のときだって、いち早く救援物資を被災地に届けたのは彼らのリクルートした組織なんだ。彼らはサグなんかじゃない。ヒエラルキーであって、頼りになる男達の集団なんだ」というベン・フォックスさんのコメントには100件近くの「いいね!」とともに、多くの賛同コメントが集まっている。
そのほかにも「少なくとも、これで東京オリンピックにちょっとしたスパイスと興奮が加わったね」「この記事読んだだけで、自分の身の危険を感じて怖くなっちゃったよ。」「よく書かれた面白い記事だね」「映画みたいだ」「二人のボスの笑顔がいいね」「うわっ!本当に小指がないよ」「ってことは、VICEの記者の誰かが死ぬってことか?」などなど様々。
シノブ・ツカサに見る根強いヤクザ文化人気 in アメリカ
以降、今日に至るまで、アメリカ国内のアンダーグラウンド系のウェブサイトでは、ジャパニーズ・マフィアのボスである「ツカサ・シノブ」の人気は非常に高く、ときに「サムライ」「ショーグン」といった言葉で形容するとともに、「ヤクザ」自体が武士社会から現代まで続く封建システムの名残であり、封建システムとギャングスター集団の両方を行き来する巨大な政府のようなものだと主張している。
犯罪組織である以上は否定的な意見があるのは当然だが、それ以上に支持者が多く感じられるのは、アメリカにおける根強いヤクザ人気と、やはり「ジャパニーズ・ゴッドファーザー」である司忍氏の存在感なのだろうか。日本映画界が、往年のヤクザ映画のボス・高倉健(東映映画『山口組三代目』で山口組三代目組長・田岡一雄を演じた)を失った翌日の出来事ではあるが、リアルライフのヤクザのボス司忍こと篠田健市は、今日も至って健在のようだ。
今日のVICE誌記事に掲載された根本的な問題は日本の警察当局にお任せするとしても、アメリカ在住の日本人にとって、今日は海外からジャパニーズ・マフィア「ヤクザ」について改めて考えさせられる一日だったに違いない。
< 参照記事 >
– This May Be the Most Dangerous — and Most Costly — Photo In Japan By Jake Adelstein – November 19, 2014 | 7:25 am
– 【東京アウトローズ3行情報】 司忍6代目山口組組長と田中英寿・日大理事長「驚愕のツーショット写真」が複数の出版社に郵送: 東京アウトローズWEB速報版