スレ一覧
┗135634.擬似的戦争:Leal Pait+ ー 狂戦術師が染める第一世界 ー

このスレッドを通報する


||次|1-|新||
1:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ
03/20 00:02

     君達には今から
 『擬似的に戦争』を始めてもらうよ。
  大丈夫、ただのゲームと一緒さ。

   君と今すぐEngaugeしたい!
    ミバネオ内リンク
  感想は ミバネオ内リンク

ミバネオ内リンク


   ゲームスタート >>2-12
      RTA >>2-

   とあるプレイヤーの日記
  初日 始まり そして散る桜 >>13-107
 Ⅱ日目 黒含む歌を聴き願おう >>108-179
Ⅲ日目 竜狩る術は状況をみる鋭き刃 >>180-279
 Ⅳ日目 日常を侵食しずる出会い >>280-368
Ⅴ日目 覚悟を >>369- Ⅵ日目


  プレイヤー+αまとめ >>218

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集][管理]
381:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 10:52

「えっ、何!?」

目を開き、プレイヤールームを
飛び出した大智に、歩と心が言った。

「わたしも行くよ~!」

「同行するっす!」

「ええっ、待ってよ!美世…」

『ウィーンッ』

大智を追って、朧の言葉に耳を傾けずに
プレイヤールームを後にしてしまった。

「…あーあ、行っちゃったよ。
 どうする涼くん。
 おれ達はあの場所
 捜しに行っちゃおうよ」

「…あの場所?」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
382:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 11:03

キワク街も、廃校舎内も
全て四人で見回ったはずだ。

しかし、まだ捜していない場所が
あると言うのか。

「それはどこだ?」

「ふふっ…
 すっかり忘れちゃってるねぇ」

朧が一つ面白おかしく声を上げて笑うと、
不気味な笑みだけが顔に残る。

地下体育館



『トントン!』

無意識に、ノックする拳に
力が籠ってしまう。

「…乃亜… 聞こえているか?
 訊きたい事がある」

「そうそう~。わたしも
 乃亜ちゃんの答えが聞きたいなぁって
 思ってたんだよ~」

「乃亜さーん、出て来て下さいっすー!」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
383:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 11:19

『ドンドン!』

歩の「起きろ」は違う気はするが、
朝心の言っていた事が本当にあり、
二度寝しているかも知れない。

『ウィーン…』

「!」

騒がしくしていたお陰か、扉が開かれた。

「どうしたの、騒がしいなぁ…」

部屋からは、パッと見
いつもと変わらない乃亜が出て来るのだ。

「乃亜ちゃん、答えを聞きに来たよ~」

「…答え? あなた、
 やめるって言ってたでしょ?」

「わたしは乃亜ちゃん自身の言葉で、
 それを聞きたいんだ~」

(やめるって言ってた?
 それを聞きたい…?)

単純なクイズの答えを聞きに来たなら、
そんな事言う必要あるのだろうか。

「まぁ入ってよ…
 立ち話もあれだからね」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
384:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 11:47



「…って言うか灯也くん、君は
 乃亜ちゃんに会わなくてよかったの?
 因縁強そうだけど…」

大智のプレイヤールームを出ようとした中
朧は灯也に話を振った。

「…あー… それは…」

『 乃亜ちゃんに殺されなよ 』

脳裏によぎる邪悪な笑顔。

今までして来た行動。
『誰かの為』だったそれが、
気付けば自分の為にすり変わっていた。

「…まだ朝だし、いいんじゃないかな」

彼の言っている事は、
決して間違った事ではない。

当然の報いだ。

「…そうなの?
 何か計画があるなら、
 きっちり計画通りに行動しなよ?
 じゃないと計画がくずれるからね?」

その事に触れないのは、優しさか。

「まぁ、おれは計画通りに
 実行しちゃったせいで、
 失敗したんだけどね… あははっ。

 まぁいいや、じゃあ一緒に行こう。
 地下体育館」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
385:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 18:29



「お邪魔するっすー」

乃亜の部屋には、
大きなコンポが置かれていた。
あの黄色いリボンのマイクは
テーブルに置かれている。

「それで、何の用かな」

「…えーっと…」

一対一ならはっきり言えたのだが、
この人数で話していいのだろうか。

「言いなよ、
 わたしは止めやしない」

乃亜はなぜか悩む大智に悟り、
はっきり受け入れる姿勢を見せる。

「…あー、うん。分かった」

心と歩がいる中、すぅっと息を吸う。
自身を落ち着かせ、
真っ直ぐ乃亜を見詰めた。


「 美世さんはどこにいるんだ? 」


(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
386:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 18:57



『ウィーン』

三人が廃校舎を出ると、

「この世も中々罪深きモノであるな」

「あぁ… 結構、闇深そうだよ。
 枠の破壊によって家族を失った
 遺された者はどう思ったんだろうね。

 そもそもそれは、誰が始めたんだ?
 国家? 王族? 自ら?
 自ら立ち上がった結果なら、血を集めて
 実験何て出来ないだろう。
 それこそ、相当な冷酷さがなきゃね。

 その実験が行われた場所・ニーハ
 きっとそこが、第一世界と
 第二世界を繋ぐ橋の様な場所。

 僕達が住むあの場所は、橋を支える柱…
 あの事で例えるなら、僕らの枠
 ゲームマスターはその研究員で、
 僕達の血を集めて
 実験に使おうとしている…

 考えてご覧、彼は僕らを監視する様に
 口を挟んで来たんだ。
 彼らが監視対象として僕らを見てるなら
 それはきっと、民の怒りを買う行為だ。

 つまる所、僕らはきっと
 被害者であり加害者、もとい監視対象」

長々と口を開く骸と、璃音の声が
どこかから聞こえたのだ。

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
387:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/20 19:17

「骸君達の声が聞こえ…」

「…静かにしろ、バレるから」

声が近い、と言う事は、
彼らが近くにいる証拠でもある。

三人は息を潜め、声が聞こえた場へ
ゆっくりと歩んで行く。

「…って、全部推測の話だけどね。
 ごめん、簡略して話すのは苦手なんだ」

話が長いのは自覚している様で、
骸は聞いていた璃音に小さく頭を下げる。

『こっちから聞こえるよー…』

「…いや、いい。
 寧ろ、汝の話を永遠に聞いていたい。
 そんな気分だ…」

「へぇ…。君、結構物好きだね?」

「物好き… か、間違ってはいないかな」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
388:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/21 07:11

『何話してるのあの二人…』

『さぁ、分からない』

表からほんの少し顔を出し、
裏を見詰めている三人。
大きな建物の裏となったその場は
影と言う言葉よりも暗い。

「…確か、パソコンルームも
 こっちじゃなかったかな」

骸がそう言いながら、裏にある
奇妙なドアノブに手をかけた。

「だけど一つ…
 忘れてしまっている事がある」

一瞬、こちらと目があった。

(…バレた…)

反らそうとした刹那、足元を狙って
骸の刃が飛び込んで来るのだ。

「…っ!」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
389:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/21 07:20

『ガンッ!』

「ったぁ…!」

脅す為に足元に投げたそれは、
不幸にも朧の足の甲を貫通し、
一手間多く地面に刺さる。

「…もう三センチ程
 右に投げればよかったか」

「よかったか、じゃないでしょ!?
 結構薄情じゃない?」

「薄情… ああ、」

短剣を引き抜こうとしてしゃがんだ時、
骸は指をパチンと鳴らし、消滅させる。

そして、

情のだからね」
 は く り ょ く

「そういう事を言ってるんじゃない!」

珍しく客観的な事を言わなかった彼に、
怒りの様な声がぶつけられた。

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
390:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/21 07:33

「落ち着け朧、30ダメージ何て
 大した事ないだろ?
 骸も、故意じゃなくても
 怪我させたなら謝れ」

「「…」」

口論になりかけ、仲裁に入った涼の言葉を
二人は不満げに聞いていたが、

「そうだね、それが先決か。ごめん」

「…べ、別に、痛くなんてないし」

これにより和解できたのだ。

「しかし汝ら、盗み聞きとな…
 全く、腕白も過ぎる所だな」

本当はブーメランが刺さっているのだが、
今それを言うのは美しくない。

「道が同じだったんだよ、璃音くん」

「道が同じ、とな?
 つまり、汝らも地下へ行こうと…」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
391:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/21 22:10

「へぇ、璃音達も地下に用が?」

「少し目を通しておこう、とな。
 旅は道連れなり。では、いざ行こうか」

当たり前ではあるが、
あっと言う間に話を反らされてしまう。

「…ああ」



『キィ…』

璃音・涼を先頭とし、
寂れたドアが開かれた。

「「…」」

ごくり、と唾を飲み込む。

地下… 深淵に伸びる階段。

「…深淵を見詰める時、
 また深淵も我らを見詰めている…
 この先は、闇だろう。
 我らが視る場も、彼らが観る場も…」

五人を歓迎する階段は、
どこかで恐怖心を煽る様に嘲笑う。

「まぁ… 行こうよ。
 僕達が来た時は誰も会わなかったしさ、
 誰もいないはずだよ」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
392:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/21 22:18

「本当に誰もいないのかな、
 お化け屋敷の入口みたい…」

「お化け屋敷… って、テーマパ…」

『ガタン…』

入口でごちゃごちゃ怖がっていると、
階段の底で、何かがぶつかる音がした。

「なに、いまの」

背筋が 冷えて行く。

顔から血の気が引いて、皆、
音を受け入れたくないが如く、見詰めた。

「…なぁに。あんなの幻聴なり。
 我には聴こえなかったな…」

『カツッ カッ…』

「…聞こえるね、
 それもこっちに近付いて来る…

 この音だと、床の材質は木だろうか…」

骸一人、涼しい顔で耳を澄ましている。

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
393:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 05:53

「ざいしつとかどーでもいいよっ!
 怖いんだけど…」

「分かった、俺が先に行くから…
 後ろから付いて来い」

勇敢に涼が階段を降りて行く。

「…ぇえぇ。おれ最後尾はやだよ、
 先に行くから…!」

続いて、朧・璃音・灯也が
階段を駆け下りる。

「音的には軽いし、
 そんなたいしたモノじゃないと
 思うんだけどなぁ…」



(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
394:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 06:05

美世はどこだ。

それを訊ねた大智を、
心と歩は驚きの眼差しで注目する。

「…美世ちゃん?知らないよ」

「君が二日前、
 美世さんと会っているのは知ってる。
 あれから姿を見なくなったなら、
 まずは君を疑うしかない」

「…」

あの時、乃亜は楽しそうに
美世と話していた。

「あの時は既に決めてたんじゃない?
 ロストさせよう って」

敵の最期を見届ける為、
あんなにテンションが高かった
とすれば、少し露骨過ぎる気もするが。

「証拠は? 証拠はあるの?」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
395:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 06:18

「メールもないし、リラの知らせもない。
 一度会ってた って理由で悪者扱い?」

「いや、別に…
 君を悪者扱いをしてる訳じゃない。
 まぁ… あれだよ、話を聞きに来た…」

「多分証拠はあるっすよ」

「!」

歩が一度大智の言葉を奪うと、
コトノバツーワから
一つの音が流れて来た。

「…それは?」

「よく聞くっす、大智。
 二日前の事っすよ」

『…次は、今日起きた
 彼らの行動をプレイバックだ!』

音質自体は何とも言えなかった。
しかし、雑音の中に紛れるその声は
聞き覚えのある声だ。

「…どこかで聞いた事あると思う声…
 誰だっけ~?」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
396:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 17:49

『誰? って嫌だなぁ
 どこをどう聞いても、私の声だろうに』

「…!?」

どこか久しく、
そして愉快な、恐ろしい声。

ゲームマスター・エルヴの声である。

「やっぱそうなんすね、エルヴさん。
 黒歴史増やして大丈夫っすか?」

『エンターテイナーの鑑だろう?
 私と話すのもいいが、
 重要な所を聞き逃さない様にね』

そうだ。今、その声の持ち主が
エルヴだと言う事はどうでもいい。
重要なのは、これから聞く話の内容だ。

『ジャジャーン☆』

『お~… 何と、これはぁ!』

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
397:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 20:24

この後も、「何と何と」と続く言葉。
俗に言う引き延ばしが行われている中

「速く言えよ…」

誰かがそんな事を呟く。

(…?)

『ドコドコドコドコ…』

既にこのドラムコールを
二分間聞かされている気がする。

音しかないのがもったない位だ。
今頃映像があれば、想定外の事態で
慌てふためいているであろうエルヴの姿を
見る事が出来ただろうに。

『ジャジャーン☆』

『…あ、やっと届いた…
 ったく、誰だよ電波乱す奴…
 最近異物を連れて来てしまって、
 不安定で大変だよ』

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
398:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 22:01

最近、と聞くと違和感があるが、
これが録られたのは二日前。
三日前の事を最近と言うのであれば、
分からなくもない。

『えー コホン。何と!』

皆、自然に背筋を正す。
一度抜けた気をシャキッと戻し、
エルヴの声に集中する。


堤 美世さんは、
 黄舟 乃亜さんに倒されました
 いぇーい!』


「…!?」

音質の悪いドラムの音が鳴り響く。
その場に少年の煽りとしか聞こえぬ口笛、
カップルをそそのかす小学生の様な

『ひゅー ひゅー!』

『ドコドコドコドコ』

声が、誰にも拾われず流れ続ける。

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
399:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/22 22:14

『まぁ、結構待たせ』

『ピッ』

用は済み、再生していた音声を
停止させると、乃亜に顔を向ける。

「…はい、何か長々待たせちゃいましたが
 これにて終わりっす。
 どうっすかね?
 証拠になると思うっすけど」

声の主がエルヴだと分かった以上、
偽造した物だとも思えない。

「なんだぁ、わたしが言わなくても
 行動してたんだ~」

心はすっかりいつも通りに戻っている。

「乃亜… せめて、教えてほしい。
 それが本当なのか」

「…」

(Nin 3DS/Nin 3DS)
[返信][削除][編集]
||次|1-|新||
[HOME]

- XRIE -