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役者は好きじゃないとできない仕事であることは間違いない
皆さんの知り合いの中にも、今までの人生で一人ぐらいは役者を目指している若者がいたのではないでしょうか?特に都内でアルバイト経験がある人なら、バイト先に一人ぐらい俳優志望がいてもおかしくないと思います。逆を言えばそれぐらい簡単に志望できるのが俳優です。志望してると自分から言うならまだかわいい方で、何もしていないのに自称俳優が東京には山ほどいます。いやあなたの事は世間一般ではフリーターと言うのだよと思ってしまうのですが、そういう人と出会っても口に出したことはありません。心の中で図々しいなぁこの人と思うぐらいです。
何を持って役者と見なすかの物差しももちろんないので、個人差がすごいあるので一概には言えないんですけどね。ただ養成所に行ってたりエキストラしかやってない人が俳優ですって言っちゃうのはどうかと思います。というか俳優じゃないですから。
別にアルバイトをしながらしっかり俳優をやってる人たちも沢山います。世間の人が顔を見てわかるような人でも実はアルバイトをしているなんてことも多々あります。これはやってるジャンルにもよりますが、こう言ってしまうと少し夢を壊してしまうかもしれませんが、現実です。というか相当売れてる一握りにならないと、よっぽどサラリーマンの方が稼げます。だから好きじゃないとできないんです。一度に大きなお金が入ることもありますが、その仕事を取るまでの労力だったり、拘束期間を考えると世間一般では決して高い収入ではないと思います。例外はCMぐらいです。CMに関しては確かに拘束時間とギャラを考えると、かなり高い時給になる場合が多いです。しかしCMは競合他社のものにはもちろん出れないので、大きいCMをやればそのほかのCMに出づらくなります。
なのでほとんどの役者はアルバイトをします。僕は運よく俳優業で生活できる収入を得られる状態になれていましたが、これは謙遜でもなんでもなく「運がよかった」と心から思います。しかし、この俳優業だけで食べていくという行為はそれなりにシビアなんです。。。
俳優のほとんどは歩合制。収入の不規則さは半端じゃない
俳優の給料の形は
①歩合制
②給料制
に分かれます。僕の周りには歩合制の人がほとんどだったので、全体的にも俳優は歩合制の人が多いと思います。僕自身給料制になったことがなく、歩合制しか経験がありません。
給料制は僕の印象だと大手事務所の若い役者がなってる場合が多いイメージです。それもそんなに多いものじゃなく、10万円もいかない場合がほとんどだと思います。一人暮らしの場合、どうやって生活するねん!ってぐらい少ない場合が多いです。なので給料制とはいえ結局バイトすることになります。ただ売り上げを上げてない俳優に対して給料を毎月あげるわけですから、先行投資という形になります。なので小さい事務所はなかなかできません。ある程度のプール金がないと難しいですよね。
そこでほとんどの役者が歩合制ということになるのですが、この歩合制は事務所と自分の取り分の割合が人によってかなり変わってきます。基本的にはキャリアを積めば積むほど自分の割合が大きくなると思って頂いて大丈夫です。これは契約書を交わす時に取り決める内容です。僕は今まで自分の取り分の割合が事務所より少なかったことはないのですが、事務所によっては事務所の方が多い場合もあるようです。ちなみに僕はそんなの絶対嫌です!(笑)例えを出すと、
俳優5:5事務所
俳優6:4事務所
俳優7:3事務所
俳優8:2事務所
こういう割合です。8:2は滅多にいないと思いますが、稀にいます。とにかく移籍してほしくない場合なんかがこの割合になるかなって感じです。
なので50万円の仕事をしても50万円もらえるわけではありません。事務所と分け、そして源泉徴収という税金もしっかり引かれます。10パーセントですね。なかなか少なくなるでしょう?(笑)
例えば5:5の割合で25万と考えると、舞台の場合だと一ヵ月間稽古をして本番に一ヵ月ほど費やしたとすると、二カ月拘束の仕事になります。そうすると一ヶ月の収入は12万5000円です。そこから稽古中の交通費やご飯代を捻出するわけです。これは源泉徴収を引いてないので実際の収入はもっと減ります。ね?サラリーマンの方が稼げるでしょう?というかバイトの方が稼げます(笑)だから好きじゃないとできないんです。
しかも舞台だとノーギャラとか自分でチケット売ったりっていう舞台も多々あります。僕はやりませんが・・・。そんなの借金確定じゃないですか!貯金ある人なんてほぼいない世界だし、役者目指してるのにバイトに精出して貯金ある人もどうかと思うし。借金することは別に悪いことじゃないと思いますが、する内容によると思います。だいたい身内しか観に来ない舞台とか自主映画ってなんの意味があるんだよって思っちゃうし。あくまで個人的にです。
ギャラは仕事が終わってすぐにもらえるわけじゃない
ここで皆さんが一番知らないであろう驚愕の事実を・・・。
役者のギャラですが、仕事が終わった月にもらえたり、次の月にもらえたりするわけではありません。なんとですね、役者がギャラをもらえるのは平均的に・・・
三か月後です。
結構エグくないですか?先ほど説明した舞台の仕事で行ったら、二カ月拘束の後に、ギャラの支払いは三か月後。つまり稽古スタートから実に五か月後にやっと入金されるのです。やっていけるわけがない・・・。二か月後に入金されることもあれば、四か月後に入金されることもあって、三か月後はあくまで平均です。すべては制作会社が事務所にギャラを支払うタイミング次第です。僕は事務所に前払いしてもらう事も結構ありました。だって生活キツイんですもん(笑)
なのでクレジットカードのお世話になることも正直多々ありました。ギャラが入ったらドカッて返済する、みたいな。だから好きじゃないとできないし、まともな神経だと精神的になかなかきつくなるかもしれません。
また無理に役者だけで食っていこうと思うと、仕事を選べなくなってしまいます。この舞台は乗り気じゃないけど収入的にきついからやろう、みたになってしまいます。僕はそれが一番きつかったかもしれません。本当にやりたいことに対する信念は大切にしなきゃいけないと身に染みてわかりました。映画に惹かれたならどうすれば関われるのかをしっかり考えた方がいいし、やっても繋がらないならやらないほうがいい。
あまり参考にしてほしくはないけど、僕の周りはそうだった借金の事実
これは別に僕責任取れないから、あくまでこういうことがありましたよ的な話ですが、結構借金してしまった俳優の方が後々売れてます。僕の周りではそうでした。もちろんたまたまでもあると思いますが。
彼らを見てきた僕の持論ですが、「もう売れるしかねぇ!」っていう追い込まれかたをするのと、覚悟ができるからだと思います。ただこれは結構精神的に強くないとやれないことなのであまりおすすめはしませんが。まぁでも確実に追い込まれて今までより絶対行動的になるでしょう。そういえば『夢をかなえるゾウ』にも少し書いてあったし。
そんなことを踏まえると、やはり好きじゃないとできないっていう結論に辿り着きます。そしてまともな人にはちょっと難しいと思います。世間一般の、植え付けられている幸せというものを求めるならば、足を洗った方がいいでしょう。でもそれとは違った幸せが確実にあるとも思います。