株式会社KDDIエボルバ
埼玉県ふじみ野市にある西友上福岡店。
午前8時半過ぎ、従業員用のバックヤードに子どもを連れた母親が続々とやってきました。
向かった后はおもちゃ売り場の横に設けられた託児所のような部屋。
スタッフに子どもを預けると母親は足速に別の部屋に向かいます。
その扉には「KDDI」の文字が。
席に座って母親が手にしたのは電話で使うヘッドセットです。
実はこちら、コールセンター業務などを行う株式会社KDDIエボルバが10月27日に開所した新しいコールセンター。
その名も「ニア宅オフィス」です。
株式会社KDDIエボルバの猪嶋伸晃取締役執行役員によると
「ニア=近い」「宅=自宅」、家に近いということで「ニア宅」という言葉を使った。
株式会社KDDIエボルバは都心部を中心にコールセンターを展開していて、現在全国に42ヶ所あります。
こちらは子を持つ母親が通勤しやすいよう、住宅地の中に設けた初めての施設。
スタッフの全てが近所に住む母親です。
また保育士が常駐する託児所を併設、スタッフは無料で子どもを預けることができます。
スタッフは
通常だと保育園や幼稚園に子どもを預けないと働けない。ここは託児所があり、一緒に出社できて待機児童の心配なく働ける。
ママスタッフ
なぜここまでママスタッフを優遇しているのでしょうか?
今は人材の採用難。そこで待機児童問題で働けないママに着目した。
本来主力となるはずの学生やフリーターがSNSの普及により電話をする機会が減り、電話での会話が苦手に。
コールセンターでの仕事を選ばなくなっているといいます。
そこで株式会社KDDIエボルバは社会人経験があり、電話対応にも臆しないママスタッフの強化を考えたのです。
子どもを持つママが働きやすいところに職場を持っていき仕事をしていこうと。3年間で10店舗を目指す。
株式会社リクルートホールディングス
駅前に高層ビルが立ち並ぶオフィス街、品川。
そこに子どもと一緒にやってきたのは株式会社リクルートホールディングスに勤める米倉雅恵さん。
子どもを預け、米倉雅恵さんは隣りにあるオフィスへ。
こちらは株式会社リクルートホールディングスが10月27日から始めた子どものそばで働けるキッズスペース付きサテライトオフィス「モバイルワークオフィス『ちょくちょく・・・』」です。。
サテライトオフィス
サテライトオフィスとは通勤時間の削減や業務の効率化を目指し、本来の勤務先とは違う場所にある小規模なオフィス。
株式会社リクルートホールディングスの働き方変革推進室、佐藤邦彦さんは
時間の制約によって十分に自身の能力を発揮できない課題が見えている。働き方変革を推進する中の一つの手段として、子育て世代の方々も十分に力を発揮できる取り組み。
株式会社リクルートホールディングスの狙いは子育て支援の環境を整えることで経験の積んだ社員の能力をフル活用し生産性を高めることです。
子どもと離れ個室で業務に集中する米倉雅恵さんですが、時にはオフィスとキッズスペースの間はガラス張りになっているのでガラス越しに子どもと触れ合うことも。
仕事の合間に子どもの様子を見に行ったり、気分を切り替えながら仕事できるのがいい。
株式会社ママスクエア
株式会社リクルートホールディングスが始めた従業員用のキッズスペース付きサテライトオフィス。
それをサポートするのは子育て支援を手掛ける「株式会社ママスクエア」とシェアオフィスを展開する「株式会社ザイマックス」です。
株式会社ママスクエアは現在、首都圏や関西の7ヶ所でキッズスペースを併設したコールセンターを運営。
1歳から3歳ぐらいの子育て中のママが中心となってサービスを展開しています。
今回の株式会社リクルートホールディングスのサテライトオフィスの立ち上げをきっかけに今後は預かる子どもの年齢層を広げる計画です。
株式会社ママスクエアの柳川みなみさんは
リクルートの従業員の子どもに対しては小さい子から小学生ぐらいが多い。小学生という分野はチャレンジしたいと思っていたので、いいきっかけ。
株式会社ザイマックス
オフィスの運営をサポートする株式会社ザイマックスの長田健登さんは、
育児問題はより多くの企業が問題意識を抱えている実感がある。企業のニーズに沿った新しい形でチャレンジしていきたい。
国が働き方改革を掲げる中、ママと子どもが一緒に出社できる職場も広がっていきそうです。