「塚田農場」地鶏思わせ不当表示
全国に展開している「塚田農場」などの居酒屋のチェーン店が、メニューに店で地鶏を提供するまでの様子を紹介しながら、実際はブロイラーなどを使っている料理があったとして、消費者庁は運営会社に、再発防止などを命じる行政処分を行いました。
消費者庁によりますと、メニューの不当な表示があったのは、同じ運営会社が全国に展開している「塚田農場」と「じとっこ組合」のあわせて171の店舗です。
これらの店舗では、メニューに地鶏が店で提供されるまでの様子を紹介した上で料理を表示していましたが、消費者庁が調査したところ「チキン南蛮」や「月見つくね」など4つの料理については、ブロイラーや国産の地鶏ではない鶏肉を使っていたということです。
消費者庁によりますと、地鶏は一般的にブロイラーなどより値段が高く、食べたときに歯ごたえがあるということです。
消費者庁の調査に対して運営会社は、メニューの対象となった料理の近くには、「地鶏」という文字を書いていなかったため、誤解を与えるとは思わなかったと説明しているということですが、消費者庁は消費者に誤解を与える表示だとして、景品表示法に基づき、再発防止などを命じる行政処分を行いました。
「塚田農場」などの運営会社エー・ピーカンパニーによりますと、これらの料理はこれまでにおよそ35万5000食販売されましたが、現在はメニュー表示を改め、返金にも応じているということです。
エー・ピーカンパニーは「消費者庁のご指摘を真摯に受け止め、今後、誤解が生じない表記を徹底するよう、再発防止に取り組んでまいります」と話しています。
「塚田農場」などが、料理に地鶏を使用していると誤解を与えたとして行政処分されたことについて、東京・新橋で聞きました。
店で「チキン南蛮」を食べたことがあるという40代の男性は、「結局は、味がおいしければよいと思いますが、それでも地鶏だと思って食べていたものが、実は違ったということはショックを受けます」と話していました。
また、60代の男性は、「地鶏にはブランド力があるので、地鶏だと言われれば選びたくなる。きちんと表示してもらわないと、消費者は分からないので、徹底してもらいたい」と話していました。