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教育に関わるICT機器などの展示会「第9回 教育ITソリューションEXPO」(EDIX)の会期2日目となる5月17日、経済産業省サービス政策課教育産業室の浅野大介室長の「『未来の教室』とEdTech」と題した講演には多くの受講者が集まった。「EdTech」という注目のキーワードと、経済産業省が教育分野でどのような働きをするのか、動向が気になる教育・ICT産業関係者が多いのだろう。
浅野氏は冒頭に、なぜ経産省が教育を強化するかを説明。第4次産業革命といわれる時代において、「国内を見回すと将来が悲観的な産業領域はたくさんある。課題を解決する力のない若者が増える中では、いくら税制や政策を工夫しても根本的な解決にならない」との考えを述べた。「今の日本は、トヨタのような超優良企業や一部の世界的に通用する中小企業は例外的な存在で、ほとんどが仕事の中で無駄なことをしている低生産性社会だ」と指摘。これからは無駄をなくして生産性を上げるためにも、「課題解決能力や付加価値を生み出す力を持った人材の開発が必要」と強調した。
こうした課題を背景に、2018年1月に経済産業省が立ち上げたのが「『未来の教室』とEdTech研究会」だという。EdTechは、いつでもどこでも大学の専門的な講義を受けられる大規模オンライン講義や学習者ごとに適した学び方を提供する最適化学習、教科の領域を超えて科学・数学・美術まで学ぶSTEAM学習などを特徴とする学習方法のこと。米国、中国、シンガポールなどではすでにEdTechの利用が進んでいる。国内でもEdTechによる未来の教室の在り方やEdTech開発の方向性、導入の課題などについて議論するのが研究会の目的だ。