前回の「西小金井村塾」で一言、後でしまった、と思ったことを言ってしまった。
「センス」という言葉を使ってしまったのだ。

人に物を教える場で「センス」なる単語は決して使ってはならない。
何も教えてないのと同等だからだ。

同じく、美学の世界でも「センス」という単語は禁句とされている。
「センス」って一体何?というのを考えるのがそもそも美学だからだ。

「センス」とは感性・感覚のことである。
これを用いて僕の大学の師匠、岩城教授は「感性学」という名称を提唱した。
「美学」ではない、「感性学」なのだ、と。
しかし残念ながら浸透はしていないようだ。

「美学」は非常に誤解を招く呼称だ。
まるで「俺たちが美醜を正しく判断できるんだ!」とでも言いたげに聞こえる。
ちょっと考えれば解るが、そんなもん判断してもしょうがない。

「なぜ人間は、美醜の判断をしてしまうのだろう?」
と、問いかけなければ意味がない。
その問いかけでようやく学問になる。

大学時代はそれを鍛えてもらった。
授業にはロクに出なかったが、それでも数える程しか覚えてない授業は非常に刺激的だった。


みんなも、「センス」という言葉を軽々しく使う輩には気を付けろ!
そいつは正しい意味で、間違いなく、「センス」がない。