安倍晋三首相は22日午前、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、加計孝太郎理事長と2015年2月25日に面会したとする愛媛県文書に関して、面会を否定した。首相官邸で「指摘の日に加計氏と会ったことはない。念のために昨日、官邸の記録を調べたが確認できなかった」と語った。
文書には15年2月の面会で加計氏が首相に同学園の獣医学部新設について説明したとの記載がある。首相は「今まで国会で話したように、獣医学部新設について加計氏から話を伺ったこともないし、私から話したこともない」と述べた。
首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官は22日午後、経済産業省で「同席した覚えはなく、その話を聞いた覚えもない。首相から指示を受けた覚えもない」と話した。
加藤勝信厚生労働相は記者会見で、官房副長官だった15年2月に学園側の関係者と面会したことを認めた。「地元(岡山県)の事務所で加計学園の確か事務局長が来て、獣医学部についていろいろと努力しているが実現に至っていないと話をされた」と述べた。面会は首相に伝えていないと説明した。
立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の野党5党と衆院会派「無所属の会」の幹事長・書記局長は22日午前、国会内で会談した。「首相が虚偽答弁を繰り返してきた疑いが強まった」として、加計氏と柳瀬氏の証人喚問を求める方針で一致した。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は会談後、記者団に「首相の進退が問われる重大な局面を迎えた」と指摘した。
立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は22日、自民党の森山裕国対委員長に会い、衆参両院の予算委員会で首相が出席する集中審議の開催や愛媛県の中村時広知事の参考人招致を求めた。森山氏は野党側の要求に難色を示した。