ソニーは22日、英ロックバンド「クイーン」などの著作権を持つEMIミュージックパブリッシングの運営会社を子会社化すると発表した。約19億ドル(約2100億円)で、アブダビ系のファンドから60%超の株式を追加取得する。有力なコンテンツへの投資を拡大する。ソニーの買収としては過去2番目の大きさになる。
ソニーはこれまで運営会社に約40%を出資。残りをアブダビ系ファンドのムバダラインベストメントを中心とするファンドが出資していた。追加取得にあたり負債も含めた企業価値は47.5億ドルと計算。ソニーは既存の持ち分の再評価益として1000億円を2019年3月期の営業利益に計上する。
EMIはクイーンや英歌手のサム・スミスなど有力ミュージシャンの著作権を多く持ち、楽曲の使用などにともなって収入が得られる。18年3月期の売上高は6億6300万ドルで、営業利益は1億2700万ドル。ストリーミング再生の広がりなどで収益化機会が広がっていると判断して子会社化に踏み切る。
ソニーの最大のM&A(合併・買収)は1989年の米映画会社コロンビア・ピクチャーズの買収に投じた48億ドルで、今回は2番目の規模となる。ソニーはサービスやソフトにいかせるコンテンツへの投資を活発化しており、スヌーピーの版権取得も決めている。